空のココロ

ゼンマイが切れるまでに「ココロ」を手に入れられれば人間になれるロボット、そんな話があった気がする。

「黒羽さなぎ」という存在は、なにか目的や意思があって生まれたのではない。
空っぽの器で生まれ、周りの人たちとの関わりの積み重ねによって「黒羽さなぎ」っぽさが定義されてきた。

いま、その器の大半が失われたこの現在、果たしてそこに「黒羽さなぎ」という自我は見いだせるのだろうか。その欠片でも生まれているのだろうか。
まだ、すぐには見いだすことができないでいる。


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