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ホーユーが創立100周年を迎え、日本初となるヘアカラーミュージアムをオープン

ヘアカラーや頭髪化粧品の製造販売を手掛けるホーユー株式会社が創立100周年を迎えました。
100年という大きな節目に様々な周年事業を行っていくとのこと。

■ホーユーが創立100周年を迎える

2023年3月30日に創立100周年を迎えたホーユー。
業界きっての老舗であることはもちろん、年商500億円を超える大手企業です。
そんなホーユーでは様々な周年事業を計画しており、国内外に向けて次のようなアプローチを行っていくそう。

◎記念サイトとムービーの公開
◎限定ロゴの使用
◎ヘアカラーの歴史と文化を伝えるミュージアムのオープン

ホーユーでは創業100周年を迎えた2005年にコーポレートロゴを一新しています。
その際に「COLOR YOUR HEART 心に彩りを」というコーポレートスローガンも掲げました。
今回の周年事業はこのスローガンに基づいているといえます。

■創立100周年事業のコンセプト

ホーユーの創立100周年事業にはコンセプトがあります。
それが「100 HEARTS, 100 COLORS」。
コーポレートスローガンである「COLOR YOUR HEART」をベースに制作されました。
染めるのは髪だけでなく人の心まで、人の数だけ色があるという考えから生まれています。
100周年に掛けて、十人十色ならぬ100人100色というのがホーユーの周年事業コンセプトです。
周年事業の一つとして限定ロゴも制作。
「Anniversary100th」の文字を囲むように多彩な円(縁)が配置された限定ロゴは社員の投票によって決定したとのこと。

■記念サイトとムービーの公開

創立100年を迎える3月30日当日に公開されたのが記念サイトです。
コンセプトに関する説明や100年に至るまでの歩み、今後予定している周年事業の紹介などが見られます。
他にもYouTubeで公開予定の「花咲く、友に」と題した記念ムービーも視聴可能。
周年事業はもちろん、ホーユーという企業をわかりやすく解説しています。
記念サイト内では「#髪を染めた日」というキャンペーンも実施。

【キャンペーン内容】

◎募集期間:2023年4月3日~5月2日
◎募集内容:ヘアカラーにまつわる人生の中での思い出深いエピソード
◎応募方法:キャンペーンページの応募フォームにて受付
◎賞品:最優秀賞に選ばれたエピソードには副賞としてリゾート宿泊券や美容機器、ホーユー製品、ギフト券などが抽選にて当たる

このキャンペーンには「ヘアカラーが皆さんの人生に何ができたか」をユーザーとともに探るといった目的があるとしています。

■日本初となるヘアカラーミュージアムもオープン

ホーユー創立100周年を象徴する事業といえるのがヘアカラーミュージアムのオープンです。
ヘアカラーの歴史と文化を次世代に伝えていくため、愛知県名古屋市にあるホーユー本社のすぐ近くに建設されました。
ヘアカラーに特化した博物館は日本初です。
開館時間は10~17時で、休館日は毎週月曜と祝祭日。
入館は無料ですが、団体利用の場合は事前に問い合わせておくとスムーズでしょう。

・なびく髪をイメージした外観

周年事業の一環としてオープンした「ホーユーヘアカラーミュージアム」は細部にこだわりが見られる造りになっています。
縦方向に走る無数の曲線が特徴的な外観は、まるで流れる髪のよう。
このデザインはロゴマークにも使用されており、曲線はなびく髪をイメージしているそうです。
曲線がいくつも重なっているのは、これまでヘアカラーが紡いできた歴史を表現しているとのこと。
目を引くデザインですが、白を基調としたまとまりのある建物なため主張しすぎず、住宅地のど真ん中にあっても悪目立ちしません。

・フロアごとに設けられたテーマ

ミュージアムは3階建てになっており、フロアごとにテーマが設けられています。
企画展示室がある1階では定期的に企画展や催事を開催。
ミュージアムのオープン企画展として、2023年5月9日~8月31日までホーユー歴代社長の発言録の中から厳選した言葉をタペストリーとして展示する「コトノハ」が開催されました。
2階は常設展示室、3階はホーユー展示室となっています。

・日本のヘアカラー史が学べる

2階の常設展示室で見ることができるのが日本のヘアカラー史です。
奈良時代には存在したとされている日本のヘアカラーについて、次の4つの時代に分けてわかりやすく解説されています。

◎自然な黒の時代:古代~江戸時代
◎科学の黒の時代:明治時代~昭和時代中期
◎カラーの時代:昭和時代中期~平成時代中期
◎多様性の時代:平成時代中期~現在

ヘアカラーについてはもちろん、当時流行した髪型などについても紹介されており、興味深い内容となっています。

・ヘアカラーの魅力を体感できる

2階の常設展示室にはもう一つコンテンツがあります。
それがヘアカラーの魅力を体感できるというもの。
AIが搭載されたシミュレーターを使って「なりたい自分」を探すことができるそう。
設置されたカメラの前に座るだけで、モニターに6パターンものヘアカラーとヘアスタイルが表示されます。
通常のシミュレーションと違い、パターンごとに眉の形やメイクまで変化するのでよりリアルな体感ができると人気です。
他にも体感によって色の構成を学べる「カラートニックピアノ」や、プロジェクションマッピングでヘアマニキュアやカラートリートメントによる染髪の構造が学べる「仕組みに驚く」といったコーナーも。
展示だけではなく体感もできるというのがヘアカラーミュージアムの特徴といえるでしょう。

・ここでしか見ることのできない資料の数々

3階の「ホーユー展示室」はその名の通り、創業時からのホーユー製品と会社史、安全性への取り組みなどが展示されています。
製品開発の流れが一目でわかる展示パネルの他に、当時の商品パッケージも見ることが可能。
注目したいのが創業者である水野増次郎氏にかかわる資料です。
実際に使用していた名刺や2014年になって初めて発見された自叙伝「人間八十年」についても、詳しい解説とともに見ることができます。
また、薬局などで実際に使用されていた看板や販促物の展示も。
当時の販促物は手仕事によって作られるために数が少なく、また、店先に飾られるので劣化しやすく、ほとんど残っていません。
これまでホーユーが所持する販促物についても瀬戸工場の資料館に展示されていたため、見るには工場見学を申し込むよりありませんでした。
ところが、ミュージアム建設にあたり、新たにアイテムの収集を実施。
瀬戸工場の資料館よりも充実した展示内容となっているとのことです。

ホーユーヘアカラーミュージアムでは館内ツアーを行っています。
スタッフによる見どころ案内や歴史の解説を聞きながら各ブースを見て回れます。
所要時間はおよそ80分で。
無料・予約不要ですが、都合により中止になる場合があるので利用の際は実施状況や開始時間について都度、確認すると安心です。

■ホーユーの基本情報

創立100周年事業が目白押しなホーユーについて基本情報をチェックしていきましょう。

【会社概要】

◎社名:ホーユー株式会社
◎所在地:〒461-8650愛知県名古屋市東区徳川一丁目501番地
◎代表者:代表取締役社長執行役員 佐々木義広
◎創業:1905年
◎創立:1923年
◎資本金:1億1,000万円

【社名の由来】

老舗企業であるホーユーの社名の由来は「朋友」です。
1923年の創立時は社名を「株式会社朋友商会」としていました。
朋友とは友人という意味。
これには次のような願いが込められているとのこと。

◎朋友とともに手を携えチャレンジする
◎ご愛用者やお取引先すべての方々と朋友関係を深めていきたい

創業者である水野増次郎氏の強い願いが込められた社名は創立100年を超えた今でも大切に受け継がれていることがわかります。

■ホーユーの社長である佐々木義広氏とは?

社名に込められた願いが受け継がれる一方で、大きな変化もありました。
それが社長です。
ホーユーの社長は、創業家である水野一族が務めてきました。
ところが2021年に5代目社長に就任したのは1990年に入社した佐々木義広氏です。
創業家以外による社長就任は初めてのことだそう。
入社後、佐々木義広氏は研究部門や営業部門、アメリカ現地法人などで活躍し、2021年に常務取締役へ就任します。

・発表時は全国紙各紙にて大きく報道される

老舗企業の社長交代は世間の注目を集めがちですが、ホーユーに至っては初の創業家以外による社長就任とあって発表時は全国紙各紙が大きく取り上げました。
2021年といえば創立100周年を目前に控えた時期であり、このタイミングで佐々木義広氏が社長となることは大きな意味を持ちます。
ホーユーが企業として新たな一歩を踏み出したことは間違いありません。

・佐々木義広氏は現在3つの役職を兼任

世間の注目度の高さは佐々木義広氏に大きなプレッシャーを与えたのではないかと懸念する声も上がったようですが、本人はあまり変化を感じていなかったそうです。
というのも、佐々木義広氏は2017年から「ホーユープロフェッショナルカンパニー」のプレジデントを務めていました。
ホーユーを代表する立場について十分な経験を積んでいたということになります。
さらに現在では「ホーユープロフェッショナルカンパニー」にてマーケティング室長も兼任しているそう。
そのため、主な仕事の場はプロフェッショナルカンパニーの商品開発フロアだそうで、ホーユー本社の社長室で執務を行うのは週に2日程度とのこと。
研究部門からキャリアをスタートさせただけあり、現場主義な性質なのでしょう。
この性質は企業運営にも表れており、佐々木義広氏は「社員がイキイキと働く会社」「社員がのびのびと働いて、持っている能力を発揮できるような会社」にしていきたいと語っています。


2023年に創立100周年を迎えたホーユーは周年事業を次々と打ち出しました。
周年事業といえばお祝い感のある企画やイベントを行って終わり、という企業も少なくないなかでホーユーはヘアカラーについていま一度見つめ直すキャンペーンや、日本初となるミュージアムの建設を行いました。
どれもしっかりと準備された企画ばかりで企業として「次の100年」を見据えたプロジェクトであることがわかります。
創業家以外による社長就任など、老舗企業の新たな試みに注目が集まっています。


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