エモエモ!さな式プ事大賞2020!

 こんばんは。さなりぃです。明日(本日)はDDTのD王GPの決勝を見に行きます。正直なところ秋山にも竹下にもあまり興味はないのですが、遠藤君が気になるので見に行きます。あと見聞を広めたい。

 さて、ベストプロレスPodCaster・92サイトー氏がお贈りしている、「92サイトーのプロレスの事」にてプ事大賞2020が開催される運びとなりました。

 noteという形ながら、92チルの私としては馳せ参じるほかにありません。上記の通り、ベストバウトやMVPを決めるわけではなく、一番感情が揺さぶられた、エモーショナルでエキサイティングなシーンを選ぶ賞となります。

 今年は私個人としては例年にないほど現地観戦した年となりました。早速ですが振り返っていきましょう。

2020.1.5 内藤哲也vsオカダ・カズチカ 

試合終盤のスターダスト・プレス。ロスインゴ結成後も何度か試みていましたが遂に初ヒット。スターダスト時代もなかったことにしていない、プロレスキャリアを全て乗せた一撃はエモの極み。しかしながら過去は過去、スターダスト・プレスには内藤がなれなかったスターという偶像への憧憬と、それへの決別含まれております。だからこそ現在進行形の二人はここで終わらない。それが更なるエモさを醸し出しています。

2020.1.5 東京ドーム大会 エンディング 

内藤哲也vsオカダ・カズチカ戦試合後のKENTA襲撃。なんとなくですが、ここで内藤が試合後のマイクを無事に終えていたら、レスラーとして内藤は「あがり」を迎えていてしまっていた気がするのです。だからこそ新たな敵が出てきたことは喜ばしいことだったと思うのです...ですが!現地で見て時は冷静でいられなかったし、その後のKENTAファン共(失礼)の内藤sageがクソうざかったんでキレそうでした!ごめんね!!

 その後G1を経てKENTAは普通に応援したいレスラーになっています。

2020.6.13 SHOvs鷹木信吾

 SHOの勝利シーン。コロナ中断前のNEW BIGININGシリーズや本人のPodCastで、NEVER王者の鷹木からの挑発に対してどうにも煮え切らない態度と自信のなさでイマイチな評判だったSHOですが、本来のNJCで戦うはずだったオスプレイがコロナの影響により来日延期。代役としてSHOが選ばれました。

 ひたすらにパワフルという言葉が似合う鷹木という高い壁に、今までの鬱憤を晴らすように必死に食らいつき勝利を掴み涙するSHO。これをきっかけにNEVER戦も組まれ負けてしまったものの、その大会のベストバウトをかっさらい表題の試合と併せてまさにSHOの出世試合となりました。一人の青年が負け、悩み、否定されながらも覚悟を決めて前に進む姿は同年代として感情移入度がやばやばのやば。ここからSHOのシングルプレイヤーとしての期待値は上昇していくこととなります。

2020.8.29 明治神宮大会 エンディング

 試合後の花火。内藤哲也の魅力の一つに絵作りやマイクといったプロモーションの上手さがあると思ってるのですが、この屋外だから可能な花火という特別なシーンに、リングに寝そべってそれを見るというキャラクター性と完璧に合致する絵を作ることができる内藤は、やはり一流のレスラーであり表現者だと思うのです。週プロではカメラ目線で花火に背を向けた写真が表紙になってましたが、個人的にはその後のカメラに背を向けた写真の方が好きです。

神宮大会は成功だと思っておりますか、一つ不満があるとすればリリーフカーのボンネットに乗って入場してくるEVILが見られなかったことです。(リリーフカー入場は絶対やると思ってた。)

2020.10.8 ジュース・ロビンソンvs内藤哲也

 ジュースのコリエンド式ディスティーノキックアウト。G1公式戦での1戦。ジュースのあの陽気さは現地に赴き興業全体で見ると必要とされているのがしっかり理解できるレスラーで、元からかなりデキる選手なのにナックルやらなんやらで割と不当な評価を受けていた印象なのですが(これは外国人選手全体に言える気がします)、G1でそのありがたみを再認識。試合内容やコスチュームもグレードアップされ、キャラクター性もさらに確立されていました。

 現王者に挑む一戦となりましたが、あまりの激戦っぷりでジュースのストレートがヒットした瞬間に内藤ファンなのに「ジュース勝っちまえ!!」と思ってしまったのですが、そこにコリエンド式デスティーノが完璧に決まりこれで終わりか...と思たところでジュースがキックアウト。その後すぐに正調式で試合は終わるのですが、そのジュースが見せた執念の凄まじさは、内藤が勝ったのに久々にキレそうになっていました。

2020.10.14 KENTAvsYOSHI-HASHI

 YOSHI-HASHIのGAME OVERからのエスケープ。YOSHI-HASHIの頑張りっぷりは今回のG1の盛り上がりに間違いなく寄与しており、その試合内容にシリーズMVPに選ぶファンも多かった印象です。そんなYOSHI-HASHIの試合の中からこのシーンをチョイス。

 「格上」KENTAからのGAME OVERの顔へのフックに対して額をこすりつけて極まらせないように必死にエスケープするYOSHI-HASHI。YOSHI-HASHIは決して華麗な技を見せるわけではないですし、このG1でもガッツとチョップとバタフライで相手を削りしつこく勝利を狙っており、そんな泥臭いキャラクター性に合致したこのシーンはやはり印象に残ります。確かグレート・フジさんも仰っていたと思うのですが、YOSHI-HASHIのオリジナルムーブと評しても全く過言ではないでしょう。

2020.11.7 飯伏幸太vsジェイ・ホワイト

 ジェイ勝利シーン。権利証戦というストーリ的には保持者の因縁の清算といった「消化試合」になりがちであり、そもそもメインが今年4回目の内藤vsEVILであり内藤の勝ちがほぼ見えていたことから、大会自体への期待値が下がっていたのは偽らざる本音でもあります。

 下馬評を覆す熱闘でこのまま飯伏が勝っても満足...ではあったのですが、そんな中で敢行されたジェイ・ホワイト疑惑の3カウント勝利。予想を裏切りながらサプライズを望む観客を裏切らない!まさにエンターテインメント。

 この結果により一気にその後の展望どころかメインの試合まで全く目が離せなくなってしまいました。まさにゲドーイズジーニアス!試合内容そのものは勿論ですが、こういう部分でも勝負できるいまの新日の強さを感じたシーンでした。

2020.11.18 後楽園大会エンディング

 試合後マイク。コロナ中断以降、SHOと同じく評価爆上がり中だったデスペラード渾身のマイク。もともと感情自体は大きく見えるレスラーなのですが、ダイレクトに「勝ちたい」なんて言うようなタイプではない...という印象でした。しかしながらヒロムの膝を破壊しあざ笑った後に放った「俺はスーパージュニア優勝するぜ?お前はどうする?」という一連のマイクは、今年のデスぺは以前とは明確に違うこと、そしてヒロムとの拭いきれない因縁を印象付け、さらにそれを今まで通りの飄々とした語り口で放つ姿はヒールとしての魅力に溢れていました。この試合と一連のマイクでデスペに乗ったファンも多かったのではないでしょうか。

2020.12.2 高橋ヒロムvsSHO

 終盤のヒロムのSHOのラリアット3連発の受け。BOSJ公式戦。鷹木との一連の抗争からBOSJ優勝候補の一角に挙げられていたSHOですが、期待に違わぬ戦いぶりで先頭集団に追走中。その先頭に立つヒロムを撃破すれば決勝進出へ大きく前進するというシチュエーションでの対戦。

 高橋ヒロムという選手は現在のジュニア選手の中では圧倒的な「格」とそれに恥じない試合内容と存在感があり、今回のBOSJにおいてもメイン6回という全盛期の棚橋・オカダ・内藤でも負担がデカすぎてやらせないレベルで会社からの期待を背負っていました。

 つまりヒロムは撃破されることに大きな価値があるレスラーとなっており、負けるときはできるだけ派手に負けて相手を大きく見せたいのです。しょっぱい負けでは勝った相手の意味がなくなってしまいます。その中で該当のシーンの3発目を叫びながら受け、その後のショックアローで爆散したヒロムは自分の見せ方と価値をよく理解しているレスラーだと思いますし、だからこそ会社も大きな仕事を任せるのでしょう。

2020.12.11 高橋ヒロムvsエル・デスペラード

 デスぺ自身がマスクを脱ぎ捨てたシーン。BOSJ決勝。最終戦でのマイクからマスク剥ぎ及びデスぺの素顔をさらす展開はあるかなと予想していた人も多かったと思います。大抵のファンはデスぺの中身を知っており、ヒロムとの因縁も理解していますが、それでもマスクマンとして、レスラーとして、デスペラード一世一代の勝負であったのは間違いありません。

  そんな中でデスぺ自身が破られたマスクを自ら脱ぎ捨てるという、最高の絵を見せてくれたことに感謝。その後の試合の盛り上がりを見れば会場全員が同じ気持ちだったのでしょう。しかもマスクを脱ぎ捨てておきながら、デスペラードというマスクマンとの決別ではなく、それが己の矜持であると示したのは、まさに三上恭介...いや「エル・デスペラードの開き」(©️グレート・フジ様)見せてくれたような気がしています。

2020.8.10 潮崎豪vs拳王

 場外PFS。横浜文化体育会館での二冠戦。濃密な60分間であり印象的なシーンはさまざまにあったのですが、これをチョイス。フットスタンプという技は現代プロレスでは割と嫌われがちな印象です。理由としては観客がその痛みを「理解でき過ぎてしまう」こと、つまり危険技扱いされているからですね。そのため概ねの選手はこの技をがっちり入れることはなく、大きなダメージを与えることは稀です。個人的にはもう一つ、よけられた時のリスクが他の飛び技に比べ小さいというのがあります。ローリスクハイリターン。言ってしまえば出し得技で掛け金が少ない飛び技は「プロレスらしくない」と感じてしまうのです。

 そんな中、敢行されたこの場外PFSは私個人の不満点を解消しつつ、相当しっかり踏みつけており、まさに超ウルトラハイパー危険技へと進化してしまいました。正直賛否両論あると思いますが、この試合における、拳王のストイックさと潮崎の覚悟を示す象徴的なシーンになったことは間違いありません。

2020.12.6 潮崎豪vs杉浦貴

 杉浦のフロントネックロックからの潮崎の切り返し。GHC戦。njpwユニバースである私がみてきたノアのGHC戦とはまさに衝撃であり、「ここまでやる必要があるのか?」「この試合を称えていいのか?」「これ以上を望むことはプロレスラーの破滅を望むのと同義ではないのか?」と己のプロレス観を揺さぶり、問いかけてきます。そんな中でも各人で肯定否定はあるのでしょうが、この二人が命を懸けて肉体を削り合い、そこにレスラーとしての覚悟や尊さがあることは間違いありません。

 その終盤、限界を超えた状況で繰り出された杉浦渾身のフロントネックロック。そしてそれに一度は屈しそうになりながらも持ち上げて切り返す潮崎。ここまで以前の攻防でも十分満足できる試合です。はっきり言えばお客さんも決して多くはありません。それでも、彼らを突き動かすものは何なのでしょうか。期待、信念、信仰、殉教、渇望、責任、名誉、破滅、復活。私はもう少しノアのプロレスを感じてみたいと思います。

で、大賞は?

 KENTA襲撃です。色々考えましたがこれです。好きか嫌いかで言えば好きではないシーンで間違いないのですが、それでも一番感情を揺さぶられたのはこれでしょう。皆様もちょっと違った観点からプロレスを覗いてみませんか?

 なお、プ事大賞2020への投票は本日(12/27)が締め切りです()

 

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