ハイローが教えてくれたこと。つまらない意地で世界を狭めていたことに対する恥と後悔の話。

私の2019年を語るうえで避けて通れないのが、HiGH&LOW THE WORST。そう表現しても過言ではないくらいにハマった下半期。

正直、私はEXILEぅ?なんかいっぱい人がいるやつでしょ?あんま好きじゃないんだよね…というタイプだった。だってCDにはボーカル2人の声しか入ってなくて、後ろで踊ってる人たちってなんなの?みたいな、今となっては土下座したいくらいめちゃくちゃ失礼なことを考えていた。ちなみに、MステやCDTVでたまたま目にする、CMでサビだけ耳にする程度にしか触れたことはなかったし、たくさんいるグループの見分けも全くついていなかった。ATSUSHIがいるのがメインのグループでしょ?くらいしか見分けられなかった。それが今では、ランペだ!かずまくん!あーセカンドやっぱかっこいい!と音楽番組を録画しながら独り言を呟き、これ誰?という友人にそれはメンディーじゃないよと講釈をたれている。

私がなぜHiGH&LOW THE WORSTを見るに至ったか。きっかけは単純に、振替休日で暇だったのと、Twitterでザワが異様に話題になっていたからだ。偶然に感謝である。ふうん、EXILE族と相性の悪い(偏見)オタク層にも刺さるってどんな映画?ていうか志尊出てる?岳人がEXILEの世界に?まあイオンシネマの割引券あるし行ってみるか。そんなもんだ。ありがとう先人たち。たくさんTwitterで宣伝してくれてありがとう。

もう、衝撃だった。誰も彼もめちゃくちゃかっこよくて、アクションも音楽も、何もかもが凄かった。とかく邦画で予算削減のために削られがち、雑なCGで誤魔化されがちなアクションシーンに、異常なほどの力が入れられていた。私は小学生の頃から洋画は好きでたくさんみてきたが、どうにも邦画は薄っぺらく感じてしまってあまりみないタイプだった。かけている金額や規模がどうしても違うから仕方ないが、私はアクションを重視していたので余計だった。絵力の差。ドラマを描くのは邦画も洋画もかわらず素晴らしいと思っている。

どうやって撮ったの!?という映像の連発、役者のガチの体当たりアクションの熱量にも、それを最高の形で映像にしてやろうという構図の強さにも、とにかく圧倒された。そしてそれらをあまりにもかっこよく引き立てる劇伴。主題歌。冒頭のTop Downにのせて鳳仙の面々が地下鉄から降りてくるあの数分のシーンだけで、これはやばい映画が始まったと思った。なんなんだこれ!?異常なまでにかっこいいぞ!?えっ!?これはとんでもないものをあまりにも気軽にみにきてしまったんじゃないか…?久しぶりに全身に鳥肌がたった。

先人たちがザワのすごさは言語化してくれているので詳細は省くが、私は小田島有剣に落ちると思ったら轟洋介に真正面から刺されて死んだ。一人だけ武力カンストしてるじゃんあの機敏な重戦車みたいな破壊力なに?河原負けBGMで鬼邪校がボコられてる時に一人だけボコってるのなんなの?ていうか脚長!四捨五入したらほぼ脚では?蹴りが重てえ〜!!そこから前田公輝くんを追いかけるオタクになったので心の中でクラブサンマルチノにも通った。最終的にとち狂ってスカジャンを買った。窪田正孝も大好きなのでスモーキーみたいなモッズコートを買うか悩んでいたらコートの季節が終わってしまった。

劇場を出てすぐ、好きそうな友人3名(オタク)に「私が金を払うから騙されたと思って頼むからみてくれ」とLINEした。全員の反応が私と同じ、「ハイローってEXILEのやつでしょ?いやEXILEってなんか苦手なんだよね…」。わかる!!!!!私もそう思ってた!!!!!!わかるよ!!!!!でも頼むからみてくれ!!!!!!公開終了間近にみにいってしまったせいもあり、私は必死だった。即席プレゼンを作りながら、その翌日もザワをきめた。もはやシャブ。だって来週水曜には公開終了予定なんだもん!雑なプレゼンと、私がまさかの2日連日で劇場に行ったことを重く受け止めてくれた友人たちが、翌日にひとり、翌々日にもうひとり、その週末にまたひとりとザワをみに劇場へ足を運んでくれた。次々にLINEがきた、すすめてくれてありがとう、と。週末にみた友人からは、15年の友人期間の中で初めて待ち合わせでもなんでもない電話をした。見終わった帰り、あまりの摂取カロリーに興奮冷めやらずもうLINEじゃおさまらんと電話が鳴り、そこから彼女が家に着くまで1時間ザワの話をした。

近くのイオンシネマが頑張ってくれたおかげで2度の公開期間延長、それまで足繁く通い、最終的に合計で7回ザワをきめるに至る。公開終了日はゆっくりザワに集中するため午後半休を取った。11月はハイローのことで頭がいっぱいで、毎日が楽しく、でもキャパオーバーで、サービス開始以来初めてFGOのイベントを走りきれなかった。事前登録からこっちなかなかの重課金の型月厨である私が。びっくりした。でも、それぐらい衝撃的な出会いで、世界が本当に輝いてみえた。

私の知らない、こんなに面白いものがあるんだ。それだけでめちゃくちゃテンションが上がった。知らないだけで、出会ってないだけで、世の中にはこんなにかっこよくてすごい人たちがいるんだと。同時に恥ずかしかった。たいしてちゃんと触れた訳でもないのに、なんとなく苦手、なんとなく嫌い、その偏見と先入観。それが私をこんなに面白いものから遠ざけていたことに、少なからずショックを受けた。なんてもったいないことをしていたんだろう。知りもしないで勝手につまらないとカテゴライズすることの、なんと愚かなことかと、自分の浅はかさが恥ずかしかった。ザワをみたことで、邦画に対する目線も変わったし、LDHのコンテンツに対する見方も変わった。EDMはパリピのものでしょ?と思っていた自分がEDMに詳しくなった。知らなかった化け物級の役者を知った。そこから、音楽も映画もドラマも舞台も、今までの自分の興味の幅の外だったものが、どんどん視界に入ってきた。世界が広がった。こんな世界を知らなかったのか、いや知らなかったんじゃない勝手に遠ざけていたんだ、なんて、なんてもったいないことをしてたんだ。

私が知らないだけで、世の中にはもっともっとすごいものがあって、ちょっとしたきっかけで自分の世界が広がるんだ。世界は楽しいに溢れてる。偏見や思い込みを捨てたら、私の人生はもっと素敵なものになる。ハイローは、LDHは、それを教えてくれた。ありがとう。LOVE DREAM HAPPINESS。