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算命学余話 #R97 「凡夫入城を考える」/バックナンバー

 令和の時代になりました。天皇交代と改元に因んだ様々な番組が連日放送されたため、俄かに皇室事情に詳しくなったり、意外な事実を知ったりしました。
 例えば、退位された天皇陛下は上皇、皇后陛下は上皇后と呼び名が変わることになりましたが、上皇というのは本来「太上天皇」の短縮形です。しかし略さずに太上天皇と呼ぶと、新天皇と名称がかぶって紛らわしいので、今回は短縮形の方を正式名称にしたということです。
 更に新規なのは上皇后という名称で、これは今まで日本語になかった造語だそうです。天皇の母后を「皇太后」と呼ぶ習慣は以前からありましたが、皇太后となるには夫である先帝が崩御していなければならず、今回の生前退位には相応しくない。そこで別の呼称を考案した結果、「上皇のお后様」という意味の「上皇后」が生まれたということです。それほど生前退位は珍しい出来事なのです。

 ところで、天皇が崩御せずに生前のうちに退位するというのは約二百年ぶりの出来事だそうですが、その二百年前の交代劇はどんな様子だったのかを紹介してほしいと思っていたのに、どこも取り上げなかったところを見ると、何か軽々しく公表したくない事情があったのではないかと勘繰ってしまいます。
 天皇家が日本という国全体に与えている影響についての算命学的見解は、以前の余話で述べたのでそちらを参照して頂くとして、今回の余話は格法の一つである「一気成生格」についてです。一気成生格を成立させる命式は九種類のみと大変希少ですが、条件によってはこれに「準じる」形の命式があります。その一つに焦点を当て、前回余話#R96玄で解説した旺相休囚死を絡めて、その意味合いの所以を考察してみます。

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