セックスレスについて

だいぶnoteから離れていましたが、考えていた事をまとめたいので記事を書いてみます。きっかけはこの作品を読んだ事です。

50を目前に控えた夫婦にとっては他人事にはできない更年期。これにまつわる話です。

ちょっと個人的な事なので恥ずかしいのですが、結婚して20年以上経ってから「セックスレス」だった事を責められました。もしかすると妻は更年期障害の始まりを感じ、自分の体の変化していく中で「自分の中の女性の1部分」が終わりを迎え始めてる事を感じて、辛かった事を言わずにいられなかったのかもしれません。
これは正直言うと少し驚いてしまいました。私たちはいつも会話もしているし、買い物も一緒に行く、子育ても家事も一緒(もちろん家にいる時間に応じるので完全に平等ではない)にやってきたからです。

そもそも、妻側から明確に「セックスがしたい」と言われた事はなかったのです。

しかし辛い思いをさせてしまっていた反省もあるので、いろいろと「セックスレス」という問題を考えてみようと思います。本当にすごく恥ずかしいので多分コメントされても返せません。


1.性的嗜好

結婚当初の頃になりますが、どうやら私と妻は「性的な」、というとわかりづらくなりそうなので言い方を変えると、「エロ」に対する考え方が大きく違う事に気づきました。
妻はどうやら「エロ」にあまり興味がない。私は非常に興味がある(まあ普通の男が望む程度くらいで、それほど特殊な性癖はございませんよw)。
そして「セックスとエロ」は自分にとっては密接に結びついていて剝がせそうにないのです。ところが、妻にとっては「セックス=愛情表現的スキンシップ」がメインのようです。

私としても妻とセックスするのは嫌いではないのですが、やっぱり「エロ」が含まれていないとだんだんとつまらなくなってくるのです。
女性からしたらアホみたいに思えるだろうけど、すくなくとも私には
「エロがないセックスは、かつ丼と白ごはんくらい違う。」
もちろん白ごはんも好きだ。でもそれだけだと物足りなくなるじゃないですか?

ではそういった「性的嗜好を伝えた事はないのか?」というと、ある。何回も何回もある。ただし、いきなり全部の性癖をひけらかせるほどの豪胆さは持ち合わせていないので少しずつです。
しかしそのたびに「あまり好きではない」という態度を取られてきたのです。もちろん昔から言われる「イヤよ、イヤよ、も好きのうち」みたいな事もあるだろうけど、何度もソフトに断られ続けたらこちらだって「ああ、そんなに好きじゃないのね」となってしまう。

私も自分勝手な性的嗜好を押し付けるわけにはいかないと思っていました。それが問題になるかといえばそんな事はなく、性的嗜好を刺激するコンテンツが大量に溢れている現代では、むしろ自分の好みを簡単に満喫出来てしまうのです。
よくよく考えれば、まだレンタルビデオ屋でAVを借りていた時代は、普段から満たされない性的欲求がありました。しかし、ブロードバンドネットはそれを変えてしまった。さらにスマホもそう、Wifiも便利。
私たちはいつでも自分の嗜好に合ったエロコンテンツを、オンデマンドで供給される状態にあるのです。私はなんならそれだけでも十分でした。

そして妻もセックス自体がそこまで好きではないのだろうとも思ったのです。

まず、ここに大きな原因の一つがあったと思う。

2.子育てと家事、そして仕事

結婚において、生活の糧を稼ぐ事、家の事、子宝に恵まれたなら必ず子育てというタスクに追われます。これは本当に楽な事ではありません。

うちは両家とも親が普段の生活を助けてくれたりしなかったので、完全に二人でやってきました。もともとお互い高校卒業してから親元を離れていた事もあり、私は家事に抵抗はなく料理も掃除も出来たので、仕事がメインだけれど家に帰ってからはお互いで残った家事をこなして慌ただしくも疲れる子育て期間でした。

私は「嫁に世話してもらう旦那」になりたくなかったので、できる限り自分ができる事はやってきたし、妻も認めてくれると思う。

しかしやはりこの時期からセックスからは遠ざかっていたのです。

私は出来るだけ「公平」でありたかったので、「なんならどちらが働いてもいいし、どちらが家事をやってもいい」と思っていました。結局、収入の最大化を考えて私が働く事になったけれど、家に帰れば妻と同じように家事育児をしていました。

そう、私は妻と「二人の独立した人間」である事が一番大事だと思っていたのです。ところが、「エロ」というのは「性的女体」という「モノ」、もしくは「本能的性欲」という「ケモノ」には発生するのだけれど、「ヒト」に発生しづらい傾向があると思う。
どれだけセクシーだろうと、かわいかろうと、一緒に人生という船をこぐパートーナーとは、エロより大事な事がもっともっとたくさんあるのです。

妻に対してはずっと真剣に向き合ってきたつもりだったし、会話もコミュニケーションも怠ったことはなく、そこについての不満はひとつも無いと言ってくれます。ただ、セックスレスが辛かったと言われてしまったのです。

これには結構混乱しました。「いや、だってそこまで好きそうでもなかったじゃん、、、、」

人生における数多くの困難を乗り切っていくうちに、セックスの重要性は徐々に下がっていき、気づくと「最近してないな、、、」という状態になって、それすら気にしない状態になっていました。

夫婦仲で言えば特に問題はなく休日もずっと一緒にいるし、友人は買い出しに一緒に行っても特に話さないという夫婦もいたので、20年以上の夫婦としてはかなり仲が良いほうだとすら思っていました。

3.こちらの言い分

たしかに辛い思いをさせていて悪かったと思っていますが、私も私なりに言い分があるのです。

子育て中の妻はどうだったかというと、正直言ってかなりヒステリックでした。子育てなんて基本的にみんな初めてなんだからしょうがないよな、と思いつつ、私も仕事があるので家に帰ってからは家事育児を手伝います。

しかし、子供が幼稚園や小学校に通うようになってからでも、夜にやるべきことが非常に多く残っているのです。

「(子供いない時に出来たよね、これ、、、、、)」

と思いつつも、大変な子育てを任せてしまっているわけで、帰ってきてからは家事を手伝っていました。そりゃあ、もちろん疲れますよ、、、タスクに追われて疲れてくると、セックスよりも「仕事や家事で出来なかった自分の時間」が欲しくなるんですよね。酒とかゲームとか、今ならYoutube見たりとか。
だからとにかく帰ったら二人で全力で残ったことを片付けて、子供を寝かす。そして迎える「お楽しみタイム!」。ここで、私はセックスを選択するような気になれませんでした。だんだん妻という存在が「バディ(肉体)」として見れなくなってしま、完全な「バディ(相棒)」になってしまったのです。
それは妻に魅力がないとかそういう意味じゃないのです。

私は妻の事が好きだけれど、やっぱり言いたい事だってあります。

私としてもそういう事をしたいのであれば、帰ってからの消耗を少なくなるようにしてほしかったという事もあります。妻はムラっ気があり移り気な性格で、継続的に同じことが出来ないタイプです。いざという時は頼りになる人なのですが、面白みのない家事を継続的に子供がいない時間に全部済ませておく事が出来ません。
やってくれた事を点数で評価するのは良くないと思うけど、説明するのであれば100点取れそうなら頑張るけれど、100点取れないなら頑張らないタイプ。何があっても60点をキープするみたいな事は出来ず、なんなら20点くらいの日もあります。でも100点の日はめっちゃ褒めてほしいし、20点だった事を指摘すれば「私だって大変だったんだ!!そもそも君だって~~~~~」と怒る。そうなると何も言わないで、私がせめて残りの40点を処理した方がいいなってなってしまうんですよね。

もちろん、子供のトラブルとか病気とかあるので出来ていない日もあるのはわかるのですが、明らかにやっていない日が多かった。日頃疲れているのだろうと思い、出来るだけ手伝っていながらも「(さすがにやらなすぎだろ、、、)」とも思ってしまう。そうなってくると「やりたいメーター」はどんどん下がっていってしまうのです。

当時はコロナでもなく、通勤は約1.5時間。朝は7時に出て早く帰れたとしても帰宅は19時30分以降。そして帰ってきても子供らがまだご飯も食べていないなんて事が多々あった。妻は専業主婦だったし子供らも学校が始まっていて、午前中にいろいろ出来たはずだった。
でもそれでも妻を責めずに、「よし、まず残っている家事を片付けよう!」と頑張ったつもりだ。でも妻からは「もっと早く帰れないの?」。
この辺の話は以前にも書いたけど、「リーマン暗黒時代の一人大黒柱」って結構な負担でした。そして男には逃げ道がない。働かなければならない。

さらに私たちは若くして結婚したので子供が中学生以上になるのが早かった。さすがに9時には寝てくれないのです。だから10年以上前から、子供らも起きてる中でやろうとするとニアミスしてしまう。
特に思春期真っただ中だと子供としても嫌だろうなと思うのです。事実、私は思春期の頃に親の行為に遭遇したら嫌だったと思う。

4.やりたいメーター

勝手に命名してますが、たとえば「やりたいメーター」が100になるとセックスしようとするとしたら、もうずっと30以下くらいだった気がします。

このメーターは基本的に「非日常」な「性的欲求」によって高まり、「日常的」な「タスク」や「ネガティブな気持ち」によって下がっていきます。「自分はやっているのに相手はやってくれない」という事があればもっと下がります。

つまり日常を乗り切るパートナーと共同作業をしても、やりたいメーターはなかなか高まらないのです。それは妻も同じだろうと思っていました。

なぜなら妻から直接セックスを求められた事は無いからです。

でも同じではなかった。

5.「求められる事」

妻はブサイクではないので、何かで飲み会があったりすると口説かれる事があるらしい。セックスレスが辛かったと言われた時にも、「あなたは私を求めないけど、私とやりたい人だっているんだ」と言われました。

頭が痛くなります。
そりゃ日常から離れて、ストライクゾーン範囲の女が隣にいればそういう気持ちになる人もいるだろう。
じゃあ、それに対して「セックスだけじゃなくて、今から老後までの事もよろしく。旦那から慰謝料を請求される事や、子供の養育費、学費も払わなければいけなくなるけど、それでもいいならセックスしましょ。家事に関しては前の旦那と同じくらいやってね。」って言っても引かないくらい「求めている」のか?たぶんさすがにそこまでではないよね。だいたい、結婚してるのにそんな事を言うっていう事自体、あなたを軽く見てるって事でしょう。
でもそれくらい「日常から切り離された女体」は簡単に「エロ」と直結する事が出来るわけです。

普段の生活を気持ちよく楽しく暮らしているのだから十分なはずだという、私の傲慢もあったのだと思います。
でも別に私は「拒否」はしていないし、まったくセックスしないかといえばそんな事もなく、年に1回くらいはしていました。お互いを生理的に嫌がってるわけでもなく、お互いの体を触る事も多かった。だからこの状態を「セックスレス」だと言われたときに非常に混乱しました。

6.解決策

そこで話し合っているうちに私はそんな辛い気持ちだった事を「解決」しようとしたのですが、妻は「違うの、話し合ってどうになるものでもないの」と言うのです。
いやいや、今までなんでも二人で解決してきたんだから、確かに昔の事は取り戻せないけれど、生理が終わるまでの期間を二人の事として考えていこうと伝えましたが、やはり妻は「そうじゃないんだよね、、、、」との事。

私は「レスと呼ばない頻度になればセックスレスは解決だ。」と考えたのですが、今思うとこれが全然違った。

話をした後に、「そんなにしたかったのであれば、きっと妻からのアプローチが来るだろう。」と思っていたのですが、いつまでたっても来ない。なんでやねん。やりたかったんちゃうんか?
それを問い詰めると「違うんだよね、、、、そうじゃないんだよね、、、」「努力して無理にやって欲しいわけじゃない」としか言わない。「君にはわからないんだ、、、」みたいな、なんか人の心がわからない人間だね、みたいな言われ方もしました。いやいやいやいや、待て、今まで俺がしてきたことを考えて、あれが大事にしていない人への行動だった?と聞けば「それは感謝しているし嬉しい、でもセックスレスだけが辛かった」と。
どういうことやねん???

詳しい会話はあまりに恥ずかしくて書けないのだけれど、結論として、妻の言いたかったことは「求められレス」であって、「行為としてのセックスは重要じゃない」という事だったのです。
そう、妻を「大事なパートナーとして扱う事」と「女性として求める事」は別物らしいのだ。

これは女性からみたら「アホか、そんな当たり前じゃない。この朴念仁。そんなんでよく結婚できたな。」と思うかもしれないけれど、私は「女性として求める事」は「大事なパートナーとして扱う事」の一部だと思っていたし、セックスの頻度が多くなくても「大事なパートナーとして扱う事」が出来ていればプラマイプラスくらいに思っていたのです。

それに、男の「やりたいメーター」そんな仕組みで動いていないこともわかってほしい。

そんな中こんな記事を見つけました。これのベストアンサーは非常にわかりやすかった。

①男性に旺盛な性欲、性的好奇心が備わっており、普段から一定程度以上に強い【性的欲求不満】状態にあること。
②男性が女性を愛すべき【人間女性】でなく、性的刺激を発する【女体(モノ)】と見なして興奮、欲情すること。

男性がSEXレスであるとは、①をクリアしていないか、①はクリアしても②はクリアしていないかのいずれかによる

男性がSEXしたがる原因・理由なら確かに【ある】と言えるが、SEXしたがらない原因・理由なんてどこにも実在しない、つまり【ない】

上記のYahoo 知恵袋

だいたい合ってると思いました。

妻が求めていたのは「やりたいメーターを100にして求めて来い」という事なのでしょうが、上記の1も2もない状態で、朝の6時から一人大黒柱をこなして、こまごました家事をこなして片付いた夜の10時(残された時間は寝る時間も合わせて8時間)に、妻からは求めないけれど、私にだけは「やりたいメーターを100にして求めて来い」という意味でもあります。

そんなん出来るか!!

私は私で「妻のやりたいメーターが100という事なんだな。エロい気持ちがあるんだな。というなら早く言って欲しかった、頻度が上がればレスは解消だ。俺も待ってるから早く布団に入って来いよ。」と思っていたのです。つまり妻が欲求不満ヤリマンビッチ(極論すぎw)のようになっているのだろうと(笑)。
もちろんこれも違ったという事です。つまりある意味、両者とも「待ち」状態だったとも言えます。

さらに供給される「もの(セックスという行為)」ではなく、供給したくなる「気持ち」が重要だった妻と、セックスしたいならきっとエロい気持ちになっているのだろうという私にも、大きなすれ違いがあったのです。

書いててアホらしくなってきましたけど、案外ここまでしっかりと性欲について話したことは一度もなかったのです。他の夫婦もあまり無いのではないかと思います。

7.すり合わせ

ここまで話をしてしまうと、お互い隠す事もなくなってくるのでなんでも話せるようになってきました。

確かに私から求める事はなくなったけど拒否した事は無い。でも私にとっては妻に拒否されたように感じている事も理解してもらえました。

結論としては、「やりたいメーターはこの日常の中で、一人で100にするのは難しいから、お互いが意識して相手を刺激する必要があるよね。」という事だった。

あふれるくらいの性欲がある若いころなら問題ないのですが、発動の仕組みが違うからこそ意識していかないといけないのだと思います。話し合えた今は問題は解決しました。

8.タイプ別セックスレス

セックスレスというものについて考えたり調べた結果、男女ともに求めてこないタイプのセックスレスは、要求を「~~してほしい」より、「(自分の方から)~~してあげる」にする事で、割と解決しそうな気がする。

男は、セックスがやるべきタスクになったら面倒になります。女性は、他のやるべきタスクが多くなり手伝ってもらえないと、受け入れる気持ちが無くなります。
私は専門家でも研究家でもないのですがセックスレスに悩む男性は、女性に完全に家事から解放した休日に、美容院やネイルサロンをプレゼントしたりとか、「女性に戻ってもらう」事を優先した方が解決は早いのではないだろうか。

ただし、明確な行為に対する拒否をするのであれば、もっと難しい問題を抱えているはずなので、セラピーや離婚も視野に入れて、相手を否定しないで話し合いをした方が良いか、もしくはいさぎよく諦めるのも一つなのかもしれない。

セックスを神聖なものとして見るのもいけないのでしょうね。


久しぶりに長文で恥ずかしい事を書いてしまいましたが、自分の気持ちや考え方を整理する為でもありました。誰かの役に立つような事は書いてありませんが、完全にリアルな一つのケーススタディではありますので、参考になれば幸いです。


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