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営業戦略を聞く/日本製鉄 廣瀬孝副社長/続く原料高、価格是正注力/供給網堅持へ商慣行見直す

――国際市場の変化をどう捉えているか。

「2021年に新型コロナウイルス禍からの回復が続いたものの、半導体の供給制約やグリーンフレーションを背景とした資源・エネルギー価格の高騰で鉄鋼業界はリスクが顕在化した。ロシアによるウクライナ侵攻は鋼材の需給にも大きな影響を与えた。中国は経済の減速感が表面化し、直近は上海などでのロックダウンの影響が広がった。このような状況にもかかわらず、中国鉄鋼メーカーの粗鋼生産量は4月以降急増しており、これが継続すると考えると年率換算11億トンと、前年を上回る高水準となっている。しかし、中国政府は脱炭素化の流れを受け、粗鋼生産量について昨年実績(10億3000万トン)を超えないとする政策を表明しており、今後、減産に向けた取り組みを本格化させるだろう。よって現在の生産状況は長続きしないと考えている。また5月は、中国からの鋼材輸出も増加しており、周辺国市況のかく乱要因になっているが、これも輸出増値税還付撤廃などに見られる中国政府の鋼材輸出抑制方針と相容れない。足元の変動を踏まえた一過的な動きとみているが、今後の動向を注視している」

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