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窓を開けると冷たい風が教室に入ってくる。気が付けば校庭から聞こえる声も小さくなって人の熱も冷めてくる季節になってきた。 真っ赤に色づいた校庭越しに吹奏楽部の笛の音が教室に入ってくる。なんだ、気が付かないうちに物思いに耽るには良い季節にもなったって訳だ。 ガラガラと教室の扉が開く。待ち人来るってね。 「よかったー、まだ居てくれたんだね」 嬉しそうな声を上げながらミサトが教室に入ってきた。すぐに私の机の前に座ると頭を当ててくる。 「今日もお疲れさま」そういうと頭をうりうり