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彼は両替機から大量に出てきた百円玉を一つとって私に見せた。 「突飛な話をするよ。このお金は誰かの財布から筐体に投入された物だ。 もしかするといつかの僕の財布から出てきた物かもしれない可能性も ある」 彼はその百円玉一つを握り締め、両替機に残った大量の百円玉をザラザラと音を鳴らして小銭入れにしまう。 「そういうシステムなんだ。筐体に入れられた百円玉は店員に回収されて両 替機の百円玉になる。代わりに入った千円札は回収されて金庫にぶち込ま れる。百円玉は永久機関とな
「ねぇ、そこのおじさん」 なんだい 「眠れないの、助けて」 眠れない、誰が? 「もう、呆けちゃってるの?私よ私。私が眠れないの」 それで? 「だーかーら。私が眠れる様になんとかしてって言ってる訳。ああもう、もっと別の人に言えば良かった」 僕なんかが君を寝かしつけれる訳ないと思うよ。こんな時間に夜出歩いてる女子高生を寝かしつけた事は無いからね。 「はいはい、それは良く出来た娘さんね」 ああ、家の娘は僕と違って良く出来た娘だ。 「良く出来た娘さんの良