自分と関係のない人物に冷たくできるのは女だ

『自分と関係のない人物に冷たくできるのは女だ』

これは、どこかのまとめサイトで読んだフレーズ。私、コンビニで一年間バイトをしておりました。接客業に向いている性格でもなく、要領も悪かったので多々クレームをいただきました。

その中で印象に残っていることは、二つ。お客様はいずれも女性でありました。たかだか一年の経験で何がわかる。そもそも、お前に女性の何がわかるのだ。女は海。底知れぬ神秘さを解明できたのかと問われれば、めっそうもないと平謝りすることしかできません。

しかしですね、パンを袋詰めしている時に、軽いパンを先に入れてしまい後から重めのを入れようとしたら、「パンが潰れちゃうでしょ」と言ったときの恐ろしく冷たい目。ジンニキにも劣らぬ目に加えて、能面ような顔を微動にせずレジの前で立ち尽くしていました。順を入れ替えて詰めようとしましたが、パンの取り替えをご希望されましたので、そのように対応いたしました。堅いフランスパンでも食べて、歯がへし折れればよろしかったのにと思いましたが、そのようなものは取り扱っていなかったので致し方ありません。冗談ですよ。

もう一つは、ヒステリックなおばちゃんが賞味期限切れパン(と言っても表記上はまだ期限を超えていない。しかし、売り場からは期限よりも早めに下げなければならないパン。なぜか店ルールを把握している)が陳列されているのを指摘して、「私がいなければこの店は何もできないのね」と怒ってらっしゃいました。その怒りの矛先は、年中研修中の名札をつけていた私に飛んできたのでした。

私が働いていたコンビニは、職人さんやトラックの運転手さんがよく来ていました。見た目がいかつい人もいて、街で向こうから歩いてきたらビビって目を背けちゃうような方もおりました。でもね、そういう人は総じて優しかったな。がんばれよとか、ミスしてもかまわねえよとか、研修中から早く次に行けるといいなって。

マザーテレサみたいな女神のような人もいるかもしれないけれど、先のフレーズにはちょっと納得しちゃうところもある。特にパン詰めの客は、冷たかったな。でも綺麗な人だったんだけどね。綺麗な薔薇にはトゲがあるのさ、とはよく言ったものです。

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