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「虎に翼」7月4日・5日の感想メモ


こんにちは。
「虎に翼」が平日の最大の楽しみ、サンノです。

毎日「虎に翼」が最高で、毎日「虎に翼」を見たあとは一人で脳内感想会を開催して一人で楽しんでいます。とても楽しい毎日です。
7月4日と5日の回は特に白熱しました。あまりにも盛り上がったため、脳の容量が足りず、これは外に出さねば来週まで身が持たないぞと思い、ちょっとだけ書き留めてみることにしました。

箇条書きのメモ程度なので、読む人はなんとなく流し読みしてもらえたらと思います。


7月4日(木)の回

・寅子の妊娠がわかった途端に、母であれ、一滴の雨だれであれと強いてきた、そして他にもたくさんの雨だれを生み出してきた先生に対して「許さない」「納得できない花束は渡せない」と言い放った寅子。よかった!
現実世界で実際に寅子のように怒れる人は少ないだろうし、私が寅子だったら、モヤモヤしながらもその場の空気に流されて花束を渡してしまっていたと思う。許せない人に対し「大人のわきまえ」としてスンッとしてしまったこと、たくさんの人が経験していることでは……?
誠実で、きちんと言葉にする寅子、大好き。わきまえない女性をしっかりと描き切ってくれる物語が、本当にうれしい。

・ただ、ちょっとだけ、穂高先生もこの時代の男性にしてはよくやってくれたのだから、少しかわいそうかも……と思ったけれど、いやいや、かわいそうとか関係ない。寅子は怒っていい。

・尊敬していること、感謝していること。しかし絶対に許さないということ。
これらは両立する。

・桂場が寅子を「ガキ」と怒鳴りつけたように、直前になって感情が溢れ出し泣きながら場を去った寅子は、子どもっぽくうつるのかもしれない。
あの場面の寅子が「ガキ」なのだとしたら、「大人」とは何なのだろう?

・穂高先生は女性の権利獲得に尽力していたけれど、彼の得意としていたのは、社会を俯瞰で捉える、自分の死後も含めた長期的なものの見方であって、
当事者である寅子たちが「今」を生きている「個人」だという視点はおそらく抜け落ちてしまいがちだった。
例えば、男女の間で”差別の無い社会を作りたい”という意見が一致したとしても、差別を受ける側である女性には、自らの幸福の追求に関わる問題として一秒でも早く達成したいという痛烈な思いが含まれるのに対し、すでに特権を有するマジョリティ側である男性には、もちろん早めに達成できればいいけど「今すぐ」というほどの切迫感はない、という温度感のズレがあるかもしれない。
穂高先生はもう高齢で、雨だれが石を穿つのは自分の死後でもよかったのかもしれない。いま女性として自分の人生を生きている寅子は、当然今すぐにでも石を穿ちたいし、そのために歩みを進めてきた。

・”私も一滴の雨だれにすぎなかった”と謙遜して、反省した姿を見せれば許されるだろう。そして許されて、「法曹界で活躍する女性」という「自らの功績」から"花束"をもらえるだろう、という甘い考えも透けて見えた気がした……。

・「どうもできませんよ!」「それでいいじゃないですか!」と答える寅子の姿、いいぞ! エブエブのことも少し思い出した(私はエブエブが大好きだから事あるごとにエブエブを思い出す)。分かってもらいたかったけど分かってもらえず傷ついた人、今更どうもできないことをどうにかしようとする人、そのままにしておきたい人、わだかまりを無くしたい人。

・一方で、ゆっくりと時間をかけながら、着々と寅子から心が離れていく優未ちゃん。
優未ちゃんももしかしたら、寅子のことを人としては尊敬しつつも、いい母親ではなかったと、母のことは許せないと、思う日が来るのかもしれない。その日が来たとき、寅子は受け入れられるのかな。


7月5日(金)の回

・先生〜〜〜〜〜〜〜〜〜!
穂高先生〜〜〜〜〜〜〜、来てくれてありがとう〜〜〜〜〜〜〜(感情のジェットコースター)

・「すまなかったねえ」と謝りに来た先生に思わずちょっと泣いてしまったけれど、それはそれとして許さぬ。
あらためて、発言は撤回しませんと示した寅子がとても強くてかっこよかった。

・反省しても駄目、謝っても駄目、どうすればいい、と大きな声を出した穂高先生が、その後、寅子のもとへ訪れて、謝って、自分は古い人間だ、寅子のことを誇りに思っている、と伝えたこと。謝ったからといって、過去が変わるわけでもないし、寅子が許してくれるわけでもないし、それは穂高先生もわかっていることだろうけど、相手を変えるためや自分のプライドのためではなく、ただ伝えたくて伝える言葉は、純粋で心地よい、と思った。
「君もいずれは古くなる」という言葉も良かった。肝に銘じたい。穂高先生ありがとう、私はとてもうれしい……ただ「大きい声を出したらおなかの子どもがびっくりしてしまうよ」と言ったときは目ん玉ひっくり返ってしまったし、今もあの穂高先生のことを思い出すとそんな口の封じ方があるかと腹が立つ。ポジティブとネガティブの感情は共存可能だとあらためて実感。

・穂高先生と寅子は擬似的な親子であるという感想をツイッターで見かけて、おお確かに……と納得した。
尊属殺を違憲としたことと、自分のことを許さないと刃を向けてきた娘を、父に向かってなんということを、と怒らず受け入れたことには、全ての人を個人として尊重する穂高先生の姿勢があらわれている。

・皿を食う桂場

・最後の不穏な空気、優未ちゃんと花江ちゃんの表情がとんでもなくて、ヒッ!となった。予告だけでも、もう、すごい。「言いたいことがあるなら言って」って、ねえ……家族を養っていて、社会的地位が高くて、夜遅くに帰ってきてあくびしてる寅子に対して、ものを言うのは難しいよね……。
寅子は優未ちゃんのことを愛している、それは確かだけど、寅子は優未ちゃんの子育てを、多分全くできていない。脚本家の吉田さんもツイッターでおっしゃっていたように、「全部取り」できないのが辛くもどかしい。優未ちゃんにとっての身近な大人、育ての親は、もはや寅子ではなく花江ちゃんだ。
栄二に”親と暮らしたくないなら暮らさなくていい、親以外の大人に頼っていい"と話した寅子は、自分の娘にも同じことが言えるのだろうか。直明も、直人も、直治も、みんな家族思いで、親を大切にしている子たちばかりだから、「親を好きじゃない子ども」の話も描かれたら良いな。子は親のことを好きじゃなくてもいい。

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