集団生活を始めたら、アリクイがはまる働きアリの法則
写真: 可愛すぎる!ミナミコアリクイの威嚇のポーズ
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アリクイは中南米に住む有毛目の動物です。長い舌を器用に使って1日に約3万匹ほどのアリやシロアリを食べると言われています。
アリクイは、どうしてアリやシロアリを食べるのでしょうか?
アリは栄養価が高いとは言えません。アリにはタンパク質や脂肪、ビタミンなどが含まれていますが、一匹のアリではほとんど栄養になりません。そのため、アリを食べる動物は大量に食べる必要があります。
でも、アリは針や毒液、フェロモンなどの強力な防御能力で敵から身を守ります。また、社会性が高く、協力して外敵から巣や仲間を守るため、アリを食べようとする動物はアリの反撃に遭うリスクが大きいです。
また、アリは小さくて硬く噛み辛く、蟻酸という有機酸が含まれており、口の中に入れると刺激や痛みを感じるようです。
つまり、リスクをおかしても、大量のアリを噛んで食べるのは苦痛であり、ローリターンです。アリは森林や草原に広く分布しており、安定した食料源ですが、食べることによるメリットよりもデメリットの方が大きく、アリを食べる動物が余りいません。そこに目をつけて、アリを食べることに特化して進化したのがアリクイです。
アリクイは長い口吻と舌、粘着性の唾液、鉤爪などで効率的にアリを捕まえます。また、アリを噛まずに丸呑みし、胃酸をほとんど分泌しない代わりに蟻酸を利用して胃内の環境を調整します。アリクイは嗅覚が優れているので、アリ塚を見つけて一度にたくさんのアリを摂取することができます。これらの特徴により、アリクイは他の動物には真似できないアリ依存的な生活を送ることができるのです。
アリクイの特徴
- 長い筒状の口吻と細長い舌を持ちます。舌に粘着力のある唾液を付けて、1分間に150回も動かし、アリやシロアリを効率的に捕まえます。
- 歯がほとんどありません。餌は丸呑みします。固いものや大きいものは食べられません。
- 前足に強力な鉤爪を持ちます。これを使って、蟻塚や木を壊したり、仁王立ちのような姿勢で爪を振り回し、自分より大きな敵にも対抗します。
- 嗅覚が優れていますが、視覚と聴覚は鈍いです。
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アリクイはアリのように集団で生活する動物ではありません。アリクイは単独で行動するか、母子で暮らすことが多いです。オスは子育てに関与しません。一夫多妻制で繁殖期になるとオスとメスが一緒になりますが、交尾が終わると別れます。
でも、アリに依存して暮らしているうちに、1人でいるのが寂しくなって、集団生活も良いかなと思うアリクイがいてもおかしくないと思います。
では、アリクイが集団生活を始めたらどうなるか?
アリクイは非常に強力な前爪を持っており、もし集団生活を始めたら、前爪を使って大規模な巣穴を作り、そこに住むかもしれません。巣穴の中では、女王アリクイと働きアリクイや兵隊アリクイに分化し、役割を分担することでしょう。
アリクイの紐のような長い舌は、社会の緊張を緩和するコミュニケーション・ツールになりかも知れません。もし集団生活を始めたら、細長い舌で相手の顔や体をなぞったり、舌同士を絡め合ったりすることで、親密さや気持ちを伝え合うことでしょう。
アリクイはジャガーなどの天敵に対して威嚇のポーズで対抗します。もし集団生活を始めたら、威嚇のポーズで自分の強さや社会的な優位性を示したり、相手の威嚇のポーズに従順に応じたりすることで自分の弱さや従属性を示したりすることでしょう。
一致団結して敵を威嚇したり、細長い舌を絡めてスキンシップしたり、威嚇のポーズで社会的な優位性を誇示するアリクイの姿が目にうかびます。アニメにしたいくらい可愛いです。
でも、集団生活を始めたら、きっとアリクイも働きアリの法則にはまります。働きアリの法則とは、働きアリの中でよく働く2割のアリが8割の食料を集めて、残りの8割のアリは普通に働いたりサボったりしているという法則です。
従って、良く働く2割のモチベーションや生産性が低下しないように、残りの8割にも邪魔にならないように何かをして貰う必要があります。
働かないアリクイには何をして貰えば良いでしょう?
芸術や娯楽を担当して貰えば良いかも知れません。前爪や舌を使って壁画や彫刻を作ったり、歌やダンスを披露したりすることで、他のメンバーに楽しみや感動を与えるかも知れません。
政治や宗教でも良いです。威嚇のポーズを決めて、多数派で意見を纏めたり、何かを信じさせることで、集団の秩序や結束に貢献するかもしれません。
探求や教育もありです。鋭い嗅覚で自然に関する探求や発見を行ったり、若いアリクイと禅でも組んで瞑想し、知識や技能を伝えたりすることで、アリクイ社会の発展に貢献するかもしれません。
働かないアリクイが何をすれば良いかということは、人間の社会における役割分担や価値観にも関係してくる興味深い問題だと思います。
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P.S. 蟻の短い話し
『一日外回りした良い蟻と巣にいた普通の蟻の会話』
良い蟻: 勉強?頑張ってるね
普通の蟻: (チラッと悪い蟻を見て)ああなりたくないから
悪い蟻: たりー、おれ病気かも
良い蟻: じゃあ、僕は急ぐから
普通の蟻: ちょっと待って、ここ教えて
良い蟻: これ昨日も教えたけど
普通の蟻: でも、忘れちゃった
『(新解釈)働きアリの法則』
普通に見える60%は、精一杯に勉強して、ついていこうと頑張ってるが役に立ってないことが多い。
所詮、皆んなが同じように全てに関わることに無理がある。出来る人に面倒を押しつけるのも生産的でない。
格差を認め、其々に見合う仕事をする方が、皆んなが幸せになれる気もする。
『続、蟻』
良い蟻: 凄いピカピカだ!
普通の蟻: 良い子の言う通り心を込めて掃除したからね
良い蟻: 有難う、明日も頑張るよ
普通の蟻: 僕も今日は楽しかった
良い蟻: ところで悪い子は?
普通の蟻: ゴミと一緒に捨てちゃった
悪い蟻: 何やねん急に。まあええ、どうせ三日坊主や。夜風が気持ちええで、、
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