【働くおじさん2014】第2回「シャンプーの箱詰め(その1)」

みなさん、ごきげんよう。佐々木宏人です。

先ほど第1回を書き上げたばかりですが、すぐに第2回も書いておきます。歳を取って物忘れが上手になってきたので記憶が鮮明なうちに。

2回目のバイトはシャンプーの箱詰めです。実はこちらが本命でして、前回の中古本のピッキングはこれに応募して落ちた代わりに勧められたものでした。とは言っても、べつに仕事内容に興味があったわけではなく(求人情報には「ギフト商品の箱詰め」と書いてあるだけで商品が何かまでは分かりません)、ただ単に自宅から行きやすい場所にあるというだけの理由です。求人情報にある大まかな駅からの行き方で予測した場所でずばり正解でした。

そんないい加減な動機で志望したバイトでしたが、早起きしてちゃんと堅気の人が通勤する時間帯にバスに乗って向かいましたよ。ちなみにバスは駅と逆方向で空いていてよかったです。こっち方面は実は初めて乗りました。いつも自分の車で通る道で前日も通ったばかりだったので、新鮮味はなかったですが…。あっ、関係ないですがバスってあまり乗り慣れていなくて運賃の支払いに緊張するのですが、今はSuicaが使えるんで楽でいいですね。夏帆に感謝です(関係ない)。

予定時間よりかなり早く到着すると、集合場所に指定された休憩所にはすでに人が集まっていました。みんなせっかちですね。すぐにジャンパーと帽子と手袋を渡されて着替えました。みんなで同じ格好をしていると一体感がありますし、これから工場で働くという気持ちが高まっていいですね。今回はとくに事前説明もなく、適当に二人ずつ呼ばれていきなりベルトコンベヤーの前に立たされました。これがいわゆるラインってやつですね。テレビで見たことあります!

自分の持ち場は計測器の前で、流れてきた段ボール箱に最後の箱詰めをして重量を計測し、許容誤差の範囲内であれば自動梱包機に送り込むという作業でした。一目見てこれは簡単だと思ったのですが、浅はかでした。計測器のレスポンスがあまりよくなくて少し時間がかかる上に、梱包機に入れるのも少し力が必要でなかなかすんなりとは入ってくれません。それなのに隣の、たぶん正社員と思われるお兄さんの動きが機敏過ぎてどんどん箱が送られてきます。何度か人為的処理落ちを起こしましたが、監督係の正社員がちゃんとフォローしてくれて助かりました。初めは何もしなくて見ているだけの人かと思っていましたが、怒ることもなくていい人でした。途中から計測係にヘルプでおばさんが入ってくれて負担はかなり軽減されましたが、このおばさんがちょっと小言の多い人で困りました(苦笑)。言ってることは間違ってないし、悪い人ではなかったんですけどね…。ちょっとうるさいおかんという感じでした。

この作業は意外に短時間で終了して、別のラインに移動して次は違う商品の箱詰め作業をしました。今度は段ボールではなくて化粧箱に入れていく作業でしたが、最上流で緊張して頑張り過ぎて「そんなに頑張らなくていいです」と注意されました。そのまま少しやっていたら才能がないと見抜かれたのか配置換えを言い渡され、少し下流でおまけを入れる作業を任されました。これが懐かしの「グルーヴ地獄V」のミニゲームにあったボールペン工場を彷彿させ、極度に単調ながらも比較的楽しく出来ました。慣れてくると段々余裕が出てきて工場の中では一切BGMがないことに気付きました。ベルトコンベヤーの発する規則的なノイズとテープカッターの周期的なアクセント。これはあれです、ストイックなまでにミニマルで原始的なテクノ。そう、クラフトワークの世界です!そう思ったら頭の中で「ロボット」とか「ヨーロッパ特急」とか「アウトバーン」がノンストップで流れ出しました。社会の歯車になるっていうのはこういうことかと感慨に耽りながら、これはこれで悪くないと思ったり。

ただ流れが微妙に一定ではなくて、暇になったかと思ったら急に忙しくなったりして何度かキャパオーバーして隣のお姉さんに迷惑をかけました。やはり自分にはあまり向いてないのかなと自責の念に駆られたりもしましたが、定時のチャイムが鳴って終了。正社員やパートの人たちはその後も黙々と高速で作業を続けていて忍耐力、体力、技術力に感心しました。どんな職種でもその道のプロって凄いですね。

帰りは何となくバスに乗らずに歩いて帰ることにしました。お昼を食べていなかったので途中でラーメンを食べつつ、今日の反省をしたり、いろいろ考えごとをしたり…。いい気分転換になりました。余談ですが、実家は薬局で今日梱包した商品も扱っていたのでした。不思議な縁です。

以上、2回目の体験談でした。拙文をお読みいただきどうもありがとうございます。いかがでしたでしょうか?これまた体力的には平気な仕事ではありましたが、不覚にも抱いてしまった苦手意識を克服するために近いうちにリベンジしてみようかなと思っております。中年になってもエンドレスな向上心です。

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