XP-Pen Artist 12 Proを買ってみた!

先日ツイートした通り、液晶ペンタブレットを購入した。これでようやく私もデジタル絵師デビュー(笑)ができるようになった。

さて、以前からnoteで何か書いてみたいと思っていたので、折角なので今回購入した液晶ペンタブレットをにわか趣味落書き屋ながら、もとい、デジタル初心者らしい目線で、紹介しようと思う。

今回購入したのは、XP-PEN Artist 12 Proという、中華製液タブである。中華製と聞いて驚く人もいるのではないだろうか。

一般的に液晶タブレットと言えば日本の企業であるWacom社製の製品が多く出回っている(ペンタブ業界でのシェア率は実に8割超という驚異的な数字を誇る)。そして、一昔前ならそれ以外の海外社製の(特に中国製は)液タブと言ったらそれは酷いもので、安かろう悪かろうのものが多かったらしい。

しかし、いくつかの合理的な理由に基づいて私はこの液タブを購入することにしたのだということをここに述べておく。

まず一つ目の理由としては、値段の安さである。

Wacom製の液タブには、10万や20万以上もするものが多く、(私のように)デジタルお絵描きを始めてみたいという層にとっては手が届きにくい商品ラインナップである。それでも、Wacomにはそういった層向けの商品が無いわけではなく、初心者向けの液タブとしてWacom Oneという製品があり(実は自分はもともとこれを買うつもりだった)、値段は4万円強とWacom製では最も安い(余談だが、Wacom OneはWacomの液タブの中で最も売れている商品らしい。つまり、液タブの市場は初心者層が一番多いということである。もっと初心者市場の開拓を進めるためにより安い液タブとか開発したらいい気がするとかいい加減なことを少し考えた)。

しかし、このArtistはさらに安く3万円で買うことができる。とにかく安い。

そんな安い製品で、性能や信頼性は大丈夫なのか、と気になるところであるが、実は性能については全く申し分ない。それが二つ目の理由である。

XP-PENの主な性能は以下の通り。

・解像度 1920x1080(フルHD)

・筆圧感知レベル 8192段階

・色域 NTSC72%

・傾き検知 60°

言われてもわからない人もいるかもしれないが、一言でいうと性能としては十分、ということである。

例えば、筆圧感知レベル。従来の安い液タブと言えば、これが1024や2048段階だったという。しかし、この液タブの8192段階というのはWacomの高級液タブでも同じ感知レベルが採用されているほどであり、安い液タブでこれほど高性能だというのも驚きである。

もっとも、自分は趣味で絵を描く人間なのでそれほど高い性能を持つ液タブを持っていても仕方がないし、それほど頻繁に長く使い続けることもないかもしれないので、あまり気にする点ではないとも考えた。

また、今回この商品の購入を決めるにあたって、多くの方のレビューサイトや動画を視聴したが、総じてどれも評価が高かったり、初心者に向けておすすめされていたりなど、好意的なものが多かった。Wacom Oneを含めた他社製品のレビュー等も見てみたが、特にこの製品に問題となるようなことはなさそうだと感じた。これが三つ目の理由である。

これらの理由から、このXP-PEN Artist 12 Proの購入を決定するに至ったというわけである。(まあ一番は価格の安さなんだが)

さて、文字ばかり長々と書いていても仕方がないので、早速レビューをしていく!

左上から本体、スタンド、手袋、ペンケース、コード、説明書とか色々

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それぞれさらっと解説していく。

スタンド

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自分はあまりこのスタンドを使わないかもしれない。というのも、自分は絵を描くときは腕に体重をかけながら描くので、水平なところで絵を描かないと腕が疲れてくるからだ。

手袋

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これは、画面上でペンで描くときに、画面に手が触れて意図しない操作を防ぐためのものである。

(といっても、この液タブは指で操作する機能は付いていないのに、どうしてこの手袋が付属しているのだろう?)

ペン

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握った感触としてはとても軽く、適度な太さであり、握りやすく持ちやすいといった印象である。今までシャーペンで落書きしてきた自分にとっても特に違和感なく扱えそうである。

ペンの横には、ボタンが上下に二つ付いており、親指で簡単に操作できる。(なんか下のボタンを意図せずに押してしまいそうなので下のは無効にしようかと思う。)

このペンは電磁誘導式というものを採用しており、電池が無くとも画面にペンを近づけるだけで反応する仕組みになっている。電池が要らないので充電あるいは電池の交換が必要がないだけでなく、ペン自体を軽く、細くできるという良いことずくめの方式である。

また余談だが、この電磁誘導方式というのはかつてはWacom社の特許だったようで、数年前にこの特許が切れたおかげで他社製にも採用されるようになった。Wacomとしては今後ライバルが増えるかもしれず少し気が抜けない状況になったかもしれないが、これにより上手く市場原理が働き、我々消費者にとって有益な市場になっていくことを願う(←何様?)。

説明書は日本語あり。これも嬉しい。

これが本体。

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Artistシリーズでは最小のモデルであるが、それでも少し大きく思える。11.6インチの画面、フルHDでとてもきれいに映りそうだ。自分はそもそも机が小さい、これまでA4サイズの紙でお絵描きしてきた(それでもスペースが余るほどだった)など、画面は小さくても問題ないと思ったのでこのサイズにしたが、プロの方などはより大きい15.6インチとか、22インチとかを使うらしい。レビューサイトでも大きな液タブの方が書きやすいと言ってた気がするが、自分はこのサイズでも扱う上では問題はない。

横にはボタンが8つとダイヤルがあり、これでいくつかの操作をショートカットすることができる。あまりタッチ操作やペン操作に慣れていない自分としてはこれだけで作業効率が上がり、扱いやすいと感じる。(但し、人によっては、ない方がいい、という人もいるようだ。)

早速パソコンとつなげていく。液タブ側の接続はUSB Type-Cの端子一つにまとめられており、とてもすっきりしている。また、少し説明が難しいが、コードの先端をタブレットに埋め込むような形になっており、要するに端子が簡単に抜けないような構造になっている。

パソコン側では、HDMI(pc出力→液タブ)と、USB①(液タブ→pc入力)、USB②(液タブ電力供給)の3本を接続するが、pcのバッテリーを気にしなくて良い状態(電源につないであるとか)であれば、電力供給用のUSBは使う必要はない。私のLIFEBOOKにはHDMI出力端子があるのでそこにそのまま繋いだが、もしなければ別途変換装置等を買わないといけないようだ。

説明書に従ってドライバをダウンロードし、パソコンとつないでみる。pc上の設定によりpcと同じ画面を映す、あるいはpcのもう一つの画面として動作させる、ということができる。後者の場合、事実上のデュアルディスプレイである。ノートpcでデュアルディスプレイができるとはとてもうれしい。

ペンでマウスと同じように操作ができる。もちろん、液タブ内のマウスポインターを、pcのマウスで動かすこともできる。当然だが逆(pcの画面をペンで動かす)はできない。

早速CLIP STUDIO PAINTを開いて適当に何か描いてみる。

すげぇ… 感動。これが液晶タブレットかぁ…。

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デジタルでの絵の描き方とかもあまりよく分からないので、下手な絵ではあるがとりあえず妖夢ちゃん描いてみた。一通り使ってみた印象としては、液タブの仕様による不具合や使いづらさといったようなものはないと思う。画面の端に行くとペンがずれるという不具合が安いタイプの液タブにはあるようだが、この液タブに関してはそういったものはない。

Artistシリーズでは、ラミネート技術というのが使われているらしく、視差(画面の厚さによってペン先と画面に生じるずれ)が小さく抑えられているようだ。実際、画面上でのペン操作に違和感はない。

これまでアナログでしか絵を描いたことがないので、デジタルお絵描き全般に共通する絵の描き方や機械の操作など、初心者特有の使いづらさや違和感的なものもあると感じるが、これは今後使い続けていけば慣れるものだろうと思う。

個人的に気になった点としては、タブレットの画面が紙と比べると滑らかなので、ペンが滑るように感じたことである。ただし、これはこの製品特有のものではないし、慣れればどうとでもなるものだと思う。また、確か貼ることで画面の摩擦を増やすフィルムといったものもあったと思うので、気になるようであればそういったものを使って対処することもできる。

総じて、私、初心者的には性能がよくて扱いやすく、とても良い液タブで、非常にいい買い物をしたと思う。使ってみても違和感はなく、数時間使い続けて疲れるといったこともなかった。Artist 12 Proの場合3万円と非常に安いので、私のようにデジタルでお絵描きを始めてみたい!パソコンはあるけどペンタブレットがない!という人にもおススメできる。ちなみに、Artist Proシリーズのこれより大きいサイズの液タブでも3~4.5万程度とやはり廉価なので、ぜひ値段を気にせず自分の環境に合ったサイズの液タブを選んでほしい。

ということで、XP-PEN Artist 12 Pro初心者レビューは以上とさせて頂く。ここまで長々とお付き合い頂いてとても感謝している。

***

ちょっと気になったので

この液タブ、HDMI出力なら何でも画面に映してくれるのか?

ということで、ダメもとでさっきまでpcにつないでいたHDMIをNintendo SWITCHドッグのHDMI端子につないでみる(笑)

さっき使わなかった電力供給用のUSBをドッグのUSBコネクタにつなぐ。

双方の電源を入れると…

画像7

いや映るんかいw

ちゃんと使えるようだ(笑)

SWITCHはTVモードだとフルHD出力で、この液タブもフルHD表示が可能なので、とてもきれいに映る。

いやぁ、これでこの大きな画面でSWITCHのゲームができる(笑)これがやりたかったw

但し、もちろん本来の使い方では無い筈なので、やる場合は自己責任で!

この液タブ、SWITCHの画面としても、ノートpcでのデュアルディスプレイとしても、もちろんお絵描きにも、様々な活躍が期待できそうだ!

さて、流石に長々と書きすぎた(4000字超!)ので、今回はここまで。

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