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非鉄業界で働く/女性営業職編/インタビュー/一歩進んだ営業に挑戦

 神鋼商事グループの神商非鉄(本社=大阪市中央区、岩﨑洋介社長)では、女性社員が営業職として活躍している。2005年入社の成田雅子(なりた・まさこ)さんは東京営業部・流通グループに所属。神戸製鋼所が製造するアルミ厚板を流通商社に供給している。成田さんにこれまでのキャリアや今後の目標について聞いた。


 ――入社までの経緯を教えてください。

 「いろんな職種で働いてみたいという気持ちから、当初は派遣社員としてこの会社に入りました。入社後はまず事務職として受発注業務などに携わっていたのですが、職場の雰囲気が良くて私にとって働きやすい環境だと感じたこともあり、結局ほかの会社はどこも経験せずにそのまま事務正社員としてそのまま採用していただきました(笑)」

 ――事務職から営業職になるまでにはどのようなことがありましたか。

 「事務正社員となって2年後に、今度は当時の社長が女性の登用に力を入れていて社内で営業を担当する女性総合職の募集がありました。事務職の時に電話でお客さまと会話するのが楽しかったですし、外回りの仕事が向いているとも感じたので思い切って手を挙げました。また、当社では新規の飛び込み営業が比較的少ないと聞いていたこともあって、挑戦しやすい環境が整っていたのかなとも思います」

 ――印象に残っている仕事を教えてください。

 「造船関係の案件に携わったことです。工期に間に合うように材料を手配して、無事に納入まで済ませることができ、船が完成したと聞いた時はとても充実感がありました。普段、私が取り扱うアルミ厚板は主に半導体や液晶製造装置が向け先で、最終製品がイメージしにくいものばかりです。たまに船のように誰もがイメージしやすい案件が回ってくるとわくわくします」

 ――教訓となった出来事はありますか。

 「東日本大震災が発生した時のことです。東北エリアの担当している身ですが、すぐに現地に向かうこともできず、非常にもどかしさを感じました。もし次にこのようなことが起こった場合には、被災した取引先に何かできることはないか、スピード感を持って行動し、少しでも力になりたいです」

 ――日々の業務で心掛けていることは何ですか。

 「営業の仕事をする上で、お客さまとのやり取りは決してメールだけで済まさないようにすることです。メール1本送るにしても必ず電話を入れるとか、とにかく会話することが大事だと思っています」

 ――業界で活躍する女性が増えていくためには何が必要でしょうか。

 「この業界にはIT企業のような華やかさはありませんが、日本のものづくりや技術は素晴らしいものです。また、業界として長い歴史があり、生き残り続けているのにも理由があると思いますし、より多くの人が興味が湧くようなPRの仕方をしていく必要があるのではないでしょうか。最近では、女性がトラックの運転手をしていたり、工場でバリバリ活躍している例も目にします。この業界で働く女性も増えてくると思っています」

 ――これから入社する女性社員にどんなアドバイスを送りますか。

 「私が入社したばかりの時に、上司から『初めの3年間は何でも聞ける。今のうちに聞けることは全部聞いておきなさい』とよく言われていました。今後入社してくる方にも、どんどんお客さまの所に足を運んで、いろんな話を聞いてもらいたいです。実際に現場を知って、自分の目でしっかりと確かめて商品知識を吸収していくことが大事だと思います。いまだに私は聞いてしまうところが抜けていませんが(笑)」

 ――今後の目標を教えてください。

 「個人としては一歩進んだ営業にチャレンジすることが目標です。ありきたりに『買ってください!』とただお願いする営業スタイルではなく、在庫商売なので、お客さまニーズに合わせて柔軟に商材を提案できるようにしていきたいです」

 「組織としては、今年度から東京営業部内にアルミ厚板の輸出事業を手掛ける加工・貿易グループという部署が立ち上がりました。まずは中国・韓国・東南アジア方面への輸出事業を軌道に乗せることから注力していて、この先はさらなる販路拡大に一丸となって取り組んでいきます」

(欠端 優太)

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