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いつもふたりで

昨日は二匹が参加できなかった里親探しの会だった。参加条件の、生後二か月以上、体重1㎏以上、の体重が足りなくて不参加だったのだけど、体重が足りないからワクチンも打ててないし、猫風邪もひいてしまったし、いろいろあってまだもうちょっとはうちで過ごす予定。

土曜の朝、保護団体の人に体重を送ったら、写真参加させるから送ってと言われて撮って送った。なにか連絡あるかなーと思っていたけど、音沙汰なし。そもそも写真参加しなかったのか、それとも反応がなかったのか分からないけれど、なにか連絡おくれよ、気になるから。昨日の里親探しの会がひとつの目安だったから、これからしばらくはいつこの子たちが巣立っていくんだろう、と心のどこかでは思って過ごすことになるらしい。ということに、昨日、初めて気がついた。

チビ達が来てから、毎日が新しいことに満ち満ちてる。

里親探しの会。基本は月に一回の開催だけど、今月は臨時で28日にもやるかも、と言っていたので、できれば28日の会に参加させてあげたい。小さい方が、迎えたい、と直感で思う人は多いだろうし、二匹一緒に、という話にもなりやすそうだから。ここの団体は必要に応じて会場を借りているので、それ以外でも希望があればうちに来て個別お見合い、という方法になるのだけれど、個人的にはそっちはあまり気が乗らなくて。知らない人がうちに来て猫たちを前にアーダコーダ言うよりも、知らない場所で知らない人に会う方が、なんとなく二匹にとっていい気がする。

で、今朝、おでこの体重が1㎏を越えた。ふう。おひげが1㎏になったらまた一段落。おでこは先におにいちゃんだぜ。

おひげの方はまだ890gくらい。昨日より60gも増量してるのでちょっと疑わしいけれど、朝イチで体重を計ってくれた家族によればその後、大きなうんちをしたそうなので、まあそんなものでしょう。いつもは夜にうんちをしてあるので。

ずっとおでこに体を舐めてもらっていたおひげ。最近になっておでこを舐めてあげるようになってきた。まだ体は一回り小さいし、できることもおでこの方が断然、多くて、プロレスもひぃひぃしながら応戦してるけれど、でも確実に大きくなってる。

おでこはちょっと調子に乗るとおひげを噛んだり、叩いたりするので、おひげがあんまり鳴く時だけは注意するんだけど、注意すると急に舐めだすのがおかしくてたまらない。舐めてる、と思ったらまた噛んでるし。

これまではイヤだって言ってるよ、とおでこにだけ言い聞かせてきたのに、この週末からはおひげがおでこを舐めてる延長で噛んだりし始めた。ソファの背もたれにもなんとか一発で飛び乗れるようになって、細くて足元が不安定なところで自分のしっぽをつかまえる、という難易度の高い遊びもするようになった。全部、おでこの真似。

先に大きくなって先にいろいろできるようになったおでこのやってることをひとつひとつ、真似しながら大きくなってるおひげ。どっちが先に生まれたのか知らないけれど、おでこは完全におひげのにぃにぃだ。

そしてそんなおでこはおひげのことが大好きで。いらんちょっかい出すのも、くっついていくのも、圧倒的におでこの方からだ。寝てるのに邪魔したり意地悪もするし、マウントとってるふうに見えることもよくあるんだけど、でも気がついたら寄り添って重なってシンクロして、いつも一緒。

昨日、仕事をしていた私の膝におでこが乗っかってきた。おひげはソファで爆睡中。おでこはゴロゴロしながら機嫌よくチュッチュしていたんだけど、しばらくしたらおでこも膝の上に乗ってきた。二人でじゃれてるなあと思っていたらいつの間にか、おひげがいなくなっておでこだけになっていた。

もしかしたら気のせいかもしれないけれど、おまえはおひげを追い出してないかい?と言いたいところをぐっとこらえてまた仕事を続け、お茶を淹れに席を立ったら、おでこも一緒にやってきた。お腹が空いたらしい。食べ残したごはんを食べて、一人で走り回って遊んでいたんだけど、あっちこっちに行きながらにゃあにゃあ鳴いている。ごはんはまだお皿にあるし(お腹がすくと鳴く)、なんで鳴いてるのかな、と思って見てた。

やっぱり箱の上に登ったり、部屋の隅っこに行ったりしながらずっと鳴いてる。二匹ともほとんど鳴かないし、こういうのは見たことがない。

と思っていたら、ふと気がついた。もしかしておひげを探してるのかも。

で、私の膝を追われた後、デスクの下で丸くなっていたおひげのところに連れて行ったら、おひげに頭をのっけて寝始めたおでこ。上に乗られても、まだ夢の中にいるおひげは起きる気配がない。二匹で丸くなってる。たまたまかもしれないけど、やっぱりおひげを探していたのかい?

預かりっ子だから、うちに来てから一回も外に出たことのないチビ達。人間以外の動物はお互いしか知らない。猫の記憶ってどこからどのくらいあるのか知らないけれど、生まれて2カ月、いろんなことを身につけて大きくなってきた。それでも、君たちの世界は狭い。土だって植物だって、鉢植えのユッカが全てだし、すご少なくい。狭くて少なくて小さいけれど、でも広くて豊かに見える。それは二匹でいるからこその、だよね。

もしも、二匹一緒じゃなかったら。おひげはおでこの真似をして学ぶ、というスペシャルができなかったから、きっと成長の方向も違っていただろう。それは確実だ。

でも。

おでこだっておひげがいるからできるようになったことが、たくさんあるはずで。ずっと一緒かもしれないし、もしかしたらあと少しで離ればなれになってしまうかもしれないけれど、でも、一緒にいた時間は特別だよね。ここまで大きく素敵な猫になってるんだから、それはもう間違いがない。目のきれいなうちのチビ達。きっと、世界もキラキラに見えていることでしょう。ずっとキラキラでいていいのよ。

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