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クラガンに関する一考察とトライバルクラガン備忘録

初めまして。サメイシという者です。
普段は晴れる屋TC東京を中心にクラガンを回したりしています。
この度、5/7の第20回モダン神挑戦者決定戦にて、クラガンを12位まで持っていくことができました。この機会に、自分が思うクラガンについてまとめることにしました。
半分自分用メモかつ、初めてnoteを使うので、読みづらいですが興味が有ればぜひ見ていって下さい。クラガンをこれから使ってみたいという奇特物好きな方や、クラガンを普段使っている奇特な16点シュートに性癖を歪まされた方向けに書いてます。そんな方々の一助になれば幸いです。
なお、トライバルクラガンについては後半で触れるので、それだけ見たい方は後半(3.E)まで飛んでください。


1.そもそもクラガンとは?

 いわゆるクラガンウィックシュートと呼ばれるデッキは、《クラガンウィックの死体焼却者》(以下クラガン)で、超大型クリーチャー(例:《動じない大ワーム》《引き裂かれし永劫、エムラクール》など、以下砲弾と呼ぶ)を手札から捨てて、相手に大ダメージを与えて勝つというコンセプトのデッキです。
※与えるダメージは捨てたクリーチャーのパワー分。クリーチャー以外を捨てたら当然0点。大ワームなら16点!
 しかしこのクラガン本人がなかなかクセが非常に強く、出た時に強制的に、自分の手札をランダム捨てなければならないのです。当然手札が大当たりだけだったり、1枚だけなら確定で大ダメージを与えられるので、基本的にはそれを目指します。


2.クラガンの使い方

A.クラガンでの勝ち方

 上記の通りクラガンは基本的に自分の手札をランダムで捨てやがるデメリット付きクリーチャーなので、慎重に扱う必要があります。少なくともなんとなくで出していいクリーチャーではありません。
 どうせならコンセプト通りクラガンを出してそのまま即勝利したいので、タイミングを見計らいつつ以下の準備をします。
⑴相手のライフを15~16点以下にする。
⑵手札をクラガン1枚砲弾だけの手札にする。(いわゆる確定シュートの手札にする)
 それぞれの準備の仕方ですが、⑴は簡単で、クリーチャーで攻撃したり稲妻で削ったりですね。また相手のフェッチやショックランドなどで勝手に砲弾の間合いになることもあります。
 問題なのは⑵で、コストが重いカードを重ね引きしたら⑵を満たすには時間がかかりますし、そもそもクラガンを重ね引きしたら⑵をまず満たせません。なんだったらせっかく手札を消費して⑵の手札にしても、トップのカードが重かったら確定シュートにもう1ターンかかります。その次に引いてもまた然り。場合によってはいつまで経っても確定シュートできないこともあります。ホントなんなんですかねこのくそカードは
 というわけなので⑵を満たすためには自分で不要牌を捨てる手段が必要です。主に採用実績があるのは《獣相のシャーマン》や《激情》など。これらとセットで確定シュートを狙っていきます。

B.強いクラガンと弱いクラガン

 私は、クラガンは自分の手札状況もそうですが、盤面や相手に応じて強くも弱くもなると思っています。自分の手札状況については先述した通りで、砲弾とセットでないクラガンは言うまでなくゴミ(砲弾もまた然り)です。両者とも相方に非常に依存しあってるわけですね。気持ち悪いですね。そんなゴミにも状況によっては使い道があるのですが、それはまた後程。
 さて、私が語りたいのは後者の盤面や相手に応じたクラガンの強さでして、その強さに応じて確定シュートを待ったり不確定でもクラガンを投げたりします。その強さは主に4パターンに別れていると思っています。

a.負け試合をちゃぶ台返しするクラガン

 私はこのクラガンが一番強いと感じています。どんなに相手の盤面が強かろうが、次の相手のターンでの負けが確定していようが、先述の⑴さえ満たしていればクラガンを出すだけで逆転勝利できるわけです。こんな熱い、強いカードはなかなかありません。しかもクラガンは特性上、自分の盤面に何か必要なわけではなく、手札だけで完結しているコンボなので、手札さえ揃っていれば盤面を完全に無視できます。
 また、盤面だけでなく、相手がコンボデッキだった場合も同様です。相手のコンボで負ける一歩手前であっても、クラガンなら明確な勝ち手段として機能します。
 当然ゲームに勝つために、負け試合は逆転したいので、その可能性はどんなに低くても0%でないなら手を尽くす必要があります。即ち、このクラガンは他に逆転の手立てがないなら不確定でもぶん投げます
 外れてもどのみち負け試合なわけですし、そこまで痛くありません。逆に当たりを引けば文字通り負け試合をちゃぶ台返しして逆転勝利になるのですから、こんな都合の良い賭けはありません。
 なお、相手が明確にクラガン以上の高速コンボだった場合は、サイドカードに潔く頼りましょう。ただ、相手も対策の対策はしてくるはずなので、こちらが妨害していてもだらだらとゲームが進行すればいずれ相手に逆転されかねません。よって、タイミングを見計らって不確定であってもぶん投げる場合があります。
 また、このクラガンは⑴を満たしていることが前提なので、相手のライフが17以上の場合は機能しません。相手がライフゲインを得意としているなら、回復される前にクラガンを投げるか、回復量以上の火力をデッキに投入する必要があるでしょう。

b.有利な状況の保険としてのクラガン

 クラガン以外の手段(他のクリーチャーや火力)によって有利な状況の時、当然警戒すべきは相手の逆転要素です。例えば、全除去やよりデカいクリーチャーなど。それらへの切り返しとしてクラガンは優秀です。相手は此方のクラガン以外の要素にリソースを使っているのでシュートを通しやすく、メインなら警戒もされにくいでしょう。アグロやバーン戦略に続くサブプランとして手札で準備しておき、相手が隙を見せたら容赦無くぶん投げます。
 ただし、切り返し手段である以上、その隙をついて勝てなければ意味がありません。よって、このクラガンは基本的に確定シュートを狙います。正確には、相手が隙を見せそうなタイミングを見計らい、その隙の時点で確定シュートができるように手札を調整します。理想は、相手が隙を作ってくれるようにこちらがクラガン以外の要素で誘導することです。
 故に、この場合はクラガン以外の有効牌を切る順番は非常に重要です。クラガンデッキにおいて一番プレイングが難しいのはこの場合かもしれません。a.の時と逆でこちらが勝ち試合を逃す可能性があるので、これをミスると結構精神的に堪えます。
 よくあるパターンで、相手が隙を見せた時点でこちらが不確定の手札だった場合は、相手によって変わります。打ち消しやハンデス、コンボを相手が有しているなら不確定でもその隙に投げます。それらがないビートダウンなどなら、相手が再展開してきたタイミングまで待つこともあります。ここは再展開の脅威度によって変わってきます。

c.メインプランのクラガン

 Aにて先述した通り、クラガンはコンボとしての強度は非常に脆弱です。あまりにも⑵の条件が重くのしかかります。普通のコンボデッキならコンボパーツを揃えたら勝てるはずなのに、クラガンの場合はデッキトップ次第で運ゲーになるとか、コンボ舐めてんのとしか言いようがありません。
 デッキ内のコストを軽くするのも手ですが、それにも限界がありますし、そもそもクラガン自身が4マナと軽くない上に2枚目引いたらダメ、トップ次第で50%以上で失敗するとかクラガン知らないコンボ使いが聞いたら発狂もんでしょう。
 クラガンはデッキ名にこそなっていますが、クラガンに依存するのは上記の理由から私は好みではありません。あれ、クラガン要らなくね?
 まあ、クラガンをメイン運用する場合は、当然確定シュートまでとことん待ちます。なんせクラガン以外で勝ち手段がないなら、確定シュートしなきゃ勝てませんからね。
 なお、この場合はさらに⑴の条件も結構響いてきます。相手にちょっと回復されるだけで計算が狂いに狂って卒倒するレベルです。初手や相手次第では前提の4~5点削るのも一苦労かもしれません。3,4ターン目に⑵を満たしたけど、相手のライフが20点のままとか数えきれないほど経験してきました。
 そもそもクラガンコンボには致命的欠陥がありまして、コンボパーツは手札2枚で完結しているものの、コンボしてもあくまで最大16点ダメージ与えるだけで、他のコンボテッキと異なり無条件で勝利できるコンボではありません。⑴がある故にアグロや火力との併用を強要され、それらを妨害されると勝利できるコンボではなくなってしまいます。そういう意味でもクラガンはコンボとして脆弱と言えます。セラのアバターシュートなら話は別ですが
 私がクラガンをコンボとして見る際に上記のように考えるようになったのはちょうど昨年末から年明けにかけてなんですが、この話は後程。

d.砲弾がない時のクラガン

 先述した通りゴミです。強制的に手札をランダムに捨てるという字面通りの強烈なデメリットが自分に襲い掛かります。 有効牌捨てて手札に土地だけが残ったとか何回経験したことやら。
 今一度クラガンのテキストを再確認しますが、コスト参照ではなくパワー参照です。すなわち、クリーチャー以外の有効牌を捨てるクラガンはもはやゴミ未満です。間違っても手札にクリーチャー以外の有効牌しかない状況でクラガンを出すのは絶対に止めましょう。やっぱりクラガン要らなくね?
 そんなゴミなクラガン君ですが、極稀に輝く時があります。実はクラガンって4マナで5/4とサイズが優秀なんですよね。まあ上記の強烈なデメリットがあるからなんですが。この5/4で手札をかなぐり捨ててビートダウンする時が極稀にあります。いや、ホントですよ?まあ本当にマジで稀有なケースなんですが。
 例えば、相手に5/4を除去する手段が少なそうな時や、相手のライフが残り5点以下の時、相手の手札が0で盤面で有利をとりたい時など。
 今でも覚えている約半年前に実際に合ったケースの話ですが、相手はジェスカイデルバー、メインを確定シュートで取ったサイド後。うっかり置物破壊をサイドインし忘れ相手はゲーム開始時《神聖の力線》を設置。序盤は相手のデルバーやアルカニストを除去してお互い盤面0の5ターン目、手札はクラガン2枚と土地2枚。上記の通りゴミな手札ですね。しかも力線を置かれているので相手を対象に取れず、出すなら自分自身を対象に取らなければいけません。相手のライフは15点。
 私はここでクラガンを出しました。2/3でもう1枚のクラガンが残り、あわよくばクラガン2枚でビートダウンできると踏んだからです。クラガンは結果もう1枚のクラガンを捨てやがり、自分に5点飛ばしてきやがりました。手札に残ったのは土地2枚。ゴミ未満といわず何と言えばいいのでしょう。
 しかしこのクラガン、ゲームが終わるまで除去されることはありませんでした。相手は後引きのデルバーやアルカニストをチャンプブロックに回さざるを得ず、このクラガンが5回殴っただけでゲームが終わりました
 こんな感じでクラガンが殴りきることも極稀なケースですがあり得ます。体感5%ぐらいといったところでしょうか。可能性が0ではないということだけ覚えていただけたら幸いです。ですが、基本的にやはり砲弾を引くまで待ちましょう


3.クラガンをデッキへ昇華させるために

C.クラガンのデッキ基盤

 ここまでクラガン自身の事だけしか語ってきませんでしたが、ここでは1.と2.で先述したクラガンの性質をもとに、デッキとしての形について語っていきます。
 まず必要なのは土地とクラガン4枚と砲弾。砲弾の枚数は個人の好みやクラガンコンボの優先度によって変わってきますが、私は4枚以外試したことがありません。3枚の方がいいとか、5枚目以降も欲しいなど意見がありましたら今後参考にさせていただきます。
 土地はおおむね23枚前後で私は回しています。マナクリの採用などによって土地の枚数は変わってきますが、クラガンコンボの性質上、トップが土地なら確定シュートということが多いので、土地は気持ち多めでもいいのかもしれません。ただし、手札に土地が2枚以上あると確定シュートがその分遠のくので、多すぎるのも問題です。手札から土地を捨てる手段も必要になってくるでしょう。
 仮に土地23枚、クラガン4枚砲弾4枚で組むとして、残り31枚をどうするか。ここでクラガンをメインに据えるかサブプランで運用するかが変わって決ます。その前に、クラガン自身と相性の良いカードを先に紹介しましょう。《異界の進化》です。
 異界の進化によって2マナ以上のクリーチャーを生贄にすれば、山札からクラガンがすっ飛んできてシュートできるというわけです。純粋にクラガン自体の重増しになる上に、コンボできなくても相手や状況に応じた有効牌を持ってくることができます。故に進化自体はクラガンに依存してないのが評価できます。
 ただしコストとなるクリーチャーがいなければそもそも打てないので、2マナ以上(クラガンコンボがデッキトップに左右されるので低コストの2マナが理想)のクリーチャーをしっかりデッキに組み込む必要があります。すると必然とデッキタイプとしてはビートダウン(またはアグロ)として組むことになるでしょう。このビートダウンを主軸とするか、クラガンコンボを主軸とするか、ということになってきます。

D.実際のリストとチームモダン大会

私が昨年末のチームモダンに持ち込んだリスト


 さて、ご存知の通り(?)、クラガンは赤緑のビートダウン構築が主流です。理由はいくつかあるのですが、まずクラガンで赤、次に進化で緑なわけですが、この進化が緑緑を要求するので、色拘束が結構キツイです。よって3色目以降も採用するとなるとまあ色事故が多発します。ビートダウンなのにクリーチャー出せないんじゃ元も子もないので、赤緑で安定でしょう。
 また、進化と相性の良い《絡み根の霊》の存在も大きいです。不死により進化で生贄にしても損失が少なく、2マナなのでクラガンにつながります。緑緑要求ですがまあメリットの方が大きいので致し方なし(赤緑になってくんないかな)。
 さらに《月の大魔術師》も大きいです。C.にて先述したように進化先として優秀で、相手が土地コンボだったり基本土地が少ないデッキならメインから猛烈に刺さります。逆にこいつが採用できるから赤緑で落ち着いたといったところでしょうか。それくらい影響力は高いです。
 あとはA.で少し触れた2枚目のクラガンを消せる《激情》、マナクリでかつ打点を上げられる《下賤の教主》、あとは追加のヘイトクリーチャーなどをつっこんでアグロ!アグロ戦法で詰まったらクラガンをシュート!相手次第では2,3ターン目に月おいて終わり!これでいけるやろ!そんなノリでチームメイトと調整しつつチームモダンに出たわけですが・・・

E.クラガンの脆弱性と転機

 結果は惨敗。個人成績は0-4と全敗でした。相手はアミュレットタイタン、緑トロン、ボロスバーン、続唱サイでした。詳細は割愛しますが、通して私が強く実感したのはクラガンコンボの脆弱性とデッキトップの弱さでした。
 勝てる筈の確定シュートがデッキトップで歪んだり、トップがマナクリなど解決札になることが少なく、ヘイトカード多い分それが刺さらない相手にはただ腐るだけなど、能動的に強いカードが少ないと感じました。なによりも、上振れなれけばデッキトップが基本弱いと感じました。
 さらにそれに加え、MH2以降、《虹色の終焉》や《孤独》、《邪悪な熱気》など、除去が非常に強くなり、ただのアグロ戦略はだいぶ厳しいと感じました。
 それを改善するには何をすればいいか考え、辿り着いた結論は、デッキトップがただただ強いクラガンを組む、というものでした。そんなことできるのか?ただでさえ2枚目以降のクラガンや砲弾のせいでデッキトップは弱いのに?逆にそれ以外全部強いデッキを組めないものか?そのためには何が必要か?数多の疑問と淡い期待を胸に、モダンのカードプールの海に飛び込んだ年明けとなりました。
 まず必要なのは、絡み根と同じ2マナで、基本タルモのような高スタッツで、あわよくばクラガンと相性の良いアド能力付きのクリーチャーです。そんなオリカみたいなカードおるんか?いたんです。あのMH2に。《縄張り持ちのカヴー》。赤緑基盤に固執していましたが、現状打破する為にはもう固定観念に囚われてはいられません。カヴーの強みを最大限引き出せるクラガン、トライバルクラガンの構築を開始しました。



4.トライバルクラガンの構築過程

F.最初期 

 実際のところ、トライバルクラガン自体はMH2発売前後に研究されていたようです。しかし、その時点では頓挫してしまったようで、主流の赤緑に研究は移っていったようでした。
 さて、最初はトライバルズーのリストを参考に、ちあみんの枠をクラガンに、ちあみんから出て強い3マナ域を砲弾に変えて作ってみました。

1/7のリスト。クラガンの圧倒的不純物感。これクラガン要る???

 最初期のこのリスト、《部族の炎》が強かったものの、フェールス将軍とクラガンの噛み合わせがどうにもよくない。新生化も微妙。マナ基盤もテキトーで、実に貧弱なリストですね。
 ですが、ここで一つ天啓のようなものが降りてきました。トライバルズーがMH2でカヴーと同時に手に入れたもう一つの特権、《ドラコの末裔》の存在です。先ほど微妙だと言っていた新生化(あるいは異界の進化)、末裔を生贄にしたらなんでも踏み倒せるのでは???

 さすがにエムラクールは無理でした。まあこればっかりは仕方ないですね。とはいえ、この天啓は非常に大きく、ここである存在が浮上しました。《世界棘のワーム》です。
 大ワームは16という最大のパワーを持つ一方で、攻撃的な能力は持っていません。末裔進化で踏み倒しても小粒にチャンプブロックされ続けてゲームを決めてくれないのです。
 しかし、パワーが大ワームより1低いとはいえ15/15でトランプルを持っていて、疑似除去耐性もちゃんとある世界棘なら踏み倒す価値が十分にあるのでは??しかもそんなデカブツが最速3ターン目に着地できる。これはトライバルズーにも赤緑クラガンにもできない、トライバルクラガンだけの明確な強みと言えます。2018年に大ワームが出て以降、砲弾としては下位互換となりお役御免となっていた世界棘を約3年半ぶりに大抜擢。なかなかに感慨深いものがありました。

1/14のリスト。フェールス将軍を諦め、絡み根進化を入れて馴染みある感じに。オムナスはおしゃれ枠。

 このリストになって若干形が見えてきたなと感じました。ですがまだ形が見えてきただけ。次に怪しいなと感じた枠はマナクリです。
 《断片無き工作員》がある以上、2マナ以下はより強い有効牌で固めないのに、マナクリがいるのは矛盾が生じているのです。ここを除去に変えたり、工作員を出し入れしたりで試行錯誤していたのを覚えています。

G.ネオ神河発売後

3/4のリスト。サイドもそれっぽく。

 マナクリを解雇して、その4枠で他の枠を強固に。《稲妻のらせん》はその分速さに反応できるように稲妻に変更。更にこのタイミングで発売したネオ神河から、新戦力の《碑出告が全てを貪る》を採用。赤青ラガバンや、サイ、サーガ系統すべてに刺さると考え、ノリでメインに2枚つっこみました。サイドはトライバルズーで採用実績のあるカードを雑につっこんで、個人的にバーンが怖かったので《花咲く沈静》を3枚採用。ヘリックスがない分それに頼ることにしました。
 さて、実はこのリストで、3/4に晴れる屋にて3-0していました。

17時の部のリストは迷走していてあまりにも貧弱だったので省略

 この3-0は主に私自身のモチベ向上に大いに貢献しました。そしてなによりも、「トライバルクラガンは更に上を目指せるポテンシャルがある」とこの時確信を持てたのが大きかったと思います。
 その後も土地基盤やサイドを中心に調整し、メインの呪文枠はおおむねこれで固まったかなーと考えていたのですが、約半月後、ふと感じたことがありました。「トライバルクラガンだと絡み根弱くね??」約4年間クラガン進化とセットで使ってきた身としては、これを感じてしまった時とても悲しくなったのを覚えています。
 5/5カヴーや末裔を2ターン目に出すためには、1ターン目にトライオームをタップインし、2ターン目にその補完となるショックランドを置く必要があります。(例:《インダサのトライオーム》&《蒸気孔》。実際悩んだらとりあえずこの組み合わせを揃えるケースが1番多い。)一方で、絡み根は先述した通り緑緑が必要で、絶対にこの組み合わせから捻出することはできません。冷静になればもう少し早く気づけたはずなんですが、これらのクリーチャーを同時採用してること自体が大きな矛盾だったのです。
 その上、工作員から続唱で捲れたときに弱いのもありました。不死持ち速攻とはいえ、サイズが小さく、攻めに出るには心もとありません。致し方なく、絡み根は全抜きすることにしました。

3/22のリスト。絡み根の枠はラガバンと罠外しに。

 というわけで赤緑クラガンで結局使わず余っていた2枚の敏捷なこそ泥、ラガバン》を採用。トライオームのタップインや、2マナ以上が殆どということもあり動きがもっさりした感じなので、くそ猿ラガバンが出してくれる宝物は地味に重要です。1ターン目蒸気孔→ラガバン、2ターン目インダサタップイン→宝物で緑&蒸気孔で赤→5/5カヴーはこのデッキのドブンパターンの一つです。また、この宝物のマナ加速によってコンボ相手にクラガンシュートが間に合うこともたまにあります。なお、これ以上は高くて買いたくない工作員で捲れると絡み根同様そこまで強くないので2枚程度に抑えています。
 そして絡み根から空いたもう2枠で採用したのが《辺境地の罠外し》。こちらはトライバルズーでメイン採用のリストを見かけたので入れてみました。メイン戦で出てくる月や海、サーガを割ったりと、弱点や相手のドブンをケアしてくれます。昼夜ギミックがうまく機能すれば裏面で攻撃しながら置物を割ることもできます。サイズは絡み根同様小さいですがそこはご愛嬌ということで。
 また、このタイミングで《耐え抜くもの、母聖樹》が手に入ったのでこちらもメインにお守り枠で投入。罠外し同様置物対策できるだけでなく、土地破壊もできる上に起動能力なので基本打ち消されません。コンボ相手にここぞという時に来て助けてくれます。偶になぜか緑トロン相手に土地破壊できるのを忘れる(1敗)
 これ以降はこのリストをベースに2-1と1-2を繰り返し、試行錯誤しつつも特に大きな変更点はありませんでした。

H.モダン神直前①

 4月末、オムナスピン積みはやはり弱いという結論に。状況次第で早期から盤面へ干渉でき、2.A の最後で述べたように2枚目のクラガンを弾ける激情を採用。
 また、沈静もバーン相手の為だけにサイドで3枠とるのに限界を感じ、激情を採用したこともあり、稲妻をヘリックスへ戻し、沈静は全抜きしました。バーンに当たったらメインのヘリックスとサイドの3テフェでお祈りうまく立ち回ろうということで。

5/2のリスト。サイドあと2枠で完成といったところ。アショクはオシャレ枠。

 1枚だけ積まれている《エラダムリーの呼び声》はコンボパーツや激情を持ってこれるオシャレ枠。工作員は基本カヴーや火力を捲ってアド取り要因として機能しますが、これが捲れた場合はサーチによりクラガンコンボに参加できます。これがまともに機能したの1回しかないから抜けるかも 
 メイン構築で意識したのは、よほど環境にブッ刺さるサイドカードじゃない限り、メインにサイドカードは入れず、カードパワーを重視したことですね。それを軸に調整過程で罠外しは抜けていきました。碑出告はサイド的なカードですが、先述した通り環境に刺さると考えたのでメインに入れたままです。
 さてここらでサイドをどうするか、モダン神では何に当たるかを想像し、まず優先するべきは墓地対策だろうと考えました。赤青ラガバン、リビングエンドなどの環境トップに刺さり、またエスパーリアニやホロウヴァイン、ドレッジなども愛用者が多そうだと感じたからです。よって《安らかなる眠り》を2→3へ増量。
 次に多そうだと思ったのはカスケードクラッシュと呼ばれる続唱デッキ。また青白コントロールも重く見て、それらに刺さる《時を解す者、テフェリー》を3枚。リビングエンドにも刺さりますし。
 後はサーガ系や石鍛冶系、月を見れる《活性の力》、アミュレットタイタンや緑トロン、サーガを見れる《高山の月》を2枚ずつ採用。これらは環境次第で増減しつつもほぼ固定枠としました。
 ここで問題だったのが、墓地対策を乗り越えてきた《濁浪の執政》を除去する手段がなかったことです。そこで無条件でクリーチャーを処理できる《流刑への道》を2枚採用。またアグロや部族デッキにもサイドインできるので全然アリだろうということで固定枠。

I.モダン神直前②

 さて5/3、17時の部で1-2し、ここでお相手から《ヴェクの聖別者》と《飢餓の潮流、グリスト》、という知見を得ました。聖別者は赤青ラガバンに刺さりかつ《否定の力》に引っかからないので優秀とのこと。グリストはジャンドや死の影など黒いデッキに強いからとオススメされました。試しに両方採用し、更に続唱への対策として《虚空の杯》を投入。
 その後の20時の部、RIPを聖別者、アショクをグリストに変更したリストで3-0。この時に確信しました。少なくとも現時点でベストに最も近いのはこのリストだと。ただその後、墓地対策全部が聖別者だとリビングエンドから出てくる青生物が止められないので、うち1枚をRIPに戻しました。
 モダン神の連戦に少しでも耐性をつけるために、前日のレッツゴーモダンに参加。その結果4-1までできました。最後はプレミしなければ1/2シュートが間に合っていたので、ワンチャンってところでした。

 激情ヘリックス体制に変えてから成績は1-2、3-0、4-1。懸念していたバーン相手もヘリックス2枚捲ればおおむね勝てる感じでした。ということでこのリストでいざモダン神へ。

5.モダン神と今後


 結果は冒頭で述べた通り12位。この機会にクラガンをなんとしてもリスト入りまで持っていきたかったので、この結果には大満足です。また、7-2は他に経験したTCGを含めても最高の成績だったのでとても嬉しかったです。
 モダン神の細かい対戦内容は印象に残ったもの以外はもう覚えてないので、覚えてる部分だけハイライト的に綴ろうと思います。
 4戦目:青黒テゼレッター。メイン戦、土地3末裔2クラガンワームでキープし、相手の1ターン目のコジ審をスカす。
 6戦目:リビングエンド。サイド後、次のターンで確定シュートしようとしたらリビングエンド→悲嘆でクラガンをハンデスされ、返しのトップでクラガンツモ。
 8戦目:リビングエンド。サイド後、クラガン3枚の手札をカヴーでルーティングしたら4枚目を引き、次の此方の戦闘フェイズでリビングエンド→墓地のクラガンでクラガンを捨て5点、第2メインで手札のクラガンから4枚目を捨て5点で残り8点を削り切り。
 特に覚えてるのはこんな所ですかね。さて次はリストについて細かい部分でも。

J.土地基盤と基本的な動き 

 土地基盤ですが、フェッチは分かりやすく3種4枚ずつで12枚。基本土地タイプ5種揃えるための組み合わせは、先述のインダサ蒸気孔とラウグリン草むした墓を採用。カヴーと工作員に必要な色を2枚だけで供給できるからですね。これら4種の土地に加え、基本土地枠の森と山のうち、片方あるいは両方サーチできるフェッチということで、まず赤緑、4種と山の赤黒、4種と森の青緑を4枚ずつ採用。赤白白緑のショックランドは、白白を要求する聖別者などの白多めなサイドのために採用してしています。
 また、3テフェを出すために、その分青が必要なので蒸気孔だけ2枚。繁殖池でもいいですが、クラガンの赤赤も出しやすくするためですね。森は母聖樹用、山はクラガン用&バーン相手のヘリックスのショックインしない赤供給用です。
 基本は2ターン目5/5カヴーや末裔から動き、カヴーなら2枚目のクラガンなど不要牌を捨てて有効牌を探しつつビートします。一方コスト参照除去などで処理されやすいので、そんな時は末裔が輝きます。飛行4/4が純粋に強いです。たまに世界棘になったりもします。3ターン目進化を狙うなら緑緑が必要なので、そこだけ注意ですね。
 肝心のクラガンは基本添えるだけです。2.a,bを意識して、トライバルズーの動きで相手に圧力をかけ、その動きでは間に合わなかったり、捌かれたりした時にクラガンにお呼びがかかります。また、確定シュートかつ相手が隙を見せたら勿論ぶん投げます。
 あとは先述の2.a~dを意識しつつ、順番にカードをプレイしていくだけです。クラガンの不確定シュートを投げるタイミングはいつも悩みます。ここは先述したように相手のデッキや状況で常にベストタイミングが変化するので、クラガンの経験を積む必要があります。クラガンの経験ってなんだよ

K.改善点

 さて、このリストの改善点ですが、まあ月への意識はだいぶ低いので、《自然のままに》か《摩耗+損耗》が欲しいですね。活性の力は素打ちしづらいですし。前者は工作員から捲れますが、後者は捲れません。個人的には森から打てるので前者にしたいですが、まあここは好みです。あと追加の母聖樹もアリですね。
 あとはチャリスが何とも微妙でした。この枠で更に墓地対策を濃くする感じで良さそうです。RIP2聖別者2とかですかね。
 また、相変わらず土地コンボもきついので、追加の母聖樹や高山の月は検討したいところです。腐ったらカヴーで捨てればいいですし。
 グリストはまだ出したことないので何とも言えません。抜けるかもしれませんが、今後に期待ということで。
 メインの改善点ですと、3テフェを2枚ほどメインに移してもいいと考えています。その場合、枠は先述したエラダムリーの呼び声や、碑出告あたりでしょうか。碑出告はメインサイド合わせて2枚は現環境なら欲しいところですね。碑出告がサイドに移る場合、メインで1枚で複数枚対処できるカードが減るため、激情を1枚増やしてもいいかもしれません。
 また、土地基盤も少し手を加えて、ラウグリンを《ザンダーの居室》に変更し、その分フェッチも赤黒から赤白へ変えることで、2枚で青白出すことができます。変わらず赤緑と青緑は揃うので、理想の土地基盤はこうなりそうです。ただし、その分沼は薄くなるのですが、まだそれについて結論が出てないのでそれは追々。
 また、構築過程を見るに、オシャレ枠で1枚だけ入れたカード達は軒並み抜けているので、ピン積みはあまりせず、複数枚積んで安定性を高めた方が有意義かなと感じています。

6.終わりに

 晴れる屋さんではクラガンがサムネになったりそこそこインパクトがあったようでなによりです。頑張って約4か月苦心した甲斐がありました。トライバルクラガンもそうですが、これをきっかけに今後クラガンユーザーが増えてくれるようならいちクラガン信者としてこれほど嬉しいものはありません。
 クラガンはなによりも使ってて楽しいカードです。確定シュートも楽しいですが、不確定シュートはそれ以上にスリリングで、それで勝ったときは言い表せない爽快感があります。触れたことがない人が殆どだと思いますが、この機会にぜひ。
 また、晴れる屋さんではデッキ作成ツールが新しく実装されたそうです。よろしければ皆さんのクラガンを拝見し、参考にしたいと思います。私の現在のリストはこちらに貼っておきます。

 対戦していただいた方々、アドバイスをくれた方々、クラガンについて発信してくれている先輩方、稚拙な長文にも関わらずここまで読んでくれた方々、本当にありがとうございました。それでは、またの機会に。

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