エニシング工場留学日誌 Vol.3(2020.1.8)
工場留学3日目。
経糸を繋げる作業。
8台ある織機のうち、3台の経糸が無くなり、
1日目のように用意した経糸を織機に取り付ける作業でした。
エニシングさんは基本的に企画がほぼ一定なので、経糸の本数も同じで、
既に織機に掛かってる前回の経糸に新しい経糸を1本ずつ結んで繋げてます。
工程として、まず古いビーム(整経をした後、経糸を巻いておき、そのまま織機にかけて、後方から経糸を送り出すバーベルみたいな装置)を外します。
そして、経糸が無くなった織機はこのタイミングで念入りに清掃します。
主原料が綿の織機には白い埃が大量に付いていて、織機の油とも混じって、とんでもなく強い埃となります。
完全に取り除くのは難しいですが、可能な限り掃除します。織機の中にも手を伸ばして、袖口は油塗れに。その後、関節部分に潤滑油を指して掃除は終了。
古い織機ですが、こうしてこまめに清掃することで今でもパーツ自体の古さはあまり感じません。(見た目はめちゃくちゃ古いですが…)
また、このタイミングで織機の故障やその原因を職人さんは確かめてました。ネジの緩みなんかはよくあるそうです。
そして新しいビームを取り付けます。
先程バーベルと書きましたが、大人二人がかりで必死に持ち上げる重たさです笑
取り付けたビームから経糸の先端を出して、前回の経糸と一本ずつ結び付けます。ただ結ぶというわけではなく、これもまた機結びとは別の結び方で結んでいきます。
この際、結ぶ順番を間違えてしまうと、経糸がクロスする形になってしまうので、整経機にかけた時の綾(糸を交互に上下で分けること)を使って、上下交互に糸を取って結んでいきます。
前回の経糸も今回の経糸も4つに分けていて、1つのブロックごとに結んでいくのですが、作業の効率化と、綾がバラけないように、左手で前回と今回のブロックを握りながら、右手で結ぶ糸を上下と取り出して結びます。
そして結びが緩い段階で張力を一定に保つように調整。
これがすごく難しくて、手取り足取りで教えてもらいました…
結果、1時間超で1ブロック終了。
この間にも他の2台はもう全て結び終わってました。
この作業はひたすら前屈みでやるので、正直、一番しんどい作業でした…
ここをいかに丁寧に早く終わらせられるかで時間の効率がかわってくるので、次行った時は頑張ります。
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この日は経糸つなぎと織機のメンテナンスの仕事をされたようです。
普段、僕たちが織物工場に見学に行くと、見学者のために織るところで待ってくれています。織機に経糸がない状態でのメンテナンスの工程は特にお目にかかれないはず。なので織る前のこういった工程や手仕事の数々は、工場留学だから得られる学びのポイントかもしれないな、と思いました。
次のレポートも楽しみですね。
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