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R5 建築設備士 二次試験 解答例分析① ~共通問題編~

建築設備士の詳細な採点基準や合格基準は明らかにされていません。

「でも、受験した人の解答例を集めたら分析できるんじゃないの?」
「SNSを使えば一般人でも解答例が集められるんじゃないの?」

ということで、R5年の建築設備士受験生に解答の再現図を作成していただき、建築設備チャンネルのDiscord(建築設備士受験生コミュニティ)メンバーの皆さんと分析をしました。

この記事では、分析の議論の内容をふまえて私が感じた「感想」を、備忘録程度に記しておきたいと思います。
楽しかったので今年度以降も続けていきたいと考えています。


この記事の注意点


二次試験解答例分析会に寄せられた回答は、昨年度の二次試験終了後に受験生から寄せられた解答を紹介しています。

※ noteに掲載している回答例は、公開してもよいという許可を
  いただいて掲載しています
※ 記憶はあいまいなもので、試験終了後に再現をしても
  何を書いたかあやふやなところはあるものです(私もそうでした)
  こちらに掲載されているものは実際に提出したものではなく
  あくまで再現であることをご留意ください。


今回、解答を送付してくださったのは10名でした。試験直後でお疲れにもかかわらず、ご協力いただきありがとうございました。
必須問題で10名分、共通問題で6名分、衛生選択4名分(系統図は2名分)、電気選択2名分(系統図1名分)の解答が集まりました。
10名のうち、合格8名、不合格2名の結果となりました。
また、すべての解答を入力していただいたのは2名で、2名とも合格でした。

まだ正確な分析はできないと考えていますが、集まった解答を見た限りで気づいたことを、建築設備チャンネルDiscordのメンバーのみなさんと分析しました。
建築設備チャンネルは試験元や資格学校とは無関係の団体です。ここに書いてあることもただの感想です。
あくまで予想・憶測であることを留意いただき、みなさんの勉強の参考程度に留めていただけますと幸いです。

また、今年受験される方は分析会に提供するかどうかに関係なく、終了後すぐに再現図をつくることを強くおすすめします。
(もし結果がだめだったとき、対策の手がかりがなくなります)

解答例の収集は、今年度も二次試験終了後に実施予定です。X、YouTube、noteで告知する予定なので、いずれかのフォローをお願いします。

たくさんの解答例が集まることで、さらに色々な分析ができると思います。よろしければご協力をお願いします。

共通問題(作図問題)

共通問題は全部で3問あり、R5年度の出題は以下のとおりでした。
「第3問:空調配管図(ファンコイルユニット・新傾向)」
「第4問:衛生配管図(便所)」
「第5問:照明配置図(会議室)」

※ 詳細な条件は試験元のホームページをご確認ください。

共通問題で集まった解答(6名分)は、すべて合格者のものでした。
作図の出来にはかなりばらつきがありました。

第3問:空調配管図(ファンコイルユニット・新傾向)

空調配管図は新傾向問題で、減点要素がないと思われる方が1名、問題文に指定の条件を守れていない方が4名、システムが不成立の方が1名でした。

一例として、4番さんと7番さんの解答を紹介します

4番さんの解答 減点要素なしと思われる
7番さんの解答 減点要素あり

7番さんの解答は、問題文の条件との不一致、ファンコイルユニットのシステムの不成立のため、減点要素があると考えられます。

採点基準については、具体的にどんな条件が減点となるかは公開されていないため、建築設備チャンネル独自の基準で減点要素あり・なしを仮定しています。
二次試験講座でお伝えしている「システムが成立しているかどうか」「問題文に記載の条件に合致しているかどうか」などの条件でひとまず採点し、回答者の合否の結果と合わせて分析しました。

この採点基準に正当性があるかどうかの分析は、今年度以降の課題とします。

第4問:衛生配管図(便所)

便所の衛生配管図は既出の問題で、減点要素がないと思われる方が2名、問題文に指定の条件を守れていない方が2名、システムが不成立の方が2名でした。

一例として、9番さんと6番さんの解答を紹介します


9番さんの解答 減点要素なしと思われる


6番さんの解答 減点要素あり

6番さんは、通気管の立ち上げの記号がなく、床下レベルで合流しているためシステムの不成立と考えました。
ただし、表現方法としては〇を一つ見落としているだけなので、単に再現図で書き忘れているだけで本番では書けていたかもしれません。
(再現図で正確に再現できていない可能性は、実はどの解答にも言えることですが…)

第5問:照明配置図(会議室)

照明配置図は既出の問題で、減点要素がないと思われる方が4名、問題文に指定の条件を守れていない方が1名、画像データのない方が1名でした。

一例として、2番さんと7番さんの解答を紹介します


2番さんの解答 減点要素なしと思われる


7番さんの解答 減点要素あり

少し脱線しますが、2番さんは再現図の作り方がとても良いと思いました。作図の問題についてはフリーハンドで、時間のかかる陰線については表現せずに文字で注記しています。解答の送信方法もスマートフォンで写真を撮影しています。
再現図を短時間で作成することで、再現図の正確性を高め、試験当日に疲れきった心身への負担を減らすことができます。


減点要素ありと判断した7番さんの解答は、非常照明の台数が多いため「必要最小台数を記入する」という問題文の条件とは一致しません。

まとめ



今まで私は、システムが不成立の場合や法的にNGとなるものが足切り条件なのではないかと考えていました。
今回集まった回答を見る限りでは、システム不成立の場合も即足切りとはならない可能性が高いと考えました(空調配管図は特に新傾向の問題だからかもしれません)。

共通作図問題については、新傾向の問題が出題されても慌てずに、とにかく書ききることが重要かもしれません。

みなさんも、試験元HPで公開されている過去問を見ながら分析してみてください!



※本記事は試験元と無関係な団体が勝手に書いている感想です

SpecialThanks:つむさん(建築CAD図作成)、一緒に分析をしていただいた建築設備チャンネルDiscordのみなさま


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