理科大の歩き方【2024年度版】
東京理科大の新入生の皆さん、合格おめでとうございます。東京理科大学工学部情報工学科、新3年のゼラニウムと申します。今回は新入生の方に向けてnoteを書こうと思います。暇つぶしに読んでいってください。なお、去年も同じようなnoteを書いていますが、こちらの方が情報が新しいので、ぜひこちらをお読みください。決して内容が使い回しだからとかそんな理由じゃありません。尚、私は部活動やサークルに未加盟なため、勧誘などの要素は一切ありません。
自己紹介
軽く自分語り自己紹介をしておきます。興味なければ読み飛ばしてください。
私ゼラニウムは東京理科大学工学部情報工学科の新3年生です。1〜2年生で「優れた成績を修得した学生(後述)」となる成績を維持しています。趣味はドラゴンクエスト10オンラインなどなど。
何か聞きたいことがあればマシュマロにどうぞ。履修相談などもDMでよければお受けします。
東京理科大とは?
東京理科大学は、1881年創立の東京物理学校を前身とする大学で、日本最古の私立大学とも呼ばれています。この物理学校は夏目漱石の『坊つちやん』にも出てくるくらい有名なものだとか。現代においても最難関私立大学群の「早慶上理」の「理」を担うくらいには良い大学です。早慶上智?ちょっとなに言ってるかよく分からない。
世間的には、留年をしやすい大学というイメージが強いと思いますが、後述する関門科目の制度などにより、他大学よりも進級しにくいというのは確かにあります。ただし、大学生活が大変な分、就職は鬼強いので、卒業できるように頑張りましょう。
部活動やサークルなどの課外活動も豊富にあります。課外活動については、4月の入学式前に新入生向けのサークルの説明会があるので、興味ある人は行ってみてください。キャンパスによってはホールでの発表もあり、行くだけでも楽しめると思います。あまりサークルなどに入る気がない人もいるとは思いますが、最初から「自分は入らない!」ち決めるのではなく、とりあえず説明会や新歓などに行ってみて、それから決めた方が良いと思います。
理科大の基礎知識1:略称
ここからは、新しく理科大生になる皆さんが知っておくと良い知識を思いつく限りまとめておきます。
1つ目は「略称」です。大学や学科の略称のお話ですね。これは主にインスタグラムでかっこつけたプロフィールを書くのに必要になりますので、ぜひ覚えましょう。
まず、「東京理科大学」ですが、英語で“Tokyo University of Science”と書き、一般的な略称は“TUS”となります。
次に学科ですが、以下のようになっています。
表1:学科の略称一覧
注1:[]内の名称は2022年度まで用いられていたものです。ちなみに、理科大では学科などの名称が変わったり学科のキャンパスが変わることはしょっちゅうありますが、あんまり気にしなくていいと思います。沿革が気になる方はwikipediaを見てみてください。
注2:基本的に略称及び由来の部分は2022年度まで用いられていたものです。黄色の塗りつぶしは、学科名の変更に伴い、英語の名称も変更される予定の学科を示しています。そのため、これらの学科は略称が変わる可能性があります。
注3:青色の塗りつぶしは、2023年度に新しくできた学科であることを示しています。そのため、これらの学科は略称が確立していません。おそらくこうなるだろうという予想を込めて「?」込みで書いておりますが、正しい情報ではないということを留意してください。
注4:応用物理学科は、2022年度入学者を最後に学生募集を停止しており、2023年度に先進工学部物理工学科として改組しました。ただし、2022年度入学者までは、卒業まで理学部第一部応用物理学科所属となります。ややこしいですね。
以上が学科の略称に関する説明となります。理学部で学科の略称の由来が"Sugaku"や"Butsuri"など日本語になっていますが、これは創域理工学部が理工学部だった時代に、理学部第一部と理工学部で名前がかぶっていたことの名残ですね。2つの学科を区別するために、理学部では日本語、理工学部では英語の名称を由来にしよう、という意図があったのかもしれません。しかし、この度、理工学部の学科の名称が変更することになったので、今後入学する人は「なんで理学部の由来は日本語なの?」と疑問を抱えたまま大学生活を過ごすこととなるでしょう。そんな新入生を見かけたら、このnoteを読んだあなたがドヤ顔で教えてあげてください。
理科大の基礎知識2:関門科目
2つ目は「関門科目」についてです。理科大といえば関門科目。めっちゃ簡単に言うと、「最低限この科目だけは単位取ってね、さもないと進級できないよ」って制度ですね。ここでの「進級できないよ」というのは、1年から2年へ進級するときと、3年から4年へ進級するときのお話です。
こればっかりは実物を見てもらった方が早いと思うので、本学工学部『学習簿』より、I科の進級要件に関する説明を引用します。全部読まなくてもいいので、雰囲気だけつかんでいただければ幸いです。それではどうぞ。
注1:科目名の「~1」や「~a」は前期、「~2」や「~b」は後期に履修する科目であることを示しています。
注2:進級要件に関わる科目や取得すべき単位数は学科によって異なります。必ず各学部の『学習簿』をご確認ください。
つまりどういうことだってばよ?順に説明します。
まず2年進級要件についてですが、これは見ていただければ大体わかるかと思います。めっちゃ簡単に言うと、
って感じです。つまり、他で何単位取っていようが、関門科目を局所的に落としてしまうと留年が決まってしまうということです。恐ろしいですね。でもそれが理科大。
次に4年進級要件についてですが、かなり複雑ですね。2年進級要件のように「この科目をピンポイントで取れ」というのもあれば、「この科目群の中からこれ以上取れ」というものもあります。特に④⑤⑥の要件は、自分の修得した科目とその単位数を把握しておかないと、いずれかが漏れてしまうということがありそうで怖いですね。気を付けましょう。
以上が理科大の卒業要件についての話です。他の大学とどう違うの?と思われた方向けに説明しておくと、多くの大学は「最低取得単位数」が足りないと留年になる(=科目は気にせず単位さえ取れれば何とかなる)のに対し、理科大は「特定の数科目を習得できなければ即留年になる」(=他でどれだけ単位を取っていても特定の数科目を落とすと留年が決まる)という違いがあります。こうして書くと、いかに恐ろしい大学かが分かりますね。
言うまでもないですが、卒業要件に関わる関門科目の修得は他の科目に比べて難しいです。しかし、専門的な学問に携わるには重要な科目であるのは間違いないので、進級のためはもちろん、今後の自分の学習のためにも頑張りましょう。
理科大の基礎知識3:GPA(Grade Point Average)
3つ目は”GPA”という、大学の成績を表す指標についてです。大学によって計算方法が異なりますのでご注意ください。ここでは「理科大におけるGPA」について解説します。少々小難しい説明になりますがお付き合いください。
GPAについて説明する前に、理科大における科目修得の仕組みについて説明します。
大学の科目は、それぞれに「単位数」という1~4の自然数が割り当てられています。そして、ある科目で60点以上の評価点数(科目により判断基準は異なる)を取ったときに、「合格(=その科目を修得した)」になり、修得した科目の単位数分の単位を得ることができます。ちなみに60点未満だった場合は「不合格」になり、単位は得られません。また、科目ごとに取得した点数に応じてGradeという数値が決まります。60点以上70点未満が1.0(C)、70点以上80点未満が2.0(B)、80点以上90点未満が3.0(A)、90点以上が4.0(S)、です。これにより修得した科目の成績が評価されるわけですね。ちなみに不合格だった場合、Gradeは0.0(D)です。
次に、GPAについて説明します。一言で言うと、「単位数を加味した全科目のGradeの加重平均」ですね。わかりやすく数式で書くと以下のようになります。
こんな感じですね。以下具体例を示します。
単位数3の科目XでGrade4.0(S),単位数2の科目YでGrade3.0(A), 単位数1の科目ZでGrade2.0(B),を取得した場合、GPAは以下のようになります。
こんな感じです(GPAは小数第3位を四捨五入します)。実際は取得する科目数はもっと多くなりますので、自分で計算する場合はExcelなどで計算することになると思います。履修登録時にGPAの目標を決めたいときは、ぜひ上記の計算方法を試してみてください。
ここまでGPAについて長々とお話してきました。ここで、皆さんは「GPAって結局何の役に立つの?」という疑問をお持ちかと思います。結論から言うと、GPAが一定以上高くなると、年間に修得可能な単位数の上限を解放できます。具体的には、GPAが3.5以上になると、東京理科大では「優れた成績を修得した学生」となり、1年間の単位修得の上限が49単位から55単位へと解放されます。1,2年次でできる限り単位を修得し、3,4年の時間割をスカスカにしたい、とお思いの方にはうってつけの制度ですね。ちなみに、私は1年前期でGPA3.63になり、単位上限を解放できましたが、希望した科目の抽選に外れまくり、結局49単位しか取れませんでした。なんでやねん。
とはいえ、実用的なのはこれくらいです。あとはSplatoonのXPみたいに、Twitterのプロフィールに書いて自慢するくらいしか用途がありません。そのため、そこまでこだわらなくてもいいかもしれませんね。もし先輩に履修相談する機会があったら、GPAを聞いてみて、ちゃんと勉強している人かどうかを判断する、みたいなことには使えるかもしれません。他の人がどれくらいなのか分からないので正確なことは言えませんが、3以上あれば勉強については信用できるのではないかと思います。
理科大の基礎知識4:基本単語
ここからは、理科大生が知っておくべき基本単語についてまとめておきます。私自身の体験談なども交えつつ話していきたいと思います。
綾瀬トラップ
東京メトロ千代田線から葛飾キャンパス最寄りの金町駅を目指す理科大生に襲い掛かる巧妙な罠。千代田線側から金町駅方面へは「綾瀬行き」「北綾瀬行き」「我孫子行き」などの電車が出ているが、このうち「綾瀬行き」「北綾瀬行き」に乗ってしまうと金町駅にたどり着けない。このことを綾瀬トラップという。
路線図を見ていただければわかるように、綾瀬行きは金町駅の手前で止まってしまい、北綾瀬行きに至っては違う路線に侵入してしまう。テスト直前などに引っかかってしまわないよう、「綾瀬」のつく行先の電車は避けよう。ちなみに私は冬休み直後のテスト直前に1回引っかかりました。
長期休み明けはマジで注意!
ピ逃げ
教室のスキャナーに学生証をタッチして出席扱いにしたあと、講義を受けずに退出すること。割とほかの大学でも使われている用語である。
ちなみに理科大では、講義中90分間とその直前の休み時間の10分間の間、学生証をタッチすることで出席判定になる。そのため、休み時間が始まってすぐタッチして脱走すれば、教授に見られるリスクが低いのでオススメ。やる場合は自己責任でどうぞ。
※私はやったことありません。
【2024版追記】2023年度より、東京理科大は学生証タッチによる出席登録を廃止しております。そのためピ逃げができなくなりました。なお、新しい出席登録システムは「教授が講義中に4桁の番号を提示し、それをClass(後述)上で入力する」というものになっています。Classは学外からも普通にアクセスできるため、講義に出ている友人に番号を聞くことさえできれば世界中どこからでも出席登録が可能…と思われていたのですが、どうやら教授側には「講義中の教室内で入力されているかどうか」を知る術があるようです(とある理科大生のツイートで発覚)。ではVPN接続の状態でClassにアクセスしてはどうか…など様々な試みがされているようですが、まあ、はい、講義にちゃんと出ましょう。
学習簿・履修の手引き
聖書。先述の卒業要件を含め、理科大生が卒業するために必要なことがすべて載っている。ちなみに学習簿は冊子で配られるが、履修の手引きは電子版のみなので注意。これらを熟読することが新入生が春休みにやるべきことだが、ことあるごとに一方が他方を参照するため、読むのが非常に面倒である。マジで一つにまとめてほしい。マジで。
コピペ
重犯罪。レポートなどで他者の書いたものを自分で書いたものとして提出すること。正式には「剽窃」と言うらしいです。
ちなみに情報工学科のデータ関連の講義でレポート課題を出された際、先生から以下のようなお言葉があった。
非常に怖い。
コピペはバレたら本当にシャレにならないので、絶対にやめましょう。バレなくてもダメです。絶対にですよ。
Class・Letus
授業と野菜。本学の学生・教員が利用するサイト。Classは
“Campus Life Assist System”、Letusは“Leaning Environment for TUS”の略。主にClassで履修登録や成績照会を行い、Letusで授業資料の閲覧や課題の提出を行う。
ちなみにLetusの課題提出については1つ注意点がある。提出期限が「2月28日23時59分」となっている場合、これを一瞬でも過ぎたら期限切れになるという点である。初見では「59分59秒まで大丈夫だろw」と思い込んでしまう人もいるため、注意が必要である。教授によっては期限を過ぎた瞬間提出を受け付けなくなる設定にしている方もいるため、本当に気を付けよう。
上の画像はLetusの課題提出画面である。「終了日時」が課題の提出期限、「最終更新日時」が自分が最後に課題を提出した時間を表す。「終了日時」が「23時59分」となっているため、「23時58分59秒」まではセーフである。この画像は実際に23時58分59秒に提出した時のもの。「残り時間」がすべてを物語っている。
新入生のすべきこと
ここからは、新入生が入学までの間及び入学直後にすべきことをまとめておきます。
TOEICの勉強
入学一発目にTOEIC-IPテストというものを全員受験します。3月暇でやることがないのであれば、少しでも勉強しておくことをお勧めします。一定以上点を取れば、英語科目が免除になるかも…?
高速で情報処理をしないといけないという意味では、共通テストの英語に通ずるものがあるので、受験の感覚を失わないよう、少しでも英語の勉強を続けて、4月に高得点を狙ってみてください。書店に行けば参考書は無数にあると思うので、好きなもので勉強すると良いかと思います。
なお、3年生も同様のテストを受ける義務があるため、自分も泣く泣く勉強する予定です。お互い頑張りましょう!
友人作り
ほとんどの人は友人が欲しい側の人間だと思いますが、心配しなくても自然にできると思います。入学して最初の方で「キャリアデザイン」的な講義があり、グループでの発表などをする機会があるので、そのような機会を機に知り合いを増やせると良いのではないでしょうか。
また、これを見ているということはXをやっている方がほとんどだと思います。心に余裕があれば、ぜひ新入生同士で繋がってみてください。入学式前に何度か学校に行く機会があるので、その時にエンカしてみるのも良いと思います。葛飾キャンパスの話ですが、近くにサイゼリアや回転寿司もあるので、仲良くなった人たちと行くのもよいかもしれません。
履修登録・教科書購入
履修登録はClassで行います。先述の学習簿・履修の手引きを熟読して、取るべき科目の登録をしましょう。最初に必修をすべて登録した後に、余裕がある時間を一般教養で埋める、という順序がおすすめです。ちなみにLetusでも「コース登録」的なものがありますが、これを行っただけでは履修登録をしたことにならないため要注意。必ずClassで登録しましょう。
登録出来たら教科書の予約を行いますが、ここでも注意点があります。必修科目の教科書はできるだけ早く購入した方が良いですが、一般教養の教科書は履修が確定するまで購入しない方が良いです。というのも、一般教養科目は抽選によって履修者を決定する科目もあるため、教科書を早めに買ってしまっても、抽選に外れて履修できないという事態になる可能性があります(2敗)。教科書を予約する際は以上の点に気を付けてください。
終わりに
長々とお付き合いいただきありがとうございました。理科大生として生活を始められる新入生の皆さんの一助となれば幸いです。質問などありましたら質問箱に遠慮なくご投稿ください。また、履修相談などありましたら、私でよければ乗りますので、DMの方までどうぞ。
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以上です。ありがとうございました。
TUS-I科新3年 ゼラニウム
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