強制性交罪の承諾年齢引き上げについてのメモ
結論を先に言えば、現在の13歳から16歳に引き上げたほうがいいと思う。性行為はその結果妊娠出産などで学業を中断させられたりするような重大事である。その昔、女子の地位が低く選挙権すらもなく、「子孫を残すこと」のみが女の役目だった時代は、少女の時代は無駄だから短いほうが都合よく、勢い早婚であった。でも、男女のいずれもが「人間」であり、多くの分野では性別による区別に合理性がなくなった時代において、女性には社会に出るための十分な準備期間が必要だ。そんな時代に、その年齢の女子と性行為を行うこと自体が非難される年齢を、13歳という低年齢に留めておく必要はない。ずっと以前から、同意があれば結婚ができる年齢は民法でも女子は16歳、男子は18歳になっていたのであり、16歳にしておけば十分である。そして未成年者女性の性行為の自由?などというけれど、未成年者の自由が成人と違った制限に服するのは、パターナリズム(健全育成ないし保護)の関係から憲法も予想済みであり、教科書でも「未成年者の人権」として教科書の最初の方に解説してある。
とTwitterに書いてたら、未成年者が、合意の性行為で懲役刑の最下限が5年の罪に問われるのは厳しいという趣旨?のレスがあった。しかし多分、このコメント投げた人は、少年の保護処分手続きというものが分かってない。そもそも少年非行は家裁の審判手続で扱われ、処分は一番重くて少年院、大体は保護観察、一番多いのは不処分で、裁判官に叱られて終わりである。警察から捜査された記録が家裁に送られてくると、処分を決めるに当たって、家庭裁判所調査官が少年の家庭環境や交友関係や被害者感情などを調査する。実態が恋愛と異ならなければ、それまで軽かった処分が急に少年院なんぞになるもんか。だからそんなに気にする必要などないですから、どんどん保護してあげたら良い。
15歳男子が成人女性をレイプしたら、成人女性が逆に強制性交罪で処罰されるぞ、という意見もあるようだが、この意見を投げた人は多分、刑法をきちんと勉強したことがない人である。成人の刑法犯が処罰されるには、構成要件に該当し、違法有責である必要があるが、強制性交罪は暴行脅迫を用いて性行為をする罪であるけど、同意年齢以下の未成年者と性行為をすれば処罰されるというのは確かだ。しかし、「性行為」をするという構成要件は客観的な性行為の事実に他に、主観的要件として「性行為を行うこと」を「認識して認容すること」(故意)が必要である。力に勝る男子高校生に成人女子がレイプされる場合、性行為を認識しつつ「認容する」意思などあろうはずもない。そりゃ男子高校生の母親などはいうかもしれない「うちの子があの女性にたぶらかされたんです!うちの子がレイプなんてするわけがない!悪いのはあっちです!」と。しかし成人の刑事手続きにおいて、強制性交罪で有罪にするには、やはり故意も含めて立証できなくてはならない。そして成人女性に15歳男子と性行為をする故意があったことを立証できない場合は、検察官はその起訴不起訴を決める裁量権を行使して、不起訴処分にするのである(起訴便宜主義)。だから、15歳男子が成人女性をレイプしたケースで成人女性が罪に問われる心配などいらない。
こんなことをTwitterで書くのも面倒なので、noteに書くことにしました。とにかく、現実の少女たちを早く保護してあげなきゃダメだよ。
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