聖人ってなぁに?

カトリック教会では、古代から、神さまから特別に豊かな恵みをいただいて、神さまの証しをするように生きた人々を、聖人として認めてきました(聖人の前には福者、あるいは尊者という段階の位置付けもあります)。
聖人と認められるには、神さまを信じているキリスト者が殉教したり、特別な奇跡があったなど、いくつかの条件があります。その条件を満たして認められた聖人の生き方に倣いながら、わたしたち一人ひとりが、神さまに導いていただけるように、今は神さまのもとにいる聖人にもそれを助けてもらえるようにと祈り、願う習慣が昔からあったのです。
聖人と言って、私たちが想像するのは、とても立派な人といったイメージかもしれません。ですが、単に立派な人であるだけでは、もちろん聖人にはなれません。
たとえば、自分自身がどのように神さまと出会ったのかをつづった『告白』という昔から様々な人々に読まれてきた本があります。それを書いたのはアウグスティヌスという、カトリック教会の中でとても有名な聖人です。実は、彼ばかりではなく、彼のお母さんであるモニカもまた聖人なのです。アウグスティヌスは『告白』の中でモニカについても色々と書いているのですが、興味深いことに、モニカは『告白』の中では必ずしも最初から「立派な人」とは描かれていません。むしろ日常生活の中での色々な悩みや苦しみを抱える、「普通の人」として描かれています。その中でも、息子であるアウグスティヌスとともに、段々と神さまのことをいっそう大切に想い、強い信仰をもつようになりました。そして、アウグスティヌスと祈りの中での語らいののちに帰天します。
聖人の生き方は、どのように神さまを信じたらいいのか、愛したらいいのかを教えてくれます。
私たちも一人ひとりの生活の中で、聖人に倣うことができるところを見つけながら、日々を歩むことができたらよいと思います。

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