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QBハウスが推進するSDGsと未来志向の取り組みとは

「1,000円カット」の先駆けともいえるQBハウスがSDGs活動に積極的に取り組んでいます。
QBハウスが見据える未来とはどのようなものなのか、取り組みから見えてくるものがありました。

■QBハウスが取り組むSDGs活動とは

10分でヘアカットができるお店として知られるのがQBハウスです。
早いうえに安くサービスを提供できるのは、シャンプーや顔剃りといった工程を省いているため。
切った髪は水ではなく、エアウォッシャーで吸い取ります。
好みが分かれる方法ですが、QBハウスでは年間約13億リットルもの水を節約できるとしています。

・QBハウスは省資源理美容

10分1,000円でヘアカットできるという触れ込みで創業から瞬く間に人気となったQBハウスは、いわゆる「1,000円カット」の先駆けともいえる存在です。
重宝がられる一方で安かろう悪かろうといったネガティブな評価をされることも少なくありませんでした。
そんなQBハウスが打ち出したのが省資源理美容です。
QBハウスでは時間とコストを抑えるためにシャンプー・ヘアカラー・顔剃り・パーマといった施術を省き、ヘアカットのみを行ってきました。
それにより通常のヘアカットに比べて年間約13億リットルの水を節約できているとのこと。
家庭用の浴槽なら約660万杯、25mプールなら約3,700杯もの水量です。
また、水を使わないということは汚水の排出もないということ。
QBハウスはこれらを踏まえて「エコでサステナビリティなヘアカット」であることを前面に押し出す戦略にシフトします。

・SDGsへの理解と取り組みの早さ

1,000円カットの代名詞ともいえるQBハウスでしたが、エコやサステナビリティといった方向へ方針転換を図りました。
QBハウスのSDGsへの取り組みは美容業界でも早く、また本格的であると評判です。
QBハウスでは店舗で利用する電力を岩手県産の風力発電所から得ています。
2021年9月時点でQBハウスの店舗は23あり、年間の電力使用量は約32万kWhになります。
杉によるCO2吸収量に換算すると約11,600本分に相当するとのこと。
これをすべて自然エネルギーで賄うことで環境負荷の低減に貢献、持続可能な事業を実現しました。

■創業から続くサービスも見直し

QBハウスでは創業当初から続くユニークなサービスがあります。
それが、使用済みのクシの無料プレゼントです。
シンプルなデザインのクシは使い勝手がよく好評だったものの、衛生面の観点からコロナ禍に取りやめとなっていました。
プレゼントされることのなくなったクシは店舗に溜まり続けるため、産業廃棄物として処分するしかありません。
クシの廃棄によるCO2排出量は年間659tにもなるそう。
そこでQBハウスは全国の店舗で使用済みのクシを消毒し、再利用する方針を打ち出します。
これにより衛生面はもちろん、環境面にも配慮した運用が可能に。

■QBハウスはディーセントワークの推進にも注力

SDGs活動に取り組むうえで欠かせないのがディーセントワークです。
どのようなものなのか、また、SDGsとの関係についても詳しくみていきましょう。

・ディーセントワークとは?

decent(ディーセント)とは、「適正」や「良識にかなった」、「まともな」などといった意味を持つ言葉です。
ディーセントワークとは「働きがいのある人間らしい仕事」と訳すことができ、具体的には権利が保障され、十分な収入を生み出し、適切な社会的保護が与えられる生産的な仕事のこととされています。
ディーセントワークという言葉が初めて登場したのは1999年に開催されたILO総会です。
ディーセントワークを実現するため、次の5つの計画も発表されました。

◎児童労働・強制労働撤廃国際計画
◎すべての人のための労働安全衛生計画
◎平和と強靭性のための雇用促進計画
◎社会的保護の土台計画
◎ベターワーク(より良い仕事)計画

これにより、世界中のすべての人の労働環境の改善が図れるとしています。

・SDGsとディーセントワークの関係とは?

SDGsとは、持続可能でより良い世界を目指す国際目標です。
2030年までの達成を目標に、2015年の国連サミットで採択されました。
SDGsには17の目標と169のターゲットがあります。
その8番目にあるのが「持続可能な経済成長および安全かつ生産的な雇用と働きがいのある雇用の促進」です。
つまり、ディーセントワークに取り組むことがSDGsの達成につながるというわけです。
実は日本はディーセントワーク後進国といわれており、目標達成には雇用の格差是正や労働生産性のアップ、長時間労働やハラスメントの根絶といった、いくつもの課題が存在します。
いずれも難しい問題ではあるものの、しかしディーセントワークを実現できれば企業としてのイメージアップが図れるとともに、労働環境の大幅改善が可能になります。

・QBハウスのディーセントワークへの取り組み

早い段階からSDGsに取り組んできたQBハウスでは、当然ながらディーセントワークについても整備を進めています。
働きやすい環境づくりとしてまず取り入れたのが休日の選択制です。
公式サイトによれば、2021年度の取得休日曜日ランキングでは1位が日曜日となっており、2位が水曜日で3位が金曜日だそう。
これは業界ではかなり珍しく、制度が浸透していることが裏付けされた結果といえます。
また、離職率が高いといわれる美容業界でスタイリストの総人数・定着率・離職率ともに高い水準を維持し、永年勤続表彰者の累計人数は10年が790名、20年は57名もいるそうです。

・QBハウスならではの強み

快適な職場づくりとしてQBハウス独自の強みなのが、シャンプーやヘアカラー、パーマなどの施術による手荒れのなさです。
水仕事や薬剤による手荒れは強い痛みやかゆみが伴うことが多く、理美容の仕事自体を断念せざるを得ないことも。
ヘアカットのみの施術を行うQBハウスではそういった人たちが安心して働ける職場といえるでしょう。
また、手や腕への負担を軽減するため、バリカンを用いたカット技法を独自に開発し、習得できる場を設けるなど、快適性アップのためにさらなる取り組みも行っているとのことです。

■「おしごと年鑑」「学研キッズネット」への協賛

QBハウスは未来の理美容師育成のための活動にも積極的です。
職業の選択の幅が広がり続けるなかで理美容師を目指す子どもが一人でも多くなるよう、様々な取り組みを行っています。

・キャリア教育教材「おしごと年鑑」への協賛

朝日新聞社によるキャリア教育支援プロジェクト「おしごとはくぶつかん」では、基幹教材として「おしごと年鑑」を毎年制作しています。
制作された冊子は全国の小中学校や図書館、海外にある日本人学校など3万校に無料配布されるほか、希望者は購入も可能です。
QBハウスは「身近な生活につながるお仕事」の一つとして理美容師の仕事紹介をテーマに掲載。
理美容師の役割や存在意義、仕事の楽しさなどについてイラストを交えながらわかりやすく描かれています。
美容業界は離職率が高いことで知られています。
就職後3年での離職率は8割以上ともいわれ、少子化も相まって慢性的な求人難に陥っている現状を変えるべく、QBハウスは2019年から2022年までの4年間、協賛・掲載を行っていました。

・教育ポータルサイト「学研キッズネット」への協賛

理美容師の仕事に興味を持ってもらうため、教育ポータルサイトへの協賛も行っています。
「学研キッズネット」は小中学生とその保護者、教員のためのコンテンツポータルサイトとして人気が高く、多くの視聴者を抱えています。
QBハウスではサイト内にあるキャリア教育コンテンツ「シゴトのトビラ」にて美容師の仕事を紹介する動画を公開。
なぜたった10分でヘアカットができるのか、その技術をわかりやすく紹介しています。
また、将来なりたい職業の参考ページ「未来の仕事」にも美容師のインタビューを掲載しています。
仕事の内容や楽しさ、やりがいなどがわかりやすく紹介されており、読むだけで理美容師への理解が深まる構成になっているのが特徴です。

■QBハウスとは?

キュービーネットホールディングス株式会社

QBハウスについて企業情報をみていきましょう。

・会社概要

◎社名:キュービーネットホールディングス株式会社
◎所在地:〒150-0045東京都渋谷区神泉町8番16号渋谷ファーストプレイス4階
◎URL:https://www.qbnet.jp/

◎代表:代表取締役社長 北野泰男
◎創業:1995年12月
◎設立:2014年10月
◎資本金:13億2,600万円

・本当の豊かさの追求

QBハウスでは、余計や無駄につながるものを省き、本当に必要なクオリティだけに集中することが豊かさにつながるとの考えを持っています。
そこで生まれたのが「省カ・省手間・省時間・省資源」による余白やゆとりです。
これらによって人はもちろん、地球も本当の豊かさを得られるとのこと。
4つの省く力をもって競争優位性を創り出し、さらには豊かさを育むという想いから快適な社会づくりに貢献するとしています。

・QBハウスが展開するブランド

QBハウスは4つのブランドがあり、それぞれに特徴があります。

◎QB HOUSE
ヘアカット専門店として長年親しまれてきたおなじみのブランドです。
時間のクオリティに集中し、手軽で安心して任せられるヘアカットサービスを提供。
日本国内だけでなく香港やニューヨークなど、海外でも展開しています。

◎QB PREMIUM
QB HOUSEにて培った経験のノウハウを活かしたブランドがQB PREMIUMです。
デジタル技術などを活用し、お客様の「らしさ」を追求するヘアカットサービスを展開中。
QB HOUSEの10年後の未来を見据えたチャレンジであるとのこと。

◎FaSS
QBハウスが得意とする手軽さと、提案力を兼ね備えたヘアカットスタイリング専門サロンです。
コンセプトは「Feel a Simple Style」とし、ブランド名にもなっています。
シンプルで開放的なサロンが特徴で、居心地よくリラックスしたなかでお客様らしさを活かしたヘアスタイルの提案とサービスを提供します。

◎QBハウス訪問理美容
実店舗さながらの設備が整うサロンカーにて介護施設や病院を訪問します。
店舗を訪れることが難しい人でも快適な日常生活が送れるように支えるのがQBハウス訪問理美容です。
こちらではヘアカットだけでなく、シャンプー・ヘアカラー・顔剃り・パーマなどの施術も行っています。

QBハウスは美容業界でも早い段階でSDGsに取り組み始めたことで知られています。
持続可能な社会の実現に向けて環境保護はもちろん、ディーセントワークにも積極的に取り組んでいます。
次世代の育成にも力を入れており、未来志向な企業であるといえるでしょう。

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