むしの日の、昆虫採集。

むしの日 夜の編。
日中は気温が28度ぐらいだったのと、昨日まで天気が不安定で雨続きだったのもあって、今日は絶好のコンディションだと思った。

8時になるまで仮眠してさあ出かけようと思ったら、やけに涼しく、こりゃクワガタは可能性低いなぁと思いながらも、せっかくのむしの日、近年見かけなくなったイチジクカミキリでも見られたら良いな、くらいの気持ちで近所の公園に向かった。

公園入り口では、アブラゼミの幼虫が、頑張っていた。あちこちで羽化したての個体や成虫が見られた。

ゆるゆると歩きながらも、自動販売機の灯りに来ていたフチトリアツバコガネ、フトナガコメツキやヤエヤマサビコメツキ、リュウキュウヒメカミキリ、アカマダラケシキスイなどをつまみつつ、4月末ごろにトラフカミキリを採集したシマグワを照らす。

下から上に、幹を中心にチェックして行くと、上部の方の二股になっている部分に、遠目にクワガタのシルエットが見えた。
オキナワノコギリクワガタだと一目でわかる大歯型だ。
まだ土がついているように見える。目論見通り今晩発生してきましたか😊と、まずは網を当てがい落下防止、懐中電灯を口に加えスマホで撮影。
無事にネットインして覗き込む。
なんじゃこりゃ?地面から出てきたばかりだと思っていた個体は、体の表面は全身やすりがけでもしたかのような状態。顎先もキチン質が裏表削り取られて、まるで8月中旬以降に見られる擦れた個体のようだ。

しかし、つまみ上げてみると、フセツや触覚は完品
で、爪も鋭く皮膚に刺さるほど新鮮。
頭の中が??状態になった。
とはいえ、シーズン最初の個体が大歯型。追加を期待したが、約2時間の探索でクワガタはこの一頭のみ。

帰り道、ソウシジュの大木を這い回るオキナワクロツヤキマワリを秋田さんへのお土産にとつまみながら、帰宅路を歩きながらいろいろ考えた結果、このような状況になった原因を可能性が高い順に以下のように推察した。

①全体的に発生の早い今年の沖縄本島、冬も暖かい日が続いていた。この個体は3月下旬から4月ごろ発生し、野外で数ヶ月生活してきたために自然摩耗した。

②あまり信じられないけど、昨年からの越冬個体。
自身では過去、12月末にケブカコフキコガネを採集しに行ったおり、国頭村の普久川ダムの自販機で中歯型♂を採集しておりこれがこれまでの個人的終見。
標高が高い場所なのでこれはまぁさして驚かなかった。
この事例からも、越冬そのものはするはずだ。
個人的には、今日の個体が越冬個体だったら興奮するけど、今回の発見場所は市街地の公園で、高台ではあるけど高標高でもない。から、可能性は低いかな。

③誰かがヤスリがけした個体を公園に放虫した🤣

と、ここまで考察したときに、現地の環境も踏まえて次の考察が正解のような気がした。

④沖縄は琉球石灰岩地帯が多く、土壌は薄く腐葉土もわずかである。
なので、土中あるいは土中の材中で無事に羽化したのは良いけど、地表まで到達するまでに、石灰岩や岩場を潜り抜ける必要があり、その過程で全身が摩耗してしまった。

と色々と考えさせるくらいに、初めてこのような個体をこの時期に採集、観察した。

オキナワノコギリクワガタの越冬に関する知見や今までの報告の有無または、今回の投稿の内容、状況を踏まえて、皆さんのご意見をお待ちしております☺️
越冬個体なら、報文書きたいと思っています😂

ちなみに、気になるサイズは59ミリを少し超えるサイズでした😊
沖縄本島では60ミリがひとつ目のハードルなので、まあまあ立派な大型個体になります。

それにしても、あちこちのアコウやガジュマルをチェックしたけど、イチジクカミキリは影も形もなく、わずかに古い脱出孔が、見られただけだった。数年前までは多産地だったのに、一体どうしたのだろうか?

③誰かが表面だけヤスリがけしたのち公園に放虫した。

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