見出し画像

ゼノブレイド3感想(オタク特有の早口)

ゼノブレイド3の感想を記録しておこうと思ったんですがオタク特有の早口のせいでTwitterだと文字数足りないのでブログ作りました
発売から2ヶ月経った※ゲームなので断る必要ないかもしれませんが、一応ネタバレ注意です

※スマホでチマチマ書いてたせいで書き終わったときには3ヶ月経ってた

■はじめに

基本的に僕のこのゲームに対する感情は「ゼノブレイドの続きを遊ばせてくれてありがとう」という"感謝"です

これはニンダイで『ゼノブレイド3』が発表されたときのツイートですが発売が楽しみすぎて"汁"が出る人間なのでプレイ中は脳が幸福感でぶっトんでました

『ゼノブレイド3』をクリアした日、偶然娘の運動会があったのですが
プレイ中の感情に一番近いのは"ソレ"でした
運動会で頑張る娘を見て「こんなに成長していたのか…生まれてきてくれてありがとう…」と感動するその感情

「母性のホルモン」とも言われるオキシトシンという幸福ホルモンがありますが、『ゼノブレイド3』プレイ中の僕の脳味噌はオキシトシンが大量に分泌されていたんじゃないかと思います

なので、これから書くことはやや批判的な意見が多くなりますが、それは僕の今作に対するスタンスが上記のようなものであり、思いっきり批判的な方向に舵を切らないと
「オギャァァァァァァァァァァ!!!!さ、最高でちゅううううううううう!!!!!ありがとう任天堂!!!ありがとうモノリスソフト!!!んほぉぉぉぉおおおおお!!!!!てこほてゆすおめもょんそこのねひさにもおょあとひおゆさとんさてのひそまねほ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
で終わってしまい「ゼノブレイド3プレイ当時の感想を記録しておく」という目的が果たせないからです


■ストーリー全般


『ゼノブレイド3』に関してよくある批判的な意見に「ムービーゲー」という意見がありますが
個人的にはむしろムービーが足りません

(そもそもムービーゲーというのは「ムービーの割合が多いゲーム」のことであり、ゼノブレイド3はムービー"も"多いゲームなので、いわゆるムービーゲーではないと思ってます)

僕にとって『ゼノブレイドシリーズ』※のムービーって「ご褒美」なのでムービーは多ければ多いほど嬉しいんですよ

※ちなみに本文中のシリーズとしての『ゼノブレイド』はナンバリングタイトルのみを意味します

ただ、『ゼノブレイド3』はその「ご褒美」になるムービーが少なかった

僕が今作に対して、一つ明確な不満があって、それは『命を背負って』が全然流れない!ということです

ちょっと『ゼノブレイド2』のトレーラー観ていただきたいんですが

このトレーラー観たとき何に興奮しました?
多分「この、BGM…『敵との対峙』やんけ!!!!」ってことじゃないかと思うんですよね
いや、全然違うんだけど、明らかに『敵との対峙』みたいな曲!


自分にとっての『ゼノブレイドシリーズ』の重要な要素として
ピンチから『敵との対峙』や『Counterattack』をBGMに、なんやかんやあって覚醒して大逆転
みたいな
古い言葉で言えば"鳥肌注意"的なシチュエーションをキメまくって脳内物質大量分泌するというのがあるんですよね
で、そこにセットになるのが『敵との対峙』枠のBGMなんです

もちろん今作にもそれを期待していたので
このトレーラー(命を背負って)を見た(聞いた)ときは
「ッッぱコレだよな!!」
と興奮したものです


が、ゲームが始まっても一向に『命を背負って』が使われない
『敵との対峙』や『Counterattack』は序盤の掴みのシーンでしっかり使われていたのに
アグヌスの特務(ミオたち3人)と戦闘するシーンでも
ウロボロスになったシーンでも
始めてインタリンクしたシーンでも使われない!
気づけば1話が終わってしまった

で、2話ですよ

ランツ、ユーニペアが初インタリンク!
ラッキーセブン抜刀!!
絶対的存在である命の日時計が真っ二つ!!!
BGMは今作の『敵との対峙』枠の『命を背負って』!!!!

ヨッシャーーーーーー!!コレだよ!!コレ!!!

まさに『命を背負って』にふさわしいカットシーンでしっかり『命を背負って』が流れる


スマホ版だと左上の部分を操作すると主要なBGMが途中まで聴ける


公式サイトで曲が途中まで聴けますが
そこでは聴けない曲の後半、激しい篠笛の旋律が加わるのメチャクチャ熱い

「やっぱこれだよな〜。強いて言うならラッキーセブンにノアが付けた名前とやらを叫んで抜刀してほしかったよな。まあ、きっと『1』と『2』が合わさった世界の、理を破壊するような剣なんだから、トリニティプロセッサー全盛りの、モナドと天の聖杯が合体したようなスゲェ剣なんだろうだし、今後の楽しみってことなんだよなぁ〜きっと。ったく、もったいつけやがってよぉ〜!」

と早口オタクになりながら、やっと"ゼノブレイド"が始まったと感動したものです


で、終わった


いや、終わったは言い過ぎですが
このあと『命を背負って』が流れるカットシーンは僅か一回
それも
「特にバックボーンも描かれてないポッと出の敵との戦闘シーンで、決着が敵の自滅」
みたいな微妙なシーン
(これはこれで「インタリンクを続けると消滅する」という重要な設定が明かされるシーンではあるんですが)


ミオパンチでぶっ飛ばされる"ポッと出の敵"


あんまりじゃないですか?


例えば、ゼノブレイドシリーズといえば主人公の持つ"剣"がとても重要なわけですが
アンリミテッドソードで抜刀後のアーツアイコンが明らかにモナドなこととか
エヌと融合したあとエヌの技(ハーモニクスウェイブ)が使えるようになってるのとか
アツくなる設定いろいろあるじゃないですか

で、さぁ
なんでそういうところを"ムービー"でやらないのかな!!???
結構これらの演出興奮したんですけどね…
(まぁ『ゼノブレイド2』でメツがモナドアーツ使うのとかもストーリ上触れられてませんでしたが)


とにかく今作はそういう
「しっかりカットシーンで観せて(魅せて)欲しいシーン」
のムービーがなかった

また、『ゼノブレイド』といえば(一話のミオたちと戦うシーンのような)戦いながらお互いの主張をぶつけ合う剣戟レスバトルが見所ですが
今作剣戟シーンが少なく、後半になるにつれそれが顕著になっていくんですよね
もちろん今作は表情の表現等が素晴らしく、キャストの熱演もあって、ストーリーを表情や会話で進めていくの、それはそれで良かったんですが
やっぱり剣戟シーンがないのは寂しい

もっとエヌと終(オリジン)の剣同士でキンキンやりながらミオを奪い合って欲しかった…

こういうの毎話やってもいい



さて、ムービーの話はこのへんにして
ストーリーはというと、なんだかずっと"違和感"がありました
キャラクターの言動に一貫性がないというか、行動原理がよくわからないことがよくありました

それらの違和感はストーリーが進み、『ゼノブレイド3』の世界観への理解が進むにつれ、腑に落ちるものもありました
例えばマシロのヒーロークエスト(のイチカの行動原理)は初見のときはイマイチしっくりこなかったし
メビウスであるトライデンを比較的あっさり仲間として受け入れるのも「ええんかそれで?」と思ったんですが
それは物語が進み「メビウス」という存在に理解が進むことで納得することができました


一方で違和感が違和感のまま残ってしまうものも結構ありました
代表的なものを一つあげるとエセルに関するストーリーでしょうか

まず第一に(作中での)初代エセルとカムナビの最期

いや、なんでこの状況で決着つけることを優先するんだ?
これがアシェラみたいな戦闘狂キャラならまだわかりますよ
でも君らどっちかっていうと「高潔な武人、将官」みたいなキャラでしたよね?
それがなんてあの状況で、目の前のメビウスやアナイアレイターを放置してタイマンの決着つけること優先してしまうんだ?


ノア達「何故二人が戦う!メビウスの仕業か!?」
メビウス「えっ?」

そして覚醒クエスト
いくらエセル本人の希望とはいえ
「一気に成長するけど寿命を残り一年に縮めるマシーン」を使うことをあっさり容認しすぎじゃね?
どうせこのあとメビウスぶっ飛ばして世界が元通りになるから寿命なんて関係ねーぜ、って感覚なんだろうか?
"命"の大切さを語ってきた主人公たちだけにすごい違和感ありました


と、代表的なものを挙げさせてもらいましたけど
こういう違和感はストーリーのいたるところにあって
途中までは
「寿命が10年という特殊な環境にいる人たちの価値観を表現するために、あえて違和感を残している」
というふうに解釈してたんですよ

例えば最初の「普通に男女が裸で混浴してる」ってすごい違和感だけど
その"違和感"は、言葉で説明せずともアイオニオンという世界が「こういうものだ」と理解できる、良い"違和感"じゃないですか

なのでキャラクターの不可解な言動も
「戦争もなく、寿命も10倍近い我々との価値観の違いを表現するためにわざとやってるのかな」
と思ってたんですよ

でもエンディングまでプレイして
「やっぱこれ脚本がおかしいよな?」
と感じました


それと、エンディングは良かったんですが、ラスボスがすごく消化不良でした
オリジンを進んでいるとき、エックスとワイがクッソどうでもいい中ボスみたいな扱いされたときから不安に思っていたんですが
(最初エックスを倒したとき「えっ!?バグでムービースキップされちゃった!?」と本気で狼狽えた)
マジでゼットがラスボスで終わってしまったのは物足りなかった

ゼットってプレイヤーからしたら、あからさますぎる"黒幕"なので
今までのゼノブレイドシリーズから考えると
「どうせさらに上位の存在がいて、そいつが真のラスボスなんだろ?」
って思っちゃうわけですよ

でも結局ゼットがラスボスだった
『ゼノブレイド』に例えるなら、機神界盟主のエギルがラスボスだったくらいの不完全燃焼感

ゼットの部屋の前でRPGゲームのラスボス戦前によくある「この先に進んだらもう後戻りはできないけど大丈夫?」的な選択肢出てきたときはいろんな意味で絶望しました

あと、「プレイヤーの想像にまかせる」にはいくらなんでも謎のまま終わった設定が多すぎます
仮にDLCで解決するとしたら流石にDLCに課せられた責任が重すぎですし
本編で明かされなかった謎がDLCで明らかになったとしても、ここまで謎が多いと
僕みたいに「エキスパンションパス買わないという選択肢が存在しない」という人間ならともかく
フルプライスで本編のみ買った人には不誠実なレベルだと思います

ソードオブトゥルースもラッキーセブンの名前じゃなさそうだし結局なんだったんだろう



ところで、この違和感と不完全燃焼感を『ゼノブレイドシリーズ』で感じるの初めてじゃなくて
ゼノブレイドDEの追加シナリオ、『つながる未来』の感想と近いんですよね

『つながる未来』のシナリオは"違和感"と"不完全燃焼感"が結構あるものだったんですが
『ゼノブレイド3』の直近の新作シナリオが『つながる未来』なので、正直いろいろと考えちゃいますね


…と、まあ、ストーリーについていろいろ言ってきましたが
なんだかんだで『ゼノブレイド3』のストーリーは満足です

個人的に『ゼノブレイド』は『ゼノブレイド2』で割りと完結してると思ってたので
『ゼノブレイド3』って下手したら「蛇足」となりかねない作品だったんですよね

でも、『3』の物足りなさは、好意的にとらえれば「やりすぎて無い」ってことでもあるので
続編にありがちな「過去作をぶち壊してしまう」ということはなかったと思います


『ゼノブレイド』、『ゼノブレイド2』の世界って"神"の手のひらの上みたいな世界じゃないですか
で、両作のストーリーをめちゃくちゃざっくり説明すると、そんな絶対的な創造主がいる世界をシュルクやレックスが破壊して「自分たちで未来を創っていく世界」を切り開いたという話じゃないですか(個人的解釈)

なのでそれらの(『1』と『2』クリア後の)世界が合わさった『ゼノブレイド3』の世界で、ゼット以上の、さらに上位の存在が出てきたら
「いったいシュルクやレックスがやってきたことは何だったんだ…」
ってなりかねないと思うんですよね


『3』でノア達が切り開いた"未来"って
シュルクやレックスが切り開いた"未来"じゃないかと思うんです
そういう意味も含めて『ゼノブレイド3』はちゃんとシリーズを総括していたように感じているし
『ゼノブレイド三部作の完結編』として考えれば、おおむね満足の行くストーリー(結末)でした




■キャラクター

ゼノブレイドシリーズといえば魅力的なキャラクターも重要な要素ですよね
それは今作も顕在、というか個人的にはキャラクターの魅力度に関してはシリーズ屈指でした

・ノア&ミオ

二人は幸せなキスをして終了

ノアとミオについて語るのは非常に難しいです
何故ならどうしてもエヌとエムと重なってしまうから
ノアとミオ、エヌのエムを同一線上の存在とするか、それとも完全に別人とするかは難しい問題ですが
僕は「ノアとミオ」「エヌとエム」は連続性のある別のキャラクターとして認識しています
ようは「今ループのエヌ」が「ノア」みたいな解釈です
これは作中ノア自身がエヌに対して
「俺とお前が違うのは環境だけだ」
といった旨の発言してますしね

で、なんでこんな前置きをするかというと
僕が今作で最も好きなキャラがエヌだからです
なのでエヌの印象が濃すぎて、「これはノアに対する感情なのか、エヌに対する感情なのか」とわからなくなってしまうからなんですよ
※ちなみに今作の主人公を「ノア」、エヌ含めたエヌ以前のノアを「エヌ」と表記しています。「ミオ」と「エム」も同様

さて、ノアとミオについてですが
一見二人とも優等生的に見えるんですが
実は6人の中では一番精神的に未成熟な二人だったんじゃないかと思います

それは二人が「おくりびと」として沢山の命をおくってきて、沢山の命に向き合ってきたからこそ
「命の使い道」が決まっていない、決められなかったからじゃないかと思っています

特にノアってパッと見「みんなを引っ張っていくリーダー」みたいに見えるんですが
一番悩みまくってるし、周囲に助けられている描写が多いんですよね
で、そんなノアをサポートするのがミオお姉さんなわけですが
それって無意識化で「一人で決断してメビウスとなったエヌ」に対する後悔があったりしたのかなぁと思います

一人でエムの命とシティの人々の命を天秤にかけ、決断させられたエヌのこと考えると意味深なセリフですね



ところで、ここまで露骨に主人公とヒロインが恋愛関係になったのシリーズで初めてじゃないでしょうか
恋愛関係になること自体はいいんですが、ノアとミオに関してはやや唐突というか、エヌとエムの感情引き継いで恋愛関係になってない?という感じがしたので、「ノアとミオの恋愛感情」を最も掘り下げて欲しかったかもしれない

UI写っちゃった

個人的は序盤の敵意剥き出しのミオ結構好きなので、この関係から徐々に打ち解けていく感じが欲しかったけど、一番率先して仲良しになっていってしまった
最初にインタリンク(意識共有)したペアだし、エヌとエムのこともあるからしゃーないんですが

ビジュアルに関しては
ノアは最初「人畜無害そうなあんちゃんだなぁ〜」と「可もなく不可もなく」みたいに思ってたんですが、前述したように今作表情の演出が素晴らしく、特にノアは(エヌとの差も含めて)それが顕著だったので、徐々に好きになりました


ミオのデザインは天才
和風テイストの衣装にミリタリー感のあるジャケット合わせるの大好きです
いきなり髪型の選択肢でたとき
「前作(2)の唐突な呼び方の選択といい、前置きなしにヒロインに対する究極の選択迫ってくるなこのゲーム…」
と思ったんですが、実はオプションから変えられるということを後で知りました(ちなみに初回ロングにしたけど、なんだかんだショートの方が好きかも。でも激しく動き回るとロングの方が映えますよね)


戦闘面ではやっぱりタキオンスラッシュでしょう
まさかあの優しいノアが、刀振り回して無数のエリート兵を一撃で屠る虐殺マシーンになるとは…

タキオンスラッシュ!相手は死ぬ

加えて通常アーツでもライジングスマッシュコンボできるのに
タレントアーツでブレイクからスマッシュまで"範囲"でやるの流石にインチキすぎでしょ
あまりの強さにチャレンジバトルではnerfされてましたね

ラッキーセブンのこと
『きっと『1』と『2』が合わさった世界の、理を破壊するような剣なんだから、トリニティプロセッサー全盛りの、モナドと天の聖杯が合体したようなスゲェ剣なんだろう』
と書きましたが、スペック面ではまさにそんな感じのぶっ壊れソードでした
まぁ、プネウマも相当ぶっ壊れてたけど

これが出る前に大抵の敵はタキオンスラッシュされてるんですが

インタリンク後は範囲攻撃連発できるので、雑魚戦では開幕抜刀タキオンスラッシュができる前までは、ドラゴンテイルサーキュラーエンドのお世話になった人も多いんじゃないでしょうか
何故か徐々に後退していく仕様のせいでボス相手には最悪の使用感でしたが
(インタリンクするとクイックムーブできないし)


ところで、ウロボロス形態での終の剣の使い方の説明ってありました?


元素エネルギーが回復しそうな剣

「終の剣」を抜いたはずなのに、いつまでカットバックドロップターンやってんだ?とガッカリしたんですが
たまたま(BGM聴きたかったのに手癖で抜刀しちゃって、即死させたくないからとインタリンクした時)、「アンリミテッドソード有効時間にインタリンクするとウロボロス形態のタレントアーツがオリジンブレイドになる」というのに気づいて
「わかるかそんなもん!」と思ったんですが、どっかで説明されてましたっけ?

※こないだインタリンク中に急にタレントアーツがオリジンブレイドになったので条件他にもあるっぽい




・ランツ&セナ

先程ノアとミオが「命の使い道」が決まってない、と言いましたが
逆にこの二人は明確に「命の使い道」が決まっていたなぁという印象

「ノア達を守る」ということに対する覚悟がガンギマリです


既に最優先事項が決まってるので
「(限界までインタリンクし続けて敵もろとも消滅することに)付き合ってもらってもいい?」
「ああ、気にすんな(即答)」
みたいな感じになるんですよね

おそらくそれぞれのこれまでの経験からか
6人の中で、いわゆる"自己肯定感"が最も低い二人だと思います
その結果「自分の大切な人を守る」という方向に価値観が全振りになって、「守るべきもの」の勘定に自分たちが入ってないの、個人的には共感できるところですし
だからこそ、逆に迷いまくり悩みまくりのノアの"メイン盾"としての二人が頼りになる存在だと思いました(セナはアタッカーですが)

実際
「これランツ達いなかったら死んでたよな?」
ってシーン結構多かったと思います

メイン盾きた!

また、ランツとセナはその純粋さから
ケヴェスとアグヌスという敵対する国同士である6人の橋渡しとしての役割も担っていたように見えます


素直にセナとタイオンに助力を求め、タイオンがハッとするシーン。細かいけどランツの良さがよくわかる

なので、ノアとミオ、ユーニとタイオンじゃなくても
もしかすると『ゼノブレイド3』は成り立っていたかもしれないけれど
ランツとセナがいなかったら成り立たなかったんじゃないかな、と思っています


だからこそ、セナの覚醒クエストは残念だった…
これセナじゃなくてゴンドウの覚醒クエストでやっちゃだめだった?

せめてセナの覚醒クエストなら、シャナイアはセナが看取るストーリーにして欲しかった


ただ、他のペアが"恋愛"的な描写多い中
最後まで「相棒」的な感じだったのも解釈一致です

「ノア達を守る」が唯一絶対の価値観だった二人
ノア達を守りきった後、「ランツと離れたくない」という"自分"の気持ちで、6人中唯一泣いてしまうセナ
とてもいいですよね

戦闘面では
インタリンク後はクイックムーブできないので、位置調整が常に課題としてつきまとうんですが
徐々にバックステップしてく人たちと違い
この二人は「突進技」持ちなのでボス戦では一番操作キャラとして一使ってました
ランツがインタリンクレベルに関係なくライジングまでできるのも偉い
セナメインで殴る→オーバーヒート直前にランツメインに切り替えてタレントアーツ
みたいな使い方してました



・ユーニ&タイオン

天才です
ユーニというキャラを創ったこと
タイオンというキャラを創ったこと
そしてその二人をカップルにしたろ!という発想
全て天才の所業。ノーベル平和賞

まず、ユーニですが
でっけぇおっぱいに、しっかりとした美少女のビジュアル
それに反するガサツなヤンキーみたいな言動
これだけでもお腹いっぱいなんですが
ユーニの凄いところはそんな「ガサツさ」が口調と所作"だけ"ってことなんですよね

口調と所作"以外は"メチャクチャ繊細で真面目で乙女
って……狂うぞ!

何言ってるかわかんないかもしれませんが
大事なのは「ガサツなキャラに見えて実は…」みたいないわゆる「ギャップ萌」なんじゃなくて
「口調と所作"以外は"メチャクチャ繊細で真面目で乙女」というキャラだってことなんです

「口調と所作"以外は"メチャクチャ繊細で真面目で乙女」
ここまでがワンセンテンスだ。よろしいか?

あと乳がデカいキャラは他にもいますが
ユーニのソレは「デカい乳が性的なものとして扱われない世界観」を最大限に活かしてたと思います
これも意味不明かもしれませんがプレイした人はわかってくれると思います

冷静になれない

で、そんなユーニの相手役にタイオンというキャラを置いたのも天才過ぎます

タイオンって序盤は「なんだこの嫌味なクソメガネ」って思われるだろうし
肌の色から「ポリコレ枠かな?」と思われても仕方ないキャラなんですが、まさかここまでプレイヤーの心を掴むとは

「表面的な部分"だけ"がガサツなヤンキーのユーニ」

「嫌味っぽく見えて実は思いやりの塊のタイオン」
をカップリングしたの天才すぎるでしょ




最高

ユーニとタイオンってなんかメインストーリーから分離して
2人だけのラブコメ展開してる感じありますよね

いや、2人共メインストーリーにがっつり絡むんですが
2人のキャラが濃すぎて、2人の関係の進展だけで一つのコンテンツになってるというか…


個人的に異性に対する性愛の概念がない世界観についてもっと掘り下げて欲しかったのですが
ノアとミオが一足飛びでラブラブになっちゃった一方
タイオンに関わるイベントでは、その辺について結構触れられることが多かったのもポイント高いです(それでも不十分ですが)





エンディングのやり取り好きすぎてこの二人だけやたらとSSがある


初期クラスがヒーラーで二人共TPがそこそこ高いこともあってヒーラー適正高いわけですが(初期TPがそのキャラの知力と比例すると思われてる中、ユーニが比較的TP高めなの解釈一致です)
ユーニとタイオンがインタリンクすると
「あれ?ヒーラーいなくね?」
ってなるのゲームシステム理解する上でとてもいい教訓になりました
インタリンクしたユーニがぶっ壊れヒーラーなのでなんとかなるんですけどね…
全体復活に何度助けられたか…


・他のキャラ
キャラクターが魅力の『ゼノブレイドシリーズ』だけあって、主人公達以外にも魅力的なキャラはたくさんいます
味方キャラ(今作の「ヒーロー」)加入について、前作『ゼノブレイド2』の賛否両論だったガチャシステムをなくし、クエストで確実に仲間になるようになり
キャラクターデザインに関しても、『2』のようなチグハグ感もそこまでなかったの、個人的には良かったと思います

齋藤将嗣デザイン以外のキャラクターはモノリスソフト名義になってます(DLC除く)


そんな中、敵味方含めて僕が一番好きキャラは(前述した通り)エヌです


🤯

NTRだの脳破壊だの言われていますが
エヌのこれまでのことを考えると「そりゃ脳も壊れるわ」と感じます


エヌってエム(ミオ)が全てなんですよね
ランツとセナに対して
『おそらくそれぞれのこれまでの経験からか6人の中で、いわゆる"自己肯定感"が最も低い二人だと思いますその結果「自分の大切な人を守る」という方向に価値観が全振りになって、「守るべきもの」の勘定に自分たちが入ってない』
と言いましたが、エヌはそれの究極にこじらせた奴です


このセリフ、逆に言えば世界の"すべて"がエムなんですよね



エム一人に対し、1000年以上の膨大な時間をかけて想いを熟成してるわけです

エムが消えた後のエヌは自らを「虚無」と表現し
その「虚無」は、ノア達から「哀しみ」や「後悔」だと否定されていましたが
僕はやっぱり「虚無」なんじゃないかと思います
だってエヌにはエム"しか"なかったのだから

全てを捨ててでも守りたかったエムが、自ら消えることを選んだってエヌの人生全否定ですからね
その絶望は想像を絶するものでしょうし、文字通り「脳が破壊」されてもおかしくありません

このシーンのエヌ、声優モーション表情全部含めてRPG史に残る名演だと思う

その上(エムと融合した)ミオは、否定した自分(ノア)と共に歩むことを選び
エヌの行いを否定してきます
エムの顔で、エムの口で、エムの声で!

今作はラスボスであるゼット含めて「敵側(メビウス)のバックボーンが語られず魅力がない」と言われますが
その分エヌが背負ってるものが激重になってます

エヌって
「悪に堕ちる理由がしっかりある」
「主人公達との因縁が深い」
「強くてイケメン」
と「魅力的な悪役」の条件満たしまくってるんですよね

だからこそもっと活躍して欲しかった
それこそ『2』のシンやメツのように
(余談ですが「愛する人を失う過去を背負った仮面のイケメン」「もう一人の自分(もう一人の天の聖杯)」という点でシンとメツの要素を合わせ持ってるんですよね)

イベントシーンの長さと濃さで忘れがちですが
エヌとエムのストーリーって「5話」の終盤から「6話」の序盤の短い期間でほぼ全て消化しちゃってるんですよね


思いついた「余興」、本当に最悪に"素晴らしい"の、憎悪マックスでよい

エヌってノアに対する憎悪マックスなんですよ
何故ならそれは(ミオと共に在るため)「自分が否定した自分」なので、ノアがミオと一緒にいるの、許せないわけです

自分の「過去」であり「選ばなかった未来」でもあるノアはなんとしてでも否定しなければならない
そうでなければエヌのしてきた事は無駄だったということになるから

主人公とヒロインに対してこんなに激重感情持った人間が短期間でストーリー消化されてオリジン(ラストダンジョン)で再戦するまで退場ってあまりにも勿体無さすぎる

もうお前がラスボスでいい
終の剣でエックスもワイもゼットもぶった切って「酷い世界」をぶち壊すためにラスボスとして君臨してくれ


メビウスになった時点で既にドン引きされてたの悲しい

僕はこのエヌという男が好きすぎて
なんならそれを裏切ったエムに対して若干ムカついてすらいます

いや、わかるんです
エヌがすごい自分勝手な奴だってことは
エムのことを想いながら、その実「エムと共に居たい」という自分勝手な欲望のために、エムの気持ちを無視して、エムをメビウスにし、シティの人間を殺して
それを「お前と共に在るために」って言われたら重すぎてドン引きしちゃうのはわかるんです

それでも、そんなエヌの想いを1000年以上感じ取りながら
「私の気持ちを察してもらうために消えます」
はあんまりじゃねーか?
もう少し、そこに至るまでのエヌの気持ちを、汲み取ってやれなかったのかなと思います


ところで、自分の読解力(もしくは記憶力)が悪くてわからないんですが
メビウスになったあとってその個体は再生されなくなるけれど、ノアとミオだけは(メビウスとなった同一個体がいるにも関わらず)特例的に生まれた存在なんでしたっけ?
それともメビウスはそのループまでの記憶を持った存在になって、それとは別に何も知らない同じ個体がまた10年ループ続けてるって設定なんでしたっけ?
多分前者な気がするけど、仮に後者だとしたらエヌ(とエム)はメビウスとして、無数のノアとミオが生まれて、殺し合ったり、愛し合ったりして、最終的には様々な形で死んでいく様子を見ていたわけで
あまりにも業が深すぎる


■ゲームシステム等について


ストーリーとは違いゲームシステム全般に関しては割りと(過去作比で)評価が高く、基本的には僕も同意です

まずは良かった点から

・全員参加のバトルシステム
これを決めた人を褒め称えたい
ゼノブレイドに限った話じゃないですが、RPGって魅力的なキャラがいてもPT枠が限られていたり、枠内に収まってもロールの調整が必要だったりして、どうしても好きなキャラクターが全員使えないことありますよね
過去作はまさにその問題点にブチ当たってました

ですが『ゼノブレイド3』は
「戦闘には6人(+ヒーロー)全員参加」
「全員ロール(クラス)変更自由」
という力技で解決しました

画面がごちゃごちゃする?うるせぇ!全員参加の方が遥かに大事!そうだろ、タイオン!

しかもこれ、ごく一部のイベント以外では基本6人全員揃ってるんですよね(RPGにありがちな誰かの一時離脱がない)
「6人全員が主人公」感があって良いバトルシステムだと思いました

それはそれとして
「多人数PTでタンク、アタッカー、ヒーラーをバランスよく組み込む。仲間を復活させられるのはヒーラーだけ」
みたいな戦闘システム、どことなく"直樹"の息吹を感じますね…

・手軽にインタリンクできる
最初トレーラーでインタリンクのこと知ったとき
温存して使い所を見極めなければならない"大技"だと思ったんですけど全然そんなことなかった

雑魚戦めんどくせー→インタリンク
やべっ、ちょっと死にそ→インタリンク
みたいにかなり手軽に使えるようにしたのは正解だと思います
(これに関しては意図的にそうしてると開発者インタビューでも語っています)

通常時のタレントアーツの方が使った頻度少ないくらいじゃないだろうか

気軽にインタリンクして、ドラゴンテイルサーキュラーエンドループできたおかげで、雑魚戦はかなり快適でした
ただ、逆に言えばウロボロスアーツキャンセルができるようになるまでは、結構戦闘のテンポ悪くて雑魚戦がなかなかダルかったですね


次に悪かった(いまひとつだった)点

・やはりまだ不親切なUI

今までと比べてだいぶ改善されたとは言うもののやはり不親切
特にアクセサリー選択時にソート機能ないのは重罪
あと「お気に入り」ってなんなん?
別に上位に表示されるわけでも、自動装備時に優先されるわけでもなく…

まさか、ちっせぇ〜〜〜星マークがつくから高速スクロールしてても見つけやすいですよ、って機能じゃないですよね?


UIについてアクセサリー関連以外だと
ヒーロー図鑑に重要な情報ありまくり問題
なのにヒーロー切替がLRでできない問題
とか
マップにアイコン重なってるとファストトラベル関係アイコン選択しづらい問題
とか
チェインアタックのTPボーナス要因わかりにくい問題
とかいろいろありますが
やっぱりアクセサリーが一番納得いかないです


重要すぎる設定がわかりにくいところにありすぎ問題



・チェインアタックゲー

いや今までもチェンイアタックゲーやったやんか
というのはわかります
ただ今作はチェインアタックが長く、そしてBGMが変わる

なので僕の不満点は「BGMオンオフ機能をくれ」ってことです

チェインアタックのBGMは好きなんですよ
演出も好きです

でも戦闘時間の殆どがチェインアタックになっちゃうのはどうなんですかね?

「高いダメージを与えられる」「チームの立て直しにも使える」「経験値ボーナスがある」とチェインアタックはメリットすごく多いですし、チェインアタックでインフレダメージを叩き出すのも『ゼノブレイドシリーズ』の魅力ではあります

ただBGMのオンオフ機能くらいはつけても良くない?

今作の「名を冠する者達」はシリーズ通して一番好きな「名を冠する者達」なんです
特に後半がめちゃくちゃいいんですが
合理的にプレイ(チェインアタック縛らない)してると聞けないんですよね

メリア、ニアの専用BGMのオンオフはオプションでできるし
特定のボス戦ではチェインアタックBGM切り替わらないんだからすぐいけそうなもんだけど…



■まとめ


散々文句言ってきましたが
アマゾンレビューつけるなら星5です

僕は基本的にゲームを加点法で評価するってのもあるんですが
今作ストーリー(脚本)は確かに微妙なとこあれど、逆にそれ以外は過去最高傑作じゃないですか?
(好みの問題は別として)

魅力的なキャラクター
完成形とも言える戦闘システム
不十分とはいえ改善されたUI、UX

そして、『ゼノブレイド』の魅力である広大なオープンワールド探索や、素晴らしいBGMは顕在

めちゃくちゃいいゲームですよね

「いいゲーム」が何かというのはいろんな意見があるかと思いますが
個人的に「いいゲーム」の多くに共通しているのは
クリア時「このゲームの世界から離れたくない」と思えるゲームだと思います

いかないでくれ…


「全員参加のバトルシステム」が素晴らしいと書きましたが
オープンワールドゲームと
「メンバー全員が常に画面内にいて、常にいろんな掛け合いをする」
みたいな要素めちゃくちゃ相性いいんですよね

何故なら一緒に旅してる気分になれるから

僕は『FF15』が結構好きなんですが、『ゼノブレイド3』とすごく似てますよね
4人の魅力的なキャラクターと長い間旅して、最後にくる別れ

ネットミームとして有名なこの画像、真面目にプレイしてると「そりゃつれぇでしょ…」ってなりますよね


そういや「それ以外は素晴らしいのに脚本がダメで評価を下げている作品」ってとこも似てますね



ゲームっていろんな要素が合わさってできている物で、ストーリーってその一要素でしかないんですよね
というかストーリーもそんなに悪いわけじゃないんですが
前作までのせいでハードルが上がりすぎた

なのでもしかすると
『ゼノブレイド3』がシリーズ初プレイって人の方が楽しめたのかもしれませんが、それは僕にはわかりません
前述したように『1』と『2』の総括として満足したという部分もありますし
過去作のキャラクター御本人が登場するので、過去作要素は強めだったような気もします

一人重婚ソード


最初に書きましたが、僕のスタンスは「ゼノブレイドの続きを遊ばせてくれてありがとう」という"感謝"なので
本作を『ゼノブレイド』『ゼノブレイド2』と地続きのものとして見ています

本作の
『ゼノブレイド』と『ゼノブレイド2』の世界がぶつかって混じり合った世界を、2つの世界の混合チームと旅して、最後は元の世界に別れ、戻っていく
というストーリーは
自分の中の『ゼノブレイドシリーズ』への"想い"に対するアンサーとしては良かったと思ってます

なんというか、『ゼノブレイド』、『ゼノブレイド2』オタクの強い想いが見せてくれたひとときの夢、みたいな
そんなゲームでした


さらばゼノブレイド


■ところで


…と言ってて思ったんですが

メビウスって、ゼットって"俺"じゃん!

アイオニオンという、一生『ゼノブレイド』をやっていたいというオタクたちの想いに応える世界
それ見ながらニヤニヤしてるゼット

これ俺じゃねーか!


この記事を書き始めたときこんな結論に至るとは思わなかったんですが、そう考えると『ゼノブレイド3』のストーリーに、数々の不満点を持ちながらも妙にスッキリしてるも納得できます

いつまでも"ゼノブレイド"にこだわってんじゃねーぞ!これで一回おしまい!次だ次!

制作陣が意図したものなのか、僕が勝手に解釈してるものなのかはともかく、今作からはそんなメッセージを感じました

前言撤回、ラスボスは"俺達"だ

『ゼノブレイド3』は「俺達がゼノブレイドの厄介オタクと化す前に、"ゼノブレイド"という覚めない夢から目覚めさせてくれるゲーム」だったのではないか

『ゼノブレイド3』がなければ僕は永遠に『ゼノブレイド』の次回作を求め続けていたかもしれませんが
『ゼノブレイド3』のおかげで、「あ、"ゼノブレイド"って終わったんだな」と気持ちの整理をつけることができたんじゃないかと思うんです

やっぱ感想を言語化しとくのって大事ですね
自分でも気づけなかったことに気付かされます


…とは言うものの、まだDLCが残っています
『黄金の国イーラ』のような追加コンテンツがあると明言されていますが、誰にスポットを当てたストーリーになるのでしょう

(余談ですが『黄金の国イーラ』の通常戦闘曲、シリーズの通常戦闘曲で一番好きです)


後日談…はエンディング的に難しそう
ゼット倒してから、エンディングまでの間?
過去編ならエヌとエム?
エヌとエムの子供が主人公とかもいけるか?

『ゼノブレイド』の決着について語っておきながらなんですが、やっぱり楽しみですし
『ゼノブレイド』の精神的な続編がでるんなら、なんだかんだ喜んでハードごと買っちゃうと思いますswitch買った理由が『ゼノブレイド2』をやるためだったので

おわり







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?