〝無趣味人間〟の人生に価値はないのか?
「ハマれるものがあるって素敵だよね!」
…という流れにより、かつて虐げられていた「ヲタク」たちは市民権を得、むしろ「ヲタク」が一種のステータスとなりつつある昨今。
SNSの登場も相まって、昔よりも自分の「趣味」(マニアックなものを含め)について誰もが思い思いに発信する時代になったように感じます。
そんななか、サンクチュアリ出版イベント部の筑田優氏。
「趣味なんて、別に欲しくないし」と筑田氏
筑田 優(つくだゆう)1986年山梨県生まれ。サンクチュアリ出版イベントチーム。基本的に美味しいコーヒーとユニクロと筋トレがあれば。
筑田:
「趣味にハマっている」とかいう人の気持ちがわからない。
その場その場で楽しいと感じることはあるけど、それをずっとやり続けようとは思わないですね。
そもそもそんなに人間に「ハマるもの」って必要ですかね?
今回は、
そんな「無趣味無頼派」な彼の態度が許せないという
編集長に呼び出されたので、
よくわからないままサンクチュアリ出版へ行ってきました!
〈写真・文=ゆぴ(17)〉
ゆぴ(17)【2019.04サイバー退職】永遠の17歳🥺 | フリーランス1年目のリアル見せます | 年齢に囚われず夢を叶える方法を発信中🌸 | 新R25のカメライター | 月間20万PVのブログ収益で声優の勉強中🎤 | エモいnoteが人気✏️ | (link: http://youtu.be/FG_ntN0TafQmRZ))
編集長:
ゆぴさん、聞いてよ。
編集長:
筑田くんって、まーったく趣味がないんですよ。
この世に好きなものが、なーんにもないって言うんです。
「趣味がないと、老後が寂しいよ」って言ってるのに、
「おれは無趣味のままでいい」って頑固なんです。
なんとかしてあげてくれませんか?
筑田:
いや、一応好きなものはありますよ。
編集長:
なに。
筑田:
コーヒーとか、ユニクロとか、筋トレとか。
それは趣味と言えるのか?
編集長:
それは日用品とか習慣だよ。勘弁してよ。
ゆぴ:
…なるほど。たとえばコーヒーは、何かこだわりの豆などがあるんですか?
筑田:
いや、コーヒーなら何でも美味しいですね。
缶コーヒーでいいです。ユニクロも、選ぶのが面倒くさいからいつもこの白シャツと黒スキニーを着ています。同じのを何枚か持っていて…。
ゆぴ:
おお! スティーブ・ジョブス的な思想のもと、選択肢を極限まで減らして…!
筑田:
いや、そこまで考えてないです。
ランチも毎日同じものを食べているし、面倒くさがりやなんですよね。
何なら、筋トレに関しては、貧弱に見られたくないから嫌々やってます。
嫌すぎて毎回「終わったら『モナ王』を食べるぞ!」と決めてやっているくらいです。
ゆぴ:
…
編集長:
…ね、ヤバイでしょ?
だから今回は多才&多趣味なゆぴさんに、そんな彼の「無趣味の哲学」に迫ってほしいんです。
ゆぴ:
(そんなものあるのかなぁ…)よくわかんないけどわかりました!
ガストと学校を往復していた
「無趣味男子」の思春期
ゆぴ:
「無趣味」…といっても、休日は何かしら動いているはずですよね。
何をしているんですか?
筑田:
えっなんだろう…ダラダラ? 買い物に行ったり…友だちとごはん行ったりですかね。
普通ですよ。
ゆぴ:
買い物は趣味じゃないんですか?
筑田:
うーん、どちらかというと「調達」かなぁ。必要なものを買い足すみたいな。
ゆぴ:
「調達」って何かRPGみたいですね。じゃあ、学生のころはどうだったんですか? ほら、部活とか!
筑田:
中学生のときは友だちに誘われてバスケ部に入ったんですけど、キツすぎて1年で辞めました。
そのあと、科学部に入ったけど友だちとうるさくしすぎて辞めさせられて、ハンドボール部に入って辞めて、卓球部に入りました。
ゆぴ:
中学生にしてそんなに転部している人に初めて会いました。
バスケ部と科学部の差がヤバいですね。
筑田:
基本的に友だちがいて、自由そうなところを選んでいたんですよね。
高校は一応バスケ部を3年間やっていたんですけど、それも友だちがいるからという理由でしたね。
毎日「嫌だなぁ」と思いながら練習してました。体力がないので校庭を走るのが嫌すぎて、どっかに隠れて、頃合いを見て出ていったらうっかり1位になっちゃったこともあったなぁ。
この取材、いったい誰得なんだろう
ゆぴ:
なるほど…。
私のイメージしている「思春期」と大きくかけ離れていて戸惑いを覚えています。大学のときは何をしていたんですか?
筑田:
ガストですね。
ゆぴ:
ガスト?
筑田:
大学生のとき、ガストでアルバイトをしていたんですよ。
一応、大学生になったからにはサークルにでも入るか! と思って、友だちが立ち上げたサッカーサークルに入ったんですけど、結局辞めちゃって。
なので、学生時代は学校かガストにしかいませんでした。
同年代が多かったので、控え室がほぼ部室みたいな感じで。デリバリーで「どっちが早く帰ってこれるか」みたいなことをやっていました。
「趣味」とは
「仲間に入る」ためにやるもの?
ゆぴ:
話を聞いていると、部活もバイトも、趣味かと言われると微妙ですね…。
筑田:
一応誘われたらやるし、やったらやったで楽しめたりもするんですよ。
でも、友だちがやらなくなったらやらなくなるんです。
社会に出て思ったんですけど、社会人って「◯◯をやっていないと仲間に入れない」というのがないじゃないですか 。
そう考えると、僕は部活もガストも、たぶん、「仲間に入るために」やっていたんですよ。
右手で部活、左手でガストを表現
筑田:
でも、社会人になって最初に入った会社が合わなくて、
会社以外のことを求めたとき、生まれて初めて「趣味がほしい!」という思いが芽生えたんです。
そこからはしばらく、趣味を探すために調べたり、いろんな人と会ったりしました。
ゆぴ:
へぇ! どんなことをやったんですか?
筑田:
何やったかなぁ….えっと、「30代 趣味」。
ググるんかい
筑田:
そうそう。フットサルやったり、 バンドをやってる先輩に誘われて楽器を触ったり、スケボーをしたり、スノボーをしたり、あとはDJをやってみようと思って機械を買う直前まで行って、熱が冷めて辞めました。
ゆぴ:
そこまで頑張ったのにやらないのは何なんですか。
筑田:
僕の自己分析によると、「体力がない」のが原因だと思うんですよ。
だって、仕事が終わって、イケイケなやつだったら「これからクラブ行くぞ〜ウェ〜イ」ってなるかもしれないけど、僕にはそんなに元気がないんです。
あとは、今は仕事が遊び感覚で出来ているので、趣味がいらなくなったんですよ。
これが1番の理由かもしれない。
結論:無趣味なのはサンクチュアリ出版のせい
趣味とは、
「いやでも勝手にやってしまうもの」
ゆぴ:
先ほど、筑田さんが「部活もガストも仲間に入るためにやっていた」と言っていたじゃないですか。
それを考えると、本当に「趣味」だと思ってやっている人って意外と少ないのかもしれないですね。私はキングダム好きな人のうち、半分は「語りたいから」読んでいる人だと思っています。
筑田:
いやぁ、それわかります。
趣味って「勝手にしてしまう」ものだと思うんですよね。
僕も「趣味あったっけ」と今改めて考えてみたとき、別にこだわりはないけどコーヒーは毎日絶対飲んじゃうし、本屋さんで何も買わなくてもボーっと眺めたりはするなぁと思ったんですよ。
「趣味」って本当は「これが趣味です!」と人にアピールするようなものではなくて、気付いたらやってしまっているようなことだと思うんですよね。
編集長:
だとすると、趣味の世界って「モテ」も介在してるのかも。
いつの間にか帰ってきた編集長
編集長:
たとえば、「コーヒー好き」ってわざわざ言うのっって、ちょっとだけモテ寄りじゃない? なんかオシャレだもの。
他にも、男が急に「旅好き」とか「カフェ好き」「パクチー好き」とか言い出したら、やっぱモテ狙いの匂いがする。
もちろん、モテ趣味の王道は「サーフィン中毒の海好き」とか「楽器いじりが好き」とかなんだろうけど、これ系はモテなくてもやるガチ勢が多いから除外しておくとして。
反対に、女の子が「カープ好き」とか「ジョジョ好き」とかって公言するのも、じゃっかんモテ寄りかもなあ。「異性に理解がある自分」が魅力になっちゃってるから。
もちろん、中には純粋に好きな人もいると思うけど、一方でちゃんと武器にしている人も多いはず。
「趣味」って資格や職業に比べれば、ライトに装備できる「武器」だからね。
筑田:
僕は趣味でそこを何とかしようとする考えが、ダサいな〜と思っちゃいますね。
編集長:
そうかなあ。好きな異性の気を引くために趣味を持つって、それはそれで素敵なことだと思うけれど、まあ本当に趣味かどうかっていったら、微妙ですよね。
あと、さっきの筑田くんじゃないけど、
他人と打ち解けるための「趣味」っていうのもあると思う。
何もないと話が盛り上がらないから、なんか趣味っぽいもの、語れるものを求めるという。
「熱く語れることがなにもない」ことに、プレッシャーを感じるときってない?
筑田:
ないです。
編集長:
バッサリ。
筑田:
ないですね。
もしそんなもんが趣味なんだとするならば、
実質、ほとんどの人は「本当の趣味を持ってない」んじゃないですかね。
たとえば「ヨガ」とかは1番意味がわからない。
痩せたいなら走れと思うし、リラックスするには結構辛そうだし、マッサージ行けばいいじゃないですか。
「ヨガ行っているんです~」って言いたいからヨガ行ってるんじゃないですか?
編集長:
それは筑田くんの心が歪みすぎだな。
でも、まあ「趣味がある=人とちょっと違う」という点を強調して、自分の価値を高めようとしている人はいるかもしれない。
そう考えると、これからの時代もしかしたら「無趣味な人」って期待値が低いぶん、誰とでもうまくやっていけるかもしれないね。
(この人は真っ白だから、自分の色に染められる)って思わせられるから。
筑田:
染まりたくないし、染まらないですけどね。
編集長:
というわけで、企画なんですが。筑田くん。
筑田:
はい。
編集長:
あなたは、今後とも趣味を持ちたくないし、趣味を持っている人の気持ちを知りたくもないと言いました。
筑田:
はい。
編集長:
そこで、こんな企画を考えました。
「無趣味のツクダ」を貸し出します。スポーツ、カルチャー、ホビー…どんな趣味でもけっこうです。あなたの趣味を体験し、あなたの趣味の世界をレポートします。ただしサンクチュアリ出版からの交通費は全額ご負担いただきます。また社会性のある良いリアクションは期待できません。お問い合わせはDMにて。
筑田:
なんですかこれは?
編集長:
無趣味男子に、いろんな趣味を押し付ける企画です。
それこそ『マツコの知らない世界』とかに登場するような、
本当にハマっている「趣味」を持っている人のお力を借りて、
筑田くんにその趣味の世界に引っ張りこんでもらいましょう。
筑田くんは、はたしてその人色に染まれるかどうか。
実験です。
筑田:
実験です、じゃないですよ。
僕ハマりませんよ。絶対にハマりませんからね。
編集長:
そんな筑田くんでも、もし「ハマれる趣味」が見つかっちゃったら、
全国の「趣味がない」「熱く語れるものがない」ことで悩んでいる人たちに勇気を与えられるじゃない。
筑田:
無理ですよ。やれるものなら、やってみろって感じですね。
だれか僕のことを、あなた色に染めてみて
…掘り下げてみると意外と深かった「趣味」についての考察。
自分が「趣味です!」と言い張っているそれは本音なのか建前なのか?
そう考えてみると意外と「本気の趣味」を持っている人って少ないのかもしれませんね。
というわけで、ヨガなどにハマっている人をディスりつつも、最後は「趣味がある人って幸せそうだなぁ」とボヤいていた筑田さんに、「この『趣味』なら絶対にハマるはず!」という「我こそは」の方がいたら、ぜひ下記をのぞいてみてください。
※上記アカウントで少しずつ情報を出していく予定です。
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