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【三線コードシステム SCS01】ポジション・音階をインストールしよう!


 みなさんこんにちは。

 今回から始まった「シン・サンシン=SCS」の連載は、2007年から左大文字がやってきたプロジェクトである「三線コード弾き(左大文字流)」のブラッシュアップバージョンです。

 旧バージョンでは「工工四」による譜面で表記してきたわけですが、工工四の音階は半音などが少なく、またあくまでも沖縄民謡を表記するためのものなので、コード弾きをより精緻に弾きこなすには、やや不向きなところがありました。

 それをこのSCS Sanshin Chord System (サンシン・コード・システム)では、さらに正確でわかりやすい表現を取り入れることで、コード弾きの練習がより楽しくなるように考えています。

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 ではまず、第一回の最初はポジションのインストールです。

 工工四では、正確なツボ、位置を押さえるというよりは「正確な音になる位置を押さえる」ということを意識しますが、コード弾きでは1オクターブに12の半音がありますので、ある程度位置決めをしておいてやったほうがはるかに弾きやすいです。(微調整はしてもOK)

 実はとっても重要な話なのですが、沖縄音階の工工四で用いるポジションと、西洋音階で用いるポジションはちょっとズレている、という事実が近年再発見されました。

 このことは、沖縄音楽の専門家は肌でわかっていて、古いCDなどを聞くと、ちゃんと演奏家の音は西洋音階とはズレているのですが、本州で沖縄ブームが起こり、本州の人が三線を弾くようになると、西洋音階の位置でポジションを理解するということが生じるようになりました。

 そのため、ざっくりと言えば「西洋音階」と「工工四のツボ」は似てくるのですが、厳密には「場所や音が違う」という現象が起きているのです。

 たとえば、同じ「安里屋ユンタ」を弾いても、本州の人は西洋音階のピッチで弾くのに対して、沖縄で師匠から学んだ人は「沖縄音階のピッチ」で弾くわけです。でもそれぞれ単体で聴くと「ああ、安里屋ユンタだなあ」としか思わない、ということが起きています。

(それが具体的にどれくらいズレているのかは

の記事で検証しています)


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 それはさておき、今回からのSCSでは、できれば新しい別の棹を用意していただいて、「SCS専用三線」を作ってほしいと思っています。

 お金はかかりますが、邦楽器業界への応援のつもりで、もう一棹ぜひ用意してください。(もちろん、工工四で使っていた棹でもちゃんと弾けますよ)

 工工四で使っていた棹とは別の、新しい相棒が用意できたら、100均で丸シールを買ってきましょう。色はお好みで。

 それをSCSポジションに合わせて、正確に貼ってゆきます。その位置は、上駒から下駒(ウマ)までの距離によって、正確に決まりますので、注意が必要です。

 わかりやすく言えば、三線にも、「ギターのようなフレットつけよう」ということです。割付の原理はギターとまったく同じで、まるでギターのように、音階が増えることになります。

 では実際にやってゆきましょう!Youtubeに解説を載せています。

「三線コードシステム ポジションの設定」


0 = 開放弦の位置(上コマ)
1 = 34 mm
2 = 66 mm
3 = 96 mm
4 = 125 mm
5 = 152 mm
6 = 177 mm
7 = 201 mm
8 = 224 mm
9 = 245 mm
10 = 266 mm
11 = 285 mm
12 = 303 mm

 もちろん、厳密に言えばの状態やコマの高さなどで、コンマミリ単位では、この位置が微妙に変わることがあります。

 なので、気になる人は、チューナーを併用して位置を調整してください。

(ギターのフレットのように、固定してしまうわけではなく、あくまでもシールで目安をつけるだけなので、あまり神経質にならなくてもよいと思います)


 というわけで、まずこれで楽器の最初の設定は終わりです。コード弾きの準備が整ったということになりますね。

 いよいよ次回は実際にコードを押さえてみましょう!



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