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風邪ひいた!と思ったとき、あなたは医者に行くいかない?ーフランス🇫🇷暮らしの場合

バカンスが明けた途端に、風邪っぴきの我が家の子どもふたり。

昨日かかりつけのドクターに診てもらいに行きました。

フランスの医療制度は日本のそれとはちょっと異なっています。
専門医(耳鼻科・眼科をはじめ、内科以外の全ての医療機関)にかかるには、自分がかかっているかかりつけ医 (Médecin traitant)にまずは診てもらうところからスタートします。

あ、風邪ひいたな。
という時は、間違いなくこのかかりつけ医の元へ出向きます。

日本に住んでいた時の私は風邪をひくと、家から歩いて3分の場所にある耳鼻咽喉科に駆け込んでいました。いつも風邪ひいた人たちで激混みで、めちゃめちゃ待たされるのが玉に瑕でしたが、先生がとにかく的確な診察をしてくださり、絶大な信頼を寄せていたんです。

風邪ぐらいでは医者にはいかない、という人も多いでしょう。

実際、よく食べよく寝ていれば時間薬で治るのが風邪だともいえます。

でも風邪こじらすと結構怖いこともありますね。
私は小学生の頃、風邪だと思って微熱があるのに学校に行き続けていたら、肺炎になって入院したことがあります。
診断が後もう少し遅れていたら命に関わっていましたよ、とも言われました。

それでも医者通いは嫌いな私ですが、子どもたちとなると話は別で、やっぱり「診てもらおう」と思うのです。

今住んでいる街に引っ越してきて9年ほどになるのですが、当時からお世話になっているかかりつけ医の先生は、若い男の先生です。
若いといっても、お互い9歳歳取りましたね〜という感じではありますが、見かけがいつも若い!変わらない!
実はサイボーグなんじゃないか!?と思うくらい、真っ青な目にいつも変わらない体型・服装・動き・話し方なのですが、日本でかかっていた耳鼻咽喉科の先生と同じくらい、実はこの先生に我が家は全員信頼を寄せています。

かかりつけ医の先生との相性と信頼関係は、とても大切。

他に何か大きな病気の懸念があるときは、この先生からの紹介状がなければ別の医療機関にかかることはできないのがフランスの医療制度。

その先生が、昨日「実は診療所を引っ越すことになりました」というではないですか!

えええっ・・・・。
動揺しました。
この先生がかかりつけ医じゃなくなる!?!?

よくよく聞けば、車で15分ほど先の街に行くということだったので、ちょっぴり遠くなりますが、我が家は「新しい診療所まで先生の元に通います」という選択を取りました。

フランスの医療の分業の進み具合は、日本ではちょっと考えられないレベルかもしれません。
例えば、ワクチンを打ってもらおうと思うと、ドクターにワクチンを処方してもらって患者が薬局でワクチンを買い求め、それを持って接種してもらいに行く・・・という、面倒臭いシステムが取られています。

あと、子どもだからと言って親がなんでも決めて良いわけではなく、特に心療内科系の診察には親が付き添えないことも。
ドクターと患者(子どもでも)の守秘義務が守られ、全てを親に話してくれるわけでもありません。

心の風邪っぴきには、心理療法士、精神科医、ヒプノセラピストを紹介されたりしますが、実はこのかかりつけ医のドクターに色々聞いてもらうことも可能です。これはドクターによるのかもしれませんが・・・我が家の先生は体のことだけではなく、家族の心のケアも気にかけてくださっています。

私がこの街にやってきてすぐの頃、本当に精神的に辛い時期がありました。
息子が大きな病気を患っていたので、そこの大きな病院でファミリー心理カウンセラーにかかったり、そこから紹介を経て別の医療機関の受診をしたりしていたのですが、なかなか気持ちがすっきりすることはありませんでした。

その頃の私を、支えてくれていたのが、実はこのかかりつけ医でもあります。

見た目がサイボーグなうえに、やはり医者ですから普段はとても簡潔で冷たい印象のあるドクターなのですが、実は「めっちゃあったかい人やったんや!!!」と思った瞬間がありました。

人はそういう、ちょっとしたことかきっかけで人に信頼を寄せたり、安心を感じたりするのでしょうね。

それ以来、このかかりつけ医のドクターは私の精神的なサポートを継続的に、でもとてもさらりと続けてくださる心強い存在となっています。

誰かに話せることで広がる安心感。
でも誰でもいいわけじゃないですよね。
先生の引っ越しのニュースを聞いてあたふたとなった自分に気づき、いかにこの先生の存在が私にとって大切なのかをひしひしと感じた金曜の午後でした。

たかが風邪。されど風邪。
体も心も、いつでもメンテナンスができる環境を
普段から整えておくことって大切だな〜。



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