私たちの感情はどれほど脳に左右されるのか

昔から、人間の感情について考えることがある。同じ出来事があった場合でも、なぜそれに対する反応は人それぞれ異なるのか?性格が楽観的か悲観的かという違いは、元からの脳の仕組みの違いによるものではないのか?

最近、それの「一つの答え」としてクロニンジャー理論というものを偶然見つけた。そもそも私の専門は理系なので心理学については詳しくはないが、理系的な観点からそういう理論について述べてみるのも面白いかなと思ったので書いてみることにする。

クロニンジャーの7次元モデル

クロニンジャーの7次元モデル:
 クロニンジャーは、パーソナリティの構成要素を「気質」と「性格」に大別し、気質を生理的・遺伝的なものと対応させています。パーソナリティが、遺伝的要因と環境的要因からなる事を説明するモデルの一つです。

心理学用語の学習(https://psychologist.x0.com/terms/154.html)

ざっくりまとめると、人間のパーソナリティというのは
気質:生まれ持ったもの(変えられないもの)
性格:環境(変えられるもの)によって作られる
という二種類の因子よって作られるものである、という理論。

今回は脳と性格の話ということで、特に気質の方に着目したいと思う。

気質とは?

気質は、新規性の探求危機回避報酬依存粘り強さの4つの因子から構成される。これら4因子は遺伝によって決まっている性質で、神経伝達物質と関連していると考えられている。

神経伝達物質とは?

神経伝達物質!!!これは人間について考える際には避けては通れないと思っているのですが、そもそもどういうものなのかを説明することが難しい。分かりやすく書けるように努力するので、少しでも理解してもらえれば嬉しいです。

まず、脳というのは、神経細胞のネットワークが電気信号をやりとりすることによって成り立っている。そのネットワークを作っている神経細胞と神経細胞の接続部のことをシナプスと呼ぶ。
神経伝達物質がどこに効いているのかというと、この神経細胞と神経細胞の間にある”隙間”である。隙間が空いているから何かしらの物質が情報を媒介しないといけなくて、それが神経伝達物質。だから、神経伝達物質を”出す側”の神経細胞と、それを”受け取る側”の神経細胞が存在する。

下のリンクの図1とかを見るとイメージが湧きやすいかも?

神経伝達物質で有名なものとしては、アドレナリンやドーパミン、セロトニンなど。他にもチョコレートで有名なGABAは、抑制性(落ち着かせる方向)の神経伝達物質であるGABAから名前を付けている(たぶん)。

神経伝達物質の重要性というのは、薬がどのようにして効くかについて知るとより分かりやすいかもしれない。
例えば、うつ病の治療薬は、基本的にシナプス間隙のセロトニンの量を増やすことによって効果を発揮する。セロトニンが「幸せホルモン」と呼ばれるのもそういう理由からかもしれない("ホルモン"ではなくて"神経伝達物質"だ、とか言うと面倒な人間だと思われそうな気がするけど、自分の文中で書く分には気になってしまいますよね)。

そう、私がよく思うのが、幸せを感じやすい人間というのは「セロトニンがめちゃめちゃたくさん出てる(正確に言うとシナプス間隙での濃度が高い)」のではないかと言うこと。他にも様々な要因があるだろうけど、かなり単純化するとそう言えるのではないか?こんなんもうどうにもならないよ……。こんなに科学技術が発展しても私たちの感情というのは神経伝達物質に左右されないといけないのか……と思うときがあります。

心理学から派生して自分の好きなところの話になってしまいました。かなり脱線してしまったのですが、上記のようなことを考えると、脳と性格の関係性って大きい気がしませんか?

クロニンジャーの7次元モデルに救いがあるとすれば、「気質」は変えられないけれど「性格」は変えようがあるということかなと。自分がどういう傾向の人間であるかを理解して、快適に過ごせるような考え方を見つけていけるといいよなと思っています。



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