電磁鋼板、国際価格が上昇

 電磁鋼板の国際価格が上昇している。中国の鉄鋼増産が誘引した主原料価格の上昇が足元の主因だが、加えて新型コロナウイルスの影響を受けた送配電網安定のための変圧器需要の復調、家電需要の好調さ、自動車の電動化、カーボンニュートラルに必要な水素製造など中長期的な需要増加が見込め、安定確保に向けた思惑的な側面も含めて取引が活発になっているためだ。高炉メーカーが欧米の大手重電・トランスコアメーカーと進めていた上期(1―6月)の方向性電磁鋼板(GO)の輸出商談は昨年12月に約2年ぶりに値上げ決着。これを起爆剤に、高炉メーカーは他の商談でトン100ドルを超える水準での大幅値上げを打ち出しており、先高観が鮮明になっている。

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