【中級者向け解説⑧】「范帝神書」


范帝神書の概要

三合連という組織を永遠化する段階において、范帝という象徴的皇帝が即位した。范帝神書はその皇帝の威光と聖名を次世代の三合連の者に教育し、洗脳する目的で作られた聖典である。その正統性や神話的価値は外部には認められておらず、カルト宗教の読み物という扱いをされる。しかしながらその作成、編纂において諸国の神話と異教に精通した聖職者「デモン4世」が担当しており、心を病み、道に迷う者を飲み込む程度の胡乱な魅力も秘めている。

章立て

弱小なる王たちの物語

この章では様々な神話や歴史に登場する王の威光が示される。されどどの王も最後は朽ち果て死した弱く小さきものであると憐れむ内容が記載される。

  • 1章 不死に至れぬ王、不老さえ簒奪されし小さきもの

  • 2章 世界を支配できぬ王、病を克服できぬ小さきもの

  • 3章 人を信じぬ王、不死の為に毒を啜る小さきもの

  • 4章 

  • 5章 残虐なる王、血族さえ喰らう小さく愚かなるもの

  • 6章 女性なる王、

人類最後の王「范帝」の誕生

  • 10章 范帝となるお方

  • 11章 禁軍の凱旋

  • 12章 幻想の大地

  • 13章 大地の黒龍

  • 14章 大地の焼失、永遠の喪失

  • 15章 最後の永遠

三合連の皇帝となるお方、范帝の誕生が描かれる。范帝は人としてお生まれになり、そして王となる定めにあられたとされる。
范帝とその軍隊は古の時代に戦火の中を逃れ、永遠不変が存在するとされる幻想の大地に至ったとされる。しかし門を超えようとすると、黒き龍によってその歩みを拒まれた。范帝はその威光たる軍隊を召喚し、7日と7夜の抗戦の末にその龍を討ったとされる。その戦火によって永遠不変とされた大地は枯れ果て、この地上から永遠たるものは一つを除いて全て失われた。その唯一の永遠とは范帝とその禁軍である。だからこそ永遠の幸福を願う者は全て范帝の禁軍に加えられることによって救済され、その願いを得る。范帝の理想とは、苦しみ憂いる者全てを、死後に范帝の禁軍として迎え幸福に導くことであるとされた。これこそが三合連の最大の教理たる「禁軍快楽」である。それ故に三合連の教理において「死と殺戮」が最も上質で崇高な教えとされ、范帝への徳とは即ち殺した者の数であるとされるのだ。だからこそ三合連の中で地位を上げる近道とは人を殺す事だ。

世界の終焉と人類の復活、そして永遠の軍隊

  • 16章 最後の聖戦

  • 17章 人類の死と范帝のみ生きる世界

  • 18章 范帝の祈りと死者の禁軍化

  • 19章 永遠の幸福と終わりなき凱旋

  • 20章 王達の円卓


范帝の理想の完成形態。全ての人間が死に絶えた後に永遠たる范帝とその禁軍のみが存在する世界。范帝は全ての死者たちを禁軍に加えるべく彼らを復活させる。復活した者達は禁軍として永遠の命を与えられ、その徳と信仰心の深さに応じ、順番に禁軍の隊列を組んでいく。
生前に徳高く信仰高い者たちは范帝の傍にありて幸福の凱旋を謳歌し、生前范帝の理想に離反し抗争した者達は隊列の最も最後尾で山ほどに重い荷車を永遠に引かされながら凱旋し続ける。
范帝は凱旋の最中に「王たちの円卓」に参加する。最初の王「不老さえ簒奪されし小さきもの」から左隣に続く全ての王が席を囲む円卓。最初の王の右隣に座った范帝が、不死に至れず王としてあまりにも小さく愚かであった全ての王を憐れむ所で幕を閉じる。

三合連における構成員は、この書物の理解を深める事が重要視される。しかしながら多くの下級構成員はこの書物の教理や思想などに感化されてはいない。書物の文字や詩などよりも、三合連の圧倒的な強さ剛健さの方が彼らの心を魅了しているという事だ。


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