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傘の下でひとりを考える

note、つけてみたいと思ってたけど、
ほんとにやっていいの?
と、天の誰かに問うていた。
いいでしょ、やろう。
結局goの掛け声はいつだって自分だ。

帰り道で雨。
ごみごみした雑踏を歩いていると、
いつのまにか雨の音だけ響いている。

駅に着いた。
フジファブリックの「陽炎」を聴く。
今朝聴いてすきになった曲。
最後にピアノだけが鳴る曲。

これ、これだ。
ひとつの音だけ自分に鳴っている。

さっきの雨みたい。

自分だけに響いてくるような音や残像は、
つよく「独り」を感じさせる。
寂寥感とかではなくて、
自分だけガラスケースに収まったような、
不思議な気持ち。
私の投げている色々は
みんなに届かないけど、
雨だけ、ピアノだけ、
内緒で私のところにやってくる。

わりと陽気な
わりと能天気な
そして乱雑な日々を送っているんだけど、
こうして不意にひとりが訪れる。

寂しいのは苦手なんだけど
こういうひとりは…いいのかも
何かを始めるくらい、自分で決めたっていい。

電車を降りる。
私はまた傘を取り出した。

いつかの傘展

雨粒に水たまりだけ破けたら
合図の笛を私だけに吹く

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