[2022.07.10]マームとジプシー、cocoon

この作品に出会ったのは高校生のときで、たしか顧問の先生に映像を見せてもらって(正規の映像かは謎)、部室に漫画があったのでそれも読んだと思う。当時の私はあらゆる面で本当に衝撃を受けて、具体的になにをと言われたら雰囲気とかテンション感とか曖昧な表現になるけど間違いなく目標にしていた作品のひとつだった。

そんな作品を再演するということで部活の同期で一緒に観に行こうという話になっていた。私は結局休みが合わなくて一足先に観劇するのですが、公演中止によりcocoonを観劇できたのは私だけになってしまいました。
大劇場から小劇場までどんな舞台でもこの世から1ステージでもなくなってしまうのが悲しい。全然知らない舞台でも中止のお知らせを見るたびに悲しくなっちゃう。

はじめてcocoonを知ったときから4年以上は経ってるけど、衝撃は変わらなかったしむしろ生で観たせいでそれ以上だったような気もする。

残酷すぎる内容と、これよりも救いのない事実を元にしているということと、役者さんの演技力の高さと、揺さぶるどころの話じゃないくらい訴えかけるような演出と、もう、ほんと、病みます(語彙力の終わり)
cocoonの最後の記憶が高校の部活だったから曖昧で、成人済のメンタルだったらひとりでも行けるでしょとか舐めてたらこれだよ。感じたことが全部ぐるぐる頭をまわってしんどい。誰か私と話さん?

部活では照明もかなり参考にしてた。あの時見た映像がいつのものかはわかんないけど照明さんは同じ方なのかな。マームとジプシーの前回公演の照明さんと同じなのは確認できたんだけど。

前回のLight houseでは明かりは温かくてタイトルの通り道しるべみたいなイメージだったけど、cocoonは爆撃とかガマの不穏なマイナスイメージの明かりが多いのが面白かった。
学校のシーンは暖かい沖縄の太陽なのに、ガマになると怪しくて不安な明かりになるのすごいよな。いや、観てればどういう明かりなのかは理解できるし私もできる(と思う)けど、もうなんか気持ち的にそれどころじゃない。
ちょっともうすでに曖昧なんですけど2人で歩いてて「あ、飛行機!」みたいなシーンあるじゃないですか。この死ぬ瞬間にこれに似た光景見たことあるなってデジャヴ的に幸せな記憶が蘇るっていうシーンがマジで心にくる...。しんど...。

似た光景、似た明かりでも全く違う表情で、それに気がついた瞬間ハッとするしすかさずリフレインしてくるのが藤田さんだよな。知ったような口きいてごめんなさい。

幸せと絶望のコントラストがエグすぎ。

助けを求めることができる、助けてくれる人がいる、お互いのことが好きで信頼し合ってる、なのに救いがない。ムリだ。なんで。サンとマユはお互いのことが希望だけど救いではないんよ。戦争のせいなのか年齢のせいなのか多分全部だけど。

どうしよう限界すぎてオタク脳からしか感想が出てこない。

女の子たちの無邪気さと純粋さと健気さと懸命さと、それを守る繭の優しさに涙が止まらなかった。でも逆にその繭を破れたサンだけが大人になれるしこれからの世を生きていけるんだな。

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