見出し画像

Stable Diffusion あざらし美術館

長めのまえがき

 話題の画像生成AIことStable Diffusionで遊んでみましょう。生成できる画像の数には上限がありますが、無料で簡単に試してみたい場合、たとえばDreamStudioなどのサービスがあります。ただし、日本語の呪文には対応していないようで、英語にしないときちんとした画像は生成されませんでした。

 英語が苦手な方は、日本語対応のものもあります。LINEで友だち追加して呪文を送るだけの手軽さも魅力です。ただし、こちらも一日に2枚の制限があります。余談ですが、このシリーズには「文字起こしばりぐっどくん」というOCR(光学的文字認識)のサービスがあります。なんとこれ、英語、日本語、ドイツ語といったメジャーな言語はもちろん、契丹文字や西夏文字まで読み取る優れものです。これに使われているであろうライブラリを仕事でも試してみたいと思ったぐらい。

 ローカルに比較的容易にインストールできるものもあるようですが、私はNVIDIAのGPUがなく断念しました。機械学習をやっている人やゲーミングPCを組んでいる人でもないと要求スペックが難しいかもしれませんね。Google Colaboratoryを使う方法もあるようですが、導入が少し大変そうなので、とりあえずは上記のサービスで試してみましょう。

 前置きが長くなりましたが、とにかくやってみなくちゃわかりません。私は諸般の事情であざらしを義務付けられていますのでやっぱり可愛いあざらしがいいと思いますので、テーマはあざらしにしました。

わくわくあざらし美術館

 トップバッターは世界最古級の美術作品であるラスコーの洞窟壁画風あざらし。立体感の処理がラスコーの壁画の牛に少し似ています。色合いがきれいすぎてちょっと惜しい。でも君、ほんとにあざらしなの……?

A baby seal drawn like Lascaux cave paintings

 先史時代繋がりであざらし風の火焔型土器も試してみました。明らかに土器とあざらしは相性が悪いでしょうが、そういう時こそAIの出番……なんて思っていたのですが、アウトプットは土器というよりは中国あたりの磁器です。これは"Jomon pottery"という訳語の問題かもしれません。

A baby seal like a Jomon pottery

 ゆるキャラを描きかったので仙厓。これは違いますね。1枚目は寄生虫ですし、2枚目もあざらしなのはわかりますが……

A baby seal drawn by Sengai
A baby seal drawn by Sengai

 雪舟もうまくいきません。水墨画のサンプルの少なさと、(特に仙厓の)メジャー度の問題でしょうか。試し忘れてしまったのですが、北斎や広重も見てみたいですね。どなたかやってみてください。なお、タイトルの画像は雪舟風のワモンアザラシです。

A baby seal drawn by Sesshu

 尾形光琳ではどうでしょうか。

A cute white baby ringed seal drawn by Ogata Korin. classical. simple. painting.
A cute white baby ringed seal drawn by Ogata Korin. classical. simple. painting.

 結論から言うと、これが大当たりでした。見てください、このかわゆいあざらしたちを!2枚目なんて何かのアイコンにでも余裕で使えそうですね。また、全体的に『群鶴図』と似た雰囲気を感じます。

A cute white baby ringed seal drawn by Ogata Korin. classical. simple. painting.

 これまたかわゆい。ちょっと近代の日本画や西洋の香りもします。

A cute white baby ringed seal drawn by Ogata Korin. classical. simple. painting.

 ということで、せっかくなので西洋画も見てみましょう。まずは解説するまでもなくクリムト。あざらしの描写というよりは背景が……

A cute white baby seal drawn by Klimt.

 保存し忘れていたので小さな画像ですが、これまた解説不要でしょう。あざらしの描写というよりは背景がゴッホなのも同じです。

A cute white baby seal drawn by Gogh.

おわりに

 以上、ヤマもオチもないあざらし美術館でした。これを見たみなさんもぜひ、自分だけのあざらしを作ってみてください。
 クリエイティブな分野でのAIはまだまだ発展途上だろうと思っていましたが、あまりにもハイレベルなので驚きました。これから様々な議論を巻き起こしていくでしょうし、どのように発展していくのか目を離せません。

 私たち法律家もまた、AIに取って代わられる日が来るでしょうか?
 少なくとも近い未来ではないはずですが、まずは多要素を考慮する法適用の場面からかなと思っています。今回のイラストを見ていると、うかうかしてはいられませんね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?