母乳の量が減ってきた・・・もう一度母乳を増やしたい
母乳相談
r💗yさんからのご相談
『混合で最近はおっぱいを吸うのを嫌がります。
またあまり母乳も出なくなりました。
もう厳しいでしょうか。』
詳しくお聞きすると、お子さんは生後3ヶ月。
母乳は1日に2回くらい。ミルクは4~5回/日
あまり出なくなったな。と思いだしてからもうすぐ1か月。
お子さんがおっぱいを吸うのを嫌がるようになったのは2週間前から。
との事でした。
混合栄養で育児をしており、2週間ほど前からオッパイを吸うのを嫌がるようになってしまい、1か月ほど前からあまり母乳が出なくなったなと感じていたけれど、母乳育児も諦めたくないため、可能性があるなら頑張りたい。とご連絡をしてくださいました。
月のしずく(産婆さん)の見解
本来ならば、授乳もしくは搾乳を1日6回以上。できれば8~10回以上実施すれば、母乳量を減らすことなく授乳を続けられる。
もしくは、もう一度母乳を増やせる可能性はあります。
ただし、確実ではありません。
母乳は出せば出すほど量が増えます。
そして、母乳を出す回数が減れば減るほど、母乳の量は減っていきます。
r💗yさんは、相談をいただいた時点で授乳回数が2回/日。搾乳はしていない。ということですので、母乳を出す(排乳)回数が少ない状態です。
さらに、あまり出なくなったな。と思いだしてからもうすぐ1か月。
減ってきたなぁ。と感じる母乳の量をもう一度増やしたい場合、減って来たなぁ。と感じ始めてから2週間以内であれば、もう一度母乳を増やすことは難しくはありません。
しかしながら、母乳が減って来たなぁと思い始めて2週間以上経ってしまっっているため、もしかすると時期的には遅いかもしれませんが、最初から諦めるよりやってみる価値はあるかと思います。
おっぱいが減ってきたなぁ。と感じる理由って?
今回、r💗yさんが母乳が出なくなった。と感じた理由は
『前までお風呂に入っただけで母乳出てたのですが、今はお風呂に入っても出ないし張らないから。』
との事でした。
・・・・OH!なんともったいない (ToT)/
r💗yさんに限らず、よくあるケースは、張っていたオッパイが張らなくなった事を、母乳が出なくなった。母乳がつくられていないから張らなくなった。と勘違いするケース。
オッパイはいつまでも張らない
経産婦さんが1カ月経ってもオッパイが張る場合。初産婦さんで産後3~4か月経ってもオッパイが張る場合は、乳房トラブルを起こす(起こしている)可能性があります。
経産婦さんで1か月ごろ、初産婦さんで3~4か月ごろにはオッパイが張らなくなるのが正常な経過です。
母乳量(乳汁分泌)のカギを握るのはプロラクチンというホルモンです。
妊娠すると、胎盤からヒト胎盤性ラクトーゲン(HPL)というホルモンが出産まで増えていきます。HPLは乳房を大きくすると同時に母乳が出ることを抑える効果があります。
胎盤は分娩時に胎児を育てる役割を終え、体外へ排出(胎盤娩出)されると、HPLは急激に減少します。そのため、妊娠中は抑えられていた母乳の分泌がはじまります。
プロラクチンは母乳を作る役割があり、出産まで増えていくのですが、HPLによって妊娠中の母乳の分泌は抑えられています。
プロラクチンは分娩時にピークとなり、その後は日々減少していくため、授乳・搾乳をしなければ約1週間で母乳は出なくなります。
その逆に、出産後すぐから授乳・搾乳を始めると、徐々に減って行くプロラクチンの量をゆるやかにし、ベビーがオッパイを吸うもしくは搾乳をするなどの刺激により、更にプロラクチンが分泌されるため、産後数日は常にオッパイが張っている状態になります。
しかしながら、産後数ヶ月が経つと、プロラクチンは授乳・搾乳の刺激で分泌され、母乳が作られるようになるので、乳房に溜めておく必要がなくなります。
母乳は受注生産となるため、授乳・搾乳のたびに母乳が分泌されるようになり、張ってないけれど、授乳・搾乳すると母乳が湧いて出てくるので、オッパイが張らなくなります。
この受注生産のラインが確立するのが経産婦で1か月、初産婦さんで3~4か月と言われています。
そのため、経産婦さんで1か月ごろ、初産婦さんで3~4か月ごろにはオッパイが張らなくなるのが正常な経過です。
母乳が減ってきたからオッパイが張らなくなったのではなく、受注生産となり、母乳を溜めておく必要がないため、オッパイは張る必要がなくなった。
というのが実際です。
逆に、断乳・卒乳する際には、この受注生産の仕組みを利用し、約2週間かけて計画的に授乳・搾乳回数を減らしていき、母乳量を減らす事でトラブルを起こすことなく止めて行くことが可能です。
減ってきた母乳を再び増やす方法
ここまでの説明で、気づいた方もいらっしゃると思います。
そう。
・授乳回数を増やして、ベビーに母乳を飲ませる。
理想は8~10回以上(授乳間隔2.5~3時間前後の授乳)
・搾乳回数を増やす(最低でも6回/日)
1回に出る母乳量が少なくても、搾乳をする回数が大切!
※授乳・搾乳回数が6回/日以下では母乳量は減っていきます。
減った。もしくは減ってきた母乳を搾乳で出す場合、搾乳器を使った方法では出ないことがあります。
乳頭・乳輪部の刺激を兼ねて、手で搾乳する方法をお勧めします。
搾乳方法(手でしぼる)
①石鹸で手洗いをし、手を清潔にします。
②母乳を受ける容器は、あらかじめ消毒しておきます。
消毒方法は哺乳瓶と同じです。
③咳やくしゃみが出る場合にはマスクをつけるなど、母乳が汚染されないように注意しましょう。
④手の指を親指と人差し指の2本と中指・薬指・小指の3本に分けます。
イメージがつかない人は指でOK👌を作ります。
⑤中指・薬指・小指をそろえて、乳輪の真下の位置、あばら骨にあてます。
⑦親指と人差し指を乳輪部の外に置き、更に1本分外側に置きなおします。
(乳首よりずいぶん離れた位置に置きます)
⑧背中に向かって乳房を1~2㎝押し込んだあとに、親指と人差し指の腹を合わせるようにして搾ります。
⑨ 反対の手で消毒済みの清潔な哺乳瓶やカップを持ち、乳輪部に軽く当てます。
⑩ 搾乳は、最初は 1 秒に 2 回。母乳が出てきたら1秒に1回の刺激をしましょう。
⑪1回の刺激で1滴の母乳を落とそうとはせず、何回か刺激を繰り返して1滴の母乳を乳輪部に当てた容器で受けるようにします。
乳房に内出血やかすり傷が出来ないように注意して行います
⑫1回の搾乳時間は長くても20分間。それ以上はやりすぎ(長すぎ)です。
親指と人差し指の腹を合わせるようにして搾りますが、母乳が出る場所は人それぞれですので、母乳が出る場所が見つかれば同じ場所で何回か搾り、出が悪くなったなーと感じたら反対のオッパイへ移動して搾ることを繰り返します。
例えば、右のオッパイを飲ませていたら、反対の左側のオッパイから母乳が出て来た。なんて聞いたり、経験したりしたことはありませんか?
ベビーが吸う、乳頭・乳輪部への刺激で、母乳が作られるからです。
左右交互に5分毎もしくは出にくくなるまでの数分間を2往復、授乳・搾乳を繰り返してみてくださいな✋
搾乳の仕方の動画はこちら👇
ベビーがNICUに入院中だったり、出産数ヶ月後のママさんへ
授乳・搾乳回数が6回/日以下に減ってはいないですか?
オッパイが張って来なくなったのは、母乳が出なくなったのではなく、受注生産ラインに乗ったからかも知れません。
回数を減らせば母乳量も減ってしまいます。
搾乳は溜まった母乳を出す目的ではなく、母乳を増やしたい時にも実施してみてください。
母乳を増やす目的で6回/日以上は授乳や搾乳をしてみてくださいな。
最後までお読みいただきありがとうございます😊
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