見出し画像

産まれる?それともまだ?

コロナ禍で、母親教室や両親学級が中止となった病院・産院も多く、私が勤務する病院では2023年1月の今でも中止したままです。
オンラインで教室をしている病院もあるかと思いますが、何が一番心配かって、陣痛が始まったのかどうなのか、どうやって判断すれば良いのか分からない。と言う事だと思います。

これは陣痛?

陣痛が始まったら絶対に産まれる。のであれば必ず入院すれば良いのですが、
「陣痛だと思って病院へ行ったけど、陣痛がおさまってしまって翌日に帰された。」
とか、
「陣痛だと思って病院へ行ったら、まだ入院しなくていいですよ。と言われて帰された。」
と言う話を聞いたり、知り合いから聞かされたりすると、陣痛が来たら分かるだろうか。と不安になりますよね。

前駆陣痛は出産には至らない

前駆陣痛という言葉を聞いた事がありますか?
前駆陣痛は、陣痛が来たか?と思うくらい子宮の収縮と収縮の間隔が規則的に来たり、生理痛のような痛みがあるのに、時間が経つと規則的だった子宮収縮の間隔が開いたり、不規則になったり、痛みがおさまったりするので、結局出産には至りません。
そのため、入院の準備をして病院に行ったけれど、病院に着いたらお腹の張りも痛みも遠のいてしまったので自宅に帰された。とか、
夜中に入院したけれど、翌日の朝には退院する事になった。
という事になるのです。

前駆陣痛では無く、本格的な状態で入院したい。

何度も病院に行っては帰される。を繰り返すと、連れて行ってもらう家族に申し訳ない。とか、病院のスタッフに呆れられるかもしれない。と思うママさんもいらっしゃると思いますが、心配なのは御家族も同じです。
病院スタッフに「またですか?」なんて言われた場合、貴女ではなくそのスタッフ個人に問題ありです。

前駆陣痛で自宅に帰される事なく、出産する時に確実に入院したい。
ではなく、陣痛じゃなければ帰れば良いか。くらいの気持ちで受診してもらっている方が安全です。

出産では何が起こるか分かりません。
妊娠経過が順調だった妊婦さんが、分娩途中で胎児の状態が悪くなって(胎児機能不全=胎児仮死の事)帝王切開になる事もあるので、何度も病院に行く事は悪いことではありません。
それでも、出産に至るような本陣痛と出産には至らない前駆陣痛の判断の仕方があるのでお教えしたいと思います。

前駆陣痛と本陣痛の違い

・前駆陣痛

子宮収縮と子宮収縮の間隔が規則的で痛みもあるけれど、2時間以上同じ状態が続く。

子宮収縮と収縮の間隔が10分以内と短いが、間隔が不規則(陣痛の間隔がバラバラ)

お腹の張りはあまり感じないが、お腹の痛みがある。病院に行こうかどうしようか悩んでいる間に痛みがおさまってしまった

など、前駆陣痛は、ママ自身でも時間の経過と共に明らかに産まれる気がしなくなります。

・本陣痛

子宮収縮と子宮収縮の間隔が規則的で痛みもある状態から2時間以内に間隔が短くなったり、痛みが強くなる。

入院する時期

では、いつ入院すれば良いのか?ですが、
初めての出産(初産婦)であれば、子宮収縮と収縮の間隔が10分ごとになってから2時間様子を見てください。その際、胎動がある事が重要です。
2時間以内に陣痛の間隔が短くなったり、痛みが増した場合、そこが病院・産院への連絡時期です。

2人目や3人目などの経産婦や前回の出産が4~5時間以内など分娩所要時間が短かった経産婦さんは15分毎の子宮収縮や痛みがある時に病院へ連絡しましょう。

ただし、分娩所要時間(陣痛が10分おきになった時間から胎盤が出るまでの時間)や経過は人それぞれです。
貴女が不安に感じるならば、その時に病院へ連絡するのが一番良い時期だと思います。
病院へ行ったけれど、出産には至らず帰されることは悪い事でも、おかしな事でもありません。
まして初めての出産であれば、陣痛だって初めて経験するのですから、間違う事だってありますし、判断できなくても当然です。

2時間待って判断してみて。と言っていますが、たまに陣痛開始から2時間で出産される人だって、歩いて病院に来たけれど、診察したら子宮口が全て開いていた。というヒヤリ💦とする出産をされる方もいらっしゃるのです。

産まれる?それともまだなの?
前駆陣痛か本陣痛かどうかを自身ではなくて、病院・産院の医師やスタッフに判断してもらっても良いのです。

大切なのは、陣痛かもしれないと病院へ行ったら帰される事を避ける事ではなくて、安全に出産して元気なベビーに会う事です。

産婆さんからのアドバイス

生まれる陣痛なのか、生まれない前駆陣痛なのか判断できないときは、病院へ行って医師やスタッフに判断してもらいましょう。
その際にはベビーが元気であることも診断してもらえます。

前駆陣痛なのか、本格的な陣痛なのか、どっちか分からないけれど、気持ちの余裕と待てる時間のゆとりがある方は2時間様子を見るといいですよ。
この”2時間”という判断の仕方は結構有効です。
例えば、
陣痛が始まって2時間以上痛みが治まらない。けれど、陣痛の間隔も短くならないし、痛みも変わらない。という場合も陣痛がおさまることの方が多いです。
そして、前駆陣痛は夜間に多く、何日も繰り返す。なんてこともあります。
前駆陣痛は子宮の準備体操です。もうすぐ本番。もうすぐ生まれるよ。という子宮からのサイン。
ゆったり、落ち着いて2時間様子を見て判断してみて。本格的な陣痛ならば、始まって2時間以内に何かしらの変化(痛みの増強・陣痛間隔の短縮・など)があります。

不安な場合は病院・産院へ行けばいいのだから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?