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小型特殊自動車運転免許を所持した状態で原付免許を取得する

これはまぁ、かれこれ前の……といっても4か月前くらいの話である。


さて、まず私が以前持っていた運転免許証がこちら。

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見ての通り、まだ免許を取って三年未満の初心者ドライバーである。

ちなみに、当時一度も車を運転したことがなかったペーパードライバーでもある。このペーパーというのは、免許取得以来だとかそういうレベルの話ではなくて、免許取得時にすら一切運転したことが無いという正真正銘のペーパーだ。

ようするに私が取得したのは、取得時に実技試験も講習も無い唯一の免許区分、「小型特殊自動車運転免許」である。

高校を出た年に無職男性(18)となり、身分を証明するものがろくになかったので取りに行ったものであるが、当然ながら自身でターレット・トラックだのトラクターだのは所有していないので運転しようがない。家業で農家をしており、農耕機械を行動上で運転する必要があるとかでも無い限り、あまり意味のない免許だろう。

最近なら、小型特殊自動車として登録した電動キックボードを貸し出すサービスの実証実験などが行われているので全くの無意味な免許という訳でもないかもしれないが。

さておき、これは小型特殊しか免許を持っていなかった私が、山梨県を舞台にした某アニメ2作品に毒されて、原動機付自転車運転免許を取りに行った話である。

申請書交付

神奈川で免許を取ろうとすれば、ほぼ必ず二俣川の運転免許センターに行くこととなる。相模川より東側の県民はともかく、湯河原や山北に人々にとってはたまったものではないだろう。

自動車学校を教習所を卒業している人は、たいてい卒業校で申請書を貰っているらしいので指定された窓口に並べばようのだが、原付を含めた一発試験に人は3階の8番窓口に赴いて申請書を受け取らなければならない。

そしてこの窓口は何故か1窓しか存在せず、そして何故かいつも横柄な警察官が配置されている(ように思える)。

さて、私もアルバイトとして多少の勤労経験を積む中で、それなりに横柄な客を相手にしてきたのである。前回、小型特殊を取りに来た時と違って横柄な警官が出てきても怯むことなどない。

とりあえず、「原付を受験した」と申告する。するとこの警察官は私の後ろに並んでる人々に向かって「原付免許受ける人はこっち来て」と私以外の受験希望者も前に来させて纏めて説明を始めるのである。

とりあえずこっちの話最後まで話聞いて欲しい。

私は既に免許を持っているので申請書に現に受けている免許証をコピーをしてもらわねばならないのだ。

こちらが口を挟む余裕もなく、早口で説明を終わらせて、さっさと列の次の人の対応を始めんとしようというところに割って入って「既に免許を持っている」旨を申告すると気だるそうに「あ、持ってるの。じゃあコピー取るから貸して」と。私もこういう態度で仕事したい。うらやましい。

申請受付と学科試験

さて、申請書を貰えばあとはこっちのものだ。記入台に掲示された見本の通りに記入して顔写真と1500円分の県証紙を貼付して学科試験受付窓口の中で一番右側のG窓口に持っていく。

本人確認書類として免許証を呈示すると相変わらず早口の警察職員が「あ、小特持ってるんですね、それじやぁ……」と気持ち口が遅くなったような気がする。

今の免許証と記載内容が変わってないかなどを軽く確認して、すぐ横で視力検査。ちなみに小特の場合は視力検査が終わると試験教室を割り振るために「そこのベンチで待ってて」と待たされるのだが、原付だと番号札を渡されて先に試験室に行っているように指示されるようだ。

学科試験の合格発表までは小特のときと手順は同じ。あまり新鮮味は無い。9時半頃に試験開始。15分で回答を終えて余裕綽綽で試験教室を退出する。

その後、10時半に受験室に戻って合格発表である。合格発表は試験教室の前方に設置されたディスプレイに番号の一覧が表示される。


あれ、番号がない……


あれれ~おかしいぞ~!流石神奈川県警、採点ミスか!

不合格の場合は申請書が返却されて帰宅である。返却の際の警察官は中々物腰のやわらかい人であった。尚、次回受験する際はこの申請書が使えるので再び8番窓口で申請書をもらう必要は無い。

ゲンツキメンキョ リベンジ!

3週間後、私は再び二俣川に居た。

前回返された申請書に新しい質問票と証紙を添えてG窓口に本人確認書類とともに提出する。視力検査は6ヶ月間は結果が有効らしいので今回は省略。そのまま試験室へと入る。

前回と同じように試験を受けて同じように合格発表。今回は合格だった。

不合格だと試験室から追い出されて申請書返却であるが、合格したら原付講習の説明のためにそのまま試験室に残ることとなる。

小特を受けた時は「合格した人は残ってください」と言われたので大人しく残っていたら、いきなり原付講習の説明が始まるもんだから「あのぉ、小特なんですがぁ……」と恐る恐る申告するなんてこともあったが、今回は堂々と残れる。

交通安全協会の職員から原付講習の受講申請書を渡されて記入しつつ、講習についての説明を受けて11時頃に一旦解散。

各自昼飯を食べるなどして13時20分に再集合である。

原付講習

再集合後、まずは免許証の写真撮影である。神奈川県運転免許試験場では写真の持ち込みは出来ないので、ここで全員が写真を撮ることになる。尚、小特の時は1人だけで撮ったが、原付はその日の合格者全員でずらずら連なっての撮影だった。

そして、そのまま交通安全協会の職員に連れられて二輪車実技試験場にて移動して実車に実際に乗っての講習を約2時間やる。ちなみに講習で使ってたのはヤマハ ビーノだったので実質しまりん。

ヘルメットの着用方法、スタンドの外し方、取り回し方、乗り方と降り方、エンジンのかけ方、アクセルの回し方、ブレーキのかけ方などから始まって、発進の方法と停止の方法を習い、そしてコース上を一列になってぐるぐると走り続ける。そして、ある程度慣れてきた最後に公道よろしく交通法規に従った走行方を習って終了。初見でも案外乗れるものだなと。

実技講習の後には、試験室に戻って机上講習がある。こちらはビデオを観るだけなので約30分で終了。ちなみに、居眠りをしていると講習修了と認められず、免許証を交付できないので寝るなとのこと。

免許証交付

原付講習が終了したら、合格直後に貰った免許証交付通知書に原付講習終了印が押印され、事前に購入しておいた証紙を貼付する。

ちなみに、免許証の交付は交付通知書と引換に机に並べられた自分の免許証を取っていく流れ作業である。

すると、いざ交付というところになって、交付担当の職員が何やら言い始めた。「えーっと今日は、すでに免許を持ってる方がお一人居ますので、その方は先にお渡ししますから免許証を持って前に来てください」とかなんとか。まぁ、私の事である。

流石に原付合格者の集団の中に既に免許証を持っている人は私以外には居なかった。

あわてて財布から免許証を取り出して「こいつなんなんだ」という周囲の視線を感じながら種別欄が2つ埋まった青い運転免許証を手渡される。なぜか私だけ手渡し。今日この中で青い免許を受け取るのは私だけであるし、旧免許を回収されるのも私だけである。

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種別欄に小特と原付が並んでいる。これで多少は一般的な免許になっただろうか。


小型特殊免許所持者による原付免許取得体験 完

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