安芸高田 X 議員を定量分析してみる

公表されているデータを使って、安芸高田市の議員を分析してみました。

議員レビュー

要約

  • 会派別に市民評価をみると

    • シセイクラブは高く評価されている

    • 清志会は最も評価されていない

  • 議員別にみると

    • シセイクラブ所属の2名は最高ランクの評価 ★★★★★

    • 無所属の熊高 昌三は当選6回(60歳代)のベテランだが、最高ランクの評価 ★★★★★

    • 清志会に所属する9名全員が最低ランクの評価 ★☆☆☆☆

  • 無所属の熊高昌三およびシセイクラブの田邊介三は、前回選挙の得票数は少なかったが高い評価

    • 市民にとってはお買い得であり投票者は良い選択をしたと言える

    • 今後得票数が増えることが見込まれる

  • 清志会所属の全9名および無所属5名中2名は、得票数が多い割に市民評価が低い

    • 市民にとっては高い買い物。投票者は悪い選択をしたと言える

    • 今後得票数が減ることが見込まれる

計算方法

公表されている情報を元に計算してみました。「市民評価」と「期待達成度」は、市民モニターと選挙結果の数値をもとに計算した相対的な指標です。クチコミサイトのように一目で議員の評価がわかるように工夫してみました。

議員レビュー(再掲)

以下細かい計算方法や注意事項を記載しているので、気になる方以外は次の章まで読み飛ばしていただいて構いません。

  • 注意事項

    • 年齢と得票総数は2020年の情報です。市民評価は2022年の情報です。

    • わたしはマスコミの人間でもなく、統計を仕事にしているわけでもない一般人です。片手間に作ったものですし、しかも、手入力しているので誤りがあるかもしれませんが、そのさいはご了承ください。

    • 公表データを使ってシンプルな方法で計算したので、誰でも同じ計算をすることができます。複雑な計算や政治的意図的な操作はしていません。気になる方は自ら計算、検証してみてください

市民評価の計算方法

市民による議員のレビュー結果です。「市民の声を幅広く聞いている」「市民に情報を提供・共有している」「議員として説明責任を果たしている」議員が高い評価を得ます。

2022年の市民モニターの3つの設問の回答を元に計算しました。

例えば「【問1】それぞれの議員は市⺠の声を幅広く聴いている
と思いますか?」に対して、はい35%、いいえ13%を得たので南澤さんは35/13で2.7点。3つの設問を合計して8.5点。最小値0.4点、最大値8.5点。5分割して、低い人が★☆☆☆☆。高い人が★★★★★。★の数は全16人の中における相対的な位置を示します。

期待達成度の計算方法

得票数が多いということはそれだけの多くの市民から期待されているとみなすことができます。それに対して市民評価が高いか低いのか、を見て、期待を達成できているのか、それとも期待外れなのかというのをわかりやすくした指標です。

「市民結果」と、2020年の得票数を元に計算しました。

「市民結果」 ÷ 得票数 X 1000 = 期待達成度です。X 1000っていうのは数値を見やすくするためのただの積算です。

解釈

清志会

清志会の議員はたくさん得票していますが、市民評価が低く(★☆☆☆☆)、市民から見ると概して期待外れの結果(★☆☆☆☆)になっています。期待外れということは市民の賛同を得られていないということなので次回の選挙で落選する可能性が高いことが見込まれます。そのため議員数削減に反対するのは自然なことでしょう。

一方で彼ら弱小議員が束になって最大会派となっており、16名中9名と過半を占めています。市民評価が最低ランクの議員たちが集まって市長と対立し、ときに市長の施策を否定しているという構図です。市民評価が低い人たちが最大派閥になっているので、市民が求める施策が実行に移されないことは当たり前と言えます。

シセイクラブ 

新人2名、南澤克彦と田邊介三が所属する会派です。当選1回目にも関わらず二人とも市民評価が高いです(★★★★★)。一方選挙時の得票数について二人の間に隔たりがあり、期待達成度に差異があります(★★☆☆☆と★★★★☆)。

比較的若い二人は「情報提供している」の設問で高い評価を得ています。理由はなぜでしょうか。若いからこそ説明力がある?SNSを駆使して広く情報提供している?オープンな場に積極的に出て説明をしている?

理由は分かりませんが、シセイクラブに一票投じるのは賢い選択といえます。

無所属

一人一人ばらつきがあります。無所属なので当たり前といえば当たり前ですが。

特筆すべきは熊高昌三です。シセイクラブの2名と同じ最高ランクの市民評価を得ています(★★★★★)。前回選挙での得票数が少なく、581票であり当選ギリギリだったのですが、その分、期待達成度が最高ランクです(★★★★★)次回選挙時は高い得票数が期待できるでしょう。

また、芦田宏治と秋田 雅朝もその次に高い評価を得ています(★★★☆☆と★★☆☆☆)。

その他

新人3名のうちシセイクラブの2名(南澤克彦と田邊介三)と同期当選した清志会の山本数博は、評価が最低ランク(★☆☆☆☆)です。同期当選なので条件としては同じだったはずなのに、なぜこれだけの差がついてしまったのでしょうか。

山本数博の前回得票数は1246であり第二位でした。清志会に所属したことが悪く作用しているのか、もともと政治家に向いておらず就任後化けの皮が剥がれたのか、支持基盤を持っている選挙にだけ強い人物なのか、それ以外の何か。公表されているデータを見るだけではわかりませんでした。

最後に

最後に言及した山本数博は、市民モニターの結果に対して、印象操作。そもそもの数値の正当性が疑われる、というようなことを言っていました。

事実を認めることができない人は成長しません。また、そういう人に仕事を任せることはできません。あくまでわたしの経験上。

ある程度、批判的な視点を持ちながらも、同時にデータを信頼する、データを元に判断をする、データを自身の成長に活かす。ということができる人に一票を託したいと思います。私は安芸高田市民ではないですが自分の住む地方自治体の議員や国会議員について。

それにしても清志会の全員が一律最低ランクだったことにびっくりしました。にも関わらず最大会派を形成して過半を占めている。さらに現場から去らず若者に迷惑をかけ続けているというこの現状はなかなか難しいですね。

将来の日本を担う若者たちはそこかしこで、こういう現状に苛立ちを覚えています。だからこそ石丸伸二市長に期待をしたり、ドラマに夢中になるのだと思います。

繰り返しになりますが、構図と役割に残念な気持ちを持っていますが、誰であれ議員個人は善良で素直な人たちなのだろうなと思っています。不正や非人道的なことをしていない限りは。

たとえば自分の両親、祖父母、親戚のような普通の人たちなので、個人攻撃をしたいわけではなく、あくまで議員という役割および日本社会の構図に対する建設的な批判をするためにこの記事を書いています。こういうのを新聞でやったら面白いと思うんですが…。

元データ

本ページは、前述の通り公表されているデータを使って計算しました。以下の3点です。

議員名簿

令和2年11月15日執行 安芸高田市議会議員一般選挙結果

安芸高田市市民モニターの調査結果(2022年度) 第1回 安芸高田市議会の評価について


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