シェア
あらすじ小説情報本文 負けた。試合時間が残り一分を切っていた。襟をとって得意の内股を仕掛けた。しかし、嫌な予感がしたときにはもう遅かった。対戦相手から釣り手を引かれて、気付けば畳の上だった。それが体落と知ったのは試合が終わった後だった。かろうじて判定は技ありだったが、残り時間での反撃は叶わなかった。 技を仕掛けるのを焦らなければ、誘い込まれているかもしれないと気をつけていれば、何を言っても、たらればの言い訳に過ぎなかった。 大学のコーチからは「攻めた結果だ。悔しいだろ