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貴金属市場の現状と見通し 池水雄一氏(日本貴金属マーケット協会代表理事)に聞く 環境問題、銀・白金にプラス

 環境問題への取り組みが、貴金属の需給にとってプラスに働いている。銀は太陽光発電の需要が伸びるとみられ、水素燃料電池車(FCV)化が進めば白金の使用量も増加する見込みだ。一方で、世界的な金融緩和は、金をはじめとする貴金属の価格を下支える。日本貴金属マーケット協会代表理事の池水雄一氏に、現状と今後の見通しを聞いた。


 ――金は軟調に推移している。


 「長期金利が上昇しドルが戻したことで、ドル建ての金は大きく下がった。しかし、経済のファンダメンタルズ(需給要因)は、基本的に何も変わっていない。コロナワクチンの効果がある程度出てくるのは、もう少し先だろう。米バイデン政権は、1兆9000億ドル(約200兆円)の追加経済対策を進めている。世の中に出回るお金がどんどん増えており、このまま金が下がり続けるのは少し違う気がする」

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