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おでこ、目がお岩さんになるの巻き

昨日の夕方、おでこの左目が腫れた。おかしいな、と思ってる間にぷわっと膨れて、あっという間にお岩さんの手前みたいになってしまった。数日前から気になっていた鼻のぐすぐすもひどくなってる気がする。と思っていたら、白い鼻水がぽわっと出た。食餌の後に鼻の下にごはんがついていることがあるんだけど、それも今日はひどい。いつもお湯とオイルをまぜて含ませたティッシュでふいているんだけど、今日のは特に固まっていてきれいにとれない。嫌がるおでこ。必死で抵抗してる。分かる。分かるけど、と思い、とれる分だけをなんとかとったがまだついてる。むむむ。

急性なら急に治まることもあるんだけど、と思いながら、念のために保護団体の人に連絡をした。写真を送ると結膜炎かもしれないと返信が来たので、それはいかん、と病院に連れて行くことにした。出かける寸前まで、おひげとプロレスをしているおでこ。目が腫れても緊張感0だったけれど、ケージに入れたら急に鳴きだした。一方のおひげの方は相方がお出かけでもお構いなし。いってきます、と振り返ったらごはんを食べていて、そうか、そんなに大したことはないのかもな、と思う。

とりあえず開いてるお医者さんへ、ということでむかーしからやってる病院に駆け込んだ。もう少し近くにもあるんだけど、治療費が高くて薬漬けでやたらと手術しようとするので評判が悪い。保護団体の人からもあそこは避けてください、と最初に言われたので、きっとみんなそう思っているんだろう。

はじめてです、と受付をする。話しやすそうで優しそうな先生。小児科の先生でもよさそうな雰囲気でほっとした。動物のお医者さんって、なぜかあまり優しそうだけど実務が得意そう、というタイプに出会わないのが難点だと思っている私としては、ホッとする先生で嬉しい。

保護猫の預かりをしていると言ったら、へえ、そりゃあ大変だねえ、と言われた。いま混んでるから少し待ちますよ、と言われたけれど、明日は祝日でどこもお休みだ。みんな駆け込んでるんだろうな。待ってます、と言って車に戻る。家にいる家族に時間がかかるみたいと電話していたら、先生がやってきて『先に看ます』と言ってくれた。

ふええ、ありがたい。

おでこの月齢を聞かれたけれど、はっきりしたことは分からない。保護団体の人に聞いた感じだとちょうど二カ月くらいだ。念のために検便もしてもらい、診察を受ける。目の腫れも結膜炎じゃなくて猫風邪の症状じゃないかとのことだった。

過去にミルクのみのチビッコを2匹、育てたことがあるんだけど(うち1匹は野良猫を拾ってきた)、どっちも健康優良児だったから猫風邪もよく知らず、なんと目やにもその症状だと聞いて驚いた。体の中にあるものを排出しているんだろうれど、目やにっていろんな役割を持ってるのね(当たり前か)。

ちなみにうちの二匹のは乾燥気味でとりにくい。ゴマみたいなのが張り付いてる感じ。しかもかなり頻繁に出るので(なんであんなにスピード感を持って出てくるのかも不思議だ)、気がついた時にとってると皮膚を傷つけそうで怖かったんだけど、そういう目やにの出方だって、ちゃんと意味があるんだろう。動物の発熱は分かりにくいけれど、目やにの状態で察しをつけられることもあるのかも、と思ったりする。

匂いが分からなくなると食欲が減退して生命に関わることもあるので、鼻のカペカペはきれいにとってあげてください、と取り方を教わった。お湯で浸した布なんかでふやかしてふき取るだけなんだけど、けっこう大胆にいく。そして素早い。おでこの顔はあっという間にきれいになった。

食欲もあるし元気なので、まずは点鼻点眼薬で様子をみてください、と言われたのだけど、上を向かせた状態で鼻の穴にダイレクトに点鼻するのを見てこれまた感心。こりゃあ、慣れが必要だなと思う。容器から必要量を適切に落とすコツを身につけねば、と先生と看護士さんの手際をみて思った。二匹ともものすごく動くし小さいから、顔を掃除するのはちょっと緊張するんだよねぇ。頑張って習得するけどさ。

検便による回虫は問題なし。いつも二匹でくっついているのもあるけれど、おひげの方も来た時から目やにちゃんだったので、一緒に点鼻点眼剤を使うことにする。薬がなくなったらそれだけ取りに来てください、と言われた。保護団体の人が持ってきた目薬は、処方してもらった薬が効かなかった場合に出してるやつだそうだ。ちょっと強い。処方薬は一日に何回でもいいよ、と言われたので2~3日は気がついた時に使うことにする。

帰宅したらおひげはケージの中で寝ていた。出ていってからずっと寝ていたらしい。おでこが戻ってきたら起きてきて、二匹一緒にごはんを頂戴、と言い始めた。チビ達、離れ離れになったら寂しいだろうな、と思う。

二匹を預かってから、まだ小さい仔猫や仔犬を一匹だけ引き取るってハイリスクだな、と強く感じるようになった。以前、生後三か月までは引き渡しをしない、というペットショップに行ったことがあるんだけど、そこにいる子がみんな目がキラキラしていて優しい、明るい雰囲気だったのを見て、三カ月って意味があるんだなと思ったことを思い出した。穏やかならいいってわけじゃないけれど、不要な緊張はないにこしたことはないもんね。

もちろん、一匹になっても成長していくし、それは絶対Noじゃない。でも、子どもの頃に内的な安心感を培った子は強い。強いよなあと、おでこにお世話してもらってるおひげを見てるとよく感じる。そう言えばうちの猫も近所の大人猫たちに鳴き方を教えてもらったり(並んで練習しているのを見たことがある)ノラの仔猫を連れて帰ってきたこともあったっけ。室内でだけ生活させる(コントロールする)のは安心だし分かりやすいけれど、学ぶ機会がぐっと狭まるのも事実。同じ年代や異なる年代とのさまざまな出会いや体験で身につくもの、内側から発芽するものはやっぱり大事にしたい。

ごはんを食べて少し遊んだ後、重なって抱き合うように爆睡していた二匹。お薬のおかげか、あっという間におでこの目の腫れは引いた。お岩さんモードは数時間で終了。

その後、22:30を過ぎていきなりスイッチが入り、かなりの激しさで上へ下への大運動会を開始して、おーい、となったけれど、こういう時間だってずっと続くわけじゃないのがまたなんとも。病院で会計の時に看護士さんに「こんなにお世話してたらかわいくて手放したくなくなりますね」と言われたけれど、でもまだその感覚はないなぁ。

いなくなったら寂しいのは確実だけど、でもどこにいてもいいから幸せで、とだけはいつも思ってる。学校の先生だって最初に担任した子たちは特別なわけですが、おかしいくらいに毎日毎日右往左往してるしね、一生忘れないだろうな、とは分かってる。百聞は一見に如かず⇒百見は一動に如かず。今日もいろいろあったけれど、何が起こっても、並走するよ。来てくれてほんとにありがと。


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