文学フリマ東京33 おしながき
11月23日 文学フリマ東京33
出店名:山吹屋 ブース:キー32 ジャンル:妖怪 もののけ
本の紹介
猫屋奇譚新刊「猫屋奇譚 花暦」と既刊4冊、ハート国物語既刊「クレイジーダイアモンド」を持参します。
猫屋奇譚は喫茶店猫屋を営む陰陽師である橘の元に訪れる人間に亡者、物の怪らの奇譚になります。
ハート国は不思議の国のアリスをモチーフに時計ウサギにトランプ兵らの擬人化ファンタジーになります。アリスは出てきません。
新刊「猫屋奇譚 花暦」 価格300円
本文38項(42項表紙含) 文字数3万6千字ぴったり
花をテーマにした奇譚短編3話収録
収録 花見・白雨・竜胆
「花見」 春に参加をしましたイベントにてペーパー配布を加筆修正。
アパートのベランダに出ると外には桜の木があった。
「一緒に花見をしないか」誘われる。おかしいとも何とも思わずに部屋を出て花見に加わったが。
ラーメン屋を営む青年は客が話す花見の話と、客を連れ帰る若い男を不思議に思い猫屋の橘に相談をしにきた。
「白雨」 小説家になろうにて期間限定アップ
明るい空から降る雨と狐の嫁入り行列。その昔に僕はある一人の少年と出会った。
「いつか受け取りに来る。持っていてくれ」
その言葉を信じ、僕は少年の朝顔を何年も育て続ける。亡くなった後も僕は待ち続けた。
「竜胆」 書き下ろし
会いたい人間がいる。猫屋を訪れた半面の物の怪。橘は了承し約束をするが。時を同じくして竜胆の昔の手下達が集結しつつあった。
既刊
・猫屋奇譚 吉兆 本文60項 400円
短編集5話収録 WEB再録、過去に出した本から大幅改変、書き下ろしなど
正月から3月にかけての話でまとめました。
・猫屋奇譚怪談 鬼の留守 26項 200円
迷い家マヨヒガをテーマにしました。
ある帰り道、道に迷った隆志は霧の中に忽然と現れた家を訪ねる。そこで出会ったのは10年も前に亡くなった陽太であった。
もてなしを受け、夢心地で家を出た隆志はポケットに小さな箱が入っているのに気が付く。
一方、家に隆志を上げた陽太は箱が無くなっているのに動揺する。隆志を追いかけ箱を返してくれと迫るが、中身は違ってしまっていた。
2人はそれぞれに陰陽師組合に相談をし、猫屋の橘を訪ねて来た。
マヨヒガとも迷い家とも云われています。もう一度行きたいと願ってもそれだけは叶いません。でもその家に上がったのは本当ですし、一生忘れないでしょう。
こんな感じです。
・猫屋奇譚 月光の記憶 94項 500円
2014年に発行した『玄冬素雪』改訂版
和風奇譚小説。猫屋第1シリーズ
陰陽師橘と烏天狗との転生を巡る恋物語
『転生を待ち続けた やっと戻って来た貴方は 俺を覚えてくれてはいなかった』
収録
月光の記憶、水無月、七夜月、線香花火奇譚、月光なぞ要らない、
月光の記憶 伍、 喫茶店猫屋は店主療養中につき休業中、 神無月
・猫屋奇譚怪談 葉月 朱夏 40項 300円
猫屋の橘はある青年から恋人である葉月を探して欲しいと依頼を受ける。それと共に式にし、刺青にまで入れていた蛇も一緒に探してくれと頼まれた。
思いつく限りの場所を探し回る橘だったが、青年と葉月の過去を知り、何故自分に依頼をしてきたのかに疑問を抱いた。
本文抜粋
「兄さんはこの前の。ねぇ、殺人事件の犯人なの。テレビで見たよ。何人も殺めたって凄いね」
炭酸水をごくり音を立てて飲み、ワンピースの裾で口元を拭う。男は俺と晴を交互に眺め、俺に狙いを定めたようだ。
「俺を知っているのか。それはますます良くないな。まずは物の怪の兄さんから。御嬢さんは後で俺とお喋りをしよう」
晴は甘ったるい笑みを浮かべ、ワンピースの裾を足の付け根までたくし上げ片足をローテーブルに乗せる。
俺は男から目を離さない。屋敷に住んでいた家族はみな殺されてしまったとテレビでやっていた。もしこの男がそうならば、俺達を生き残りと考え戻って来た可能性が高い。
長刀を構える。室内では俺の刀はその長さゆえ不利だが、このリビングならば平気だろう。洋風の高い天井、周りにはソファとローテーブル、壁際に幾つかの箪笥が置いてあるだけだ。男が腰に下げた徳利に指をかけた。
・ハート国物語クレイジーダイアモンド 122項 500円
不思議の国のアリスをモチーフにした擬人化ファンタジーです。
アリスが去った後のハートの女王様率いるハート国の物語。
映画界に暮らす赤ウサギの招待を受けた時計ウサギ。従者にスペードのエースと9を連れて行く。
同じころ、映画界ではある問題が発生していたのだが。
スペードのエースにうり二つの男が銃を構え、スペードの9は予期せずして同じ顔を持つ男と逃げる事になるが。
散ってしまったダイアモンドにスペード隊の秘密、2人のエースと9が映画界に騒動を巻き起こす。
そして、もちろん主役の赤ウサギは最前線に乗り込む。