見出し画像

焦りという燃料が入っても行き先がわからなければ意味がない

9月13日に行われた第5回響定例会。
今回は、「ブランド人」の田端信太郎さんにお越しいただきました!

(Design by 目黒水海


Text by 佐藤 みちたけ(@mi_chi_sato

Photo by 中村 創(@sooo_nakamura


ーーーーー

R25ができた経緯

メンバー:IT系のベンチャーで、今はエンジニアとして働いているんですけど、来年の4月から、会社が新規事業を立ち上げるっていってるんです。今はそれの選考期間で、社員の中から3〜5人選んで、選ばれたらそこに最低2年間はいて、利益が出なかったら潰すっていうもので、まだそれに選ばれてはないんですけど。

田端:何をやるかは決まってるんですか?

メンバー:決まってないです。なので、客観的に見ると、リスクはあるなと思っています。

田端:吸収って本体に戻るだけでクビになるわけじゃないでしょ?

メンバー:そうですね。

田端:あるいは上手くいったところで、上場したりして会社の資金がたくさん増えるってこともないみたいな。

メンバー:そうです。なので、自分としてはチャレンジできる場があると思っています。そこで質問なんですが、田端さんはR25を思いついた時は、どういうプロセスで形にしていったのかをお聞きしたいです。

田端:新規事業提案コンテストで通ったんですよね。それに通ればリクルートの偉い人たちの承認を得たということなので、リソースはつくんですよね。そういった意味では恵まれてました。

メンバー:アイデアはどうやって出したんですか?

田端:アイデアは、僕と一緒にやっていた人が、ヨーロッパで無料の新聞が流行ってるから、それをやろうとなったのが最初です。

でも、最初は日刊の新聞だったのが、印刷所の関係で、良くも悪くも投資規模が大きすぎるということで、週刊になったんですよね。「日刊か週刊か」で最初の投資の規模が一桁くらい違うんですよ。

メンバー:結構長い間、週刊でしたよね?

田端:5年くらい? 僕でも、最初の1年間しかいなかったですけどね。辞めてライブドアいちゃったから(笑)

会場(笑)

メンバー:その新規事業は、2年間という期間があって、話を聞く限りでは3ヶ月から半年の間に1個作る、というのを回していくみたいなんですよね。

田端:やることが決まってないのに、メンバーをどうやって決めるんだろうっていうのは率直に思うけどね。

メンバー:メンバーの選出基準みたいなのは、熱意やコミット力みたいな部分と、ロジカルシンキングで、試験とか色々受けたりするんです。あとは、MBAのイノベーションの部分だけを切り取ったようなが研修がこれからあります。

田端:別に間違いではないけれど、う〜んっていう感じ(笑)ビジネスも色々あって、どっちが良い悪いとかではないにしろ、お堅いビジネスがあれば、そうでないビジネスもあるわけなんですよね。

例えば、スマホゲームみたいなものは、サーバーが落ちてもそんなに怒られないかもしれないけど、キッズラインみたいな会社は、ベビーシッターが子供を間違いかもしれないけど、殺しちゃったら、それで会社は確実にアウトですよ。取り返しがつかないじゃないですか。

だから、事業をやるときに、やるビジネスによって、向いてる人って違うと思うんですよね。

それに、人選だけして「何をやるかは君らで考えろ」と偉い人が落としてくるんだとしたら、どうなんだろうとは思います。

メンバー:多分ですけど「君らで考えろ」の方になると思います。

田端:そうだとしたら、まず考えさせた上でチーム対抗で応募させて、アイデアありきでプロジェクトを競わせたらいいのにね。

メンバー:あまり公表されてないんですけど、後々、アイデア出しなどの研修があるんですよね。

田端:5W2Hでwhatが決まってないのに、whoを決められるのかなって思います。それに、選ばれた人たちが「これは本当にやるべきだ」って思えるのかどうかのwhyを持つかどうかも怪しいところだと思います。

メンバー:でも、何もしないよりかは得るものがあると思うんですよね。

田端:確かに、全部が無駄ってわけじゃないですしね。そこに応募してるってことは、自発的に応募しているんですよね? 何かやりたいことはあるんですか?

メンバー:まだ明確にはありません。

田端:ちなみに、エンジニアってどんなことやってるんですか?

メンバー:まだ2年目になったばっかりで、大学も全然専門じゃなかったので、業務システムの一部をやっています。

田端:ジョブチェンジをしたいから新規事業に応募したんですか?

メンバー:それも少しはあるんですけど、エンジニアも少しは面白いと思うんですよね。ただ、今は大きい会社の業務システムのすごく一部なので、どうしてもモチベーションも上がりにくかったりとか、お客さんが見える位置で仕事がしたいなっていうのがあるんです。

田端:3〜5人のチームの中でエンジニアがいたら、プロトタイプを作ったりもできるし、フロントやバックエンドをやることになるかもしれないけど、それはそれですごい価値あることだと思うよ。大きなプロジェクトの一部分だけをやるよりもよっぽどいいと思う。

☆月3000円でこんなに身近にゲストと話せる機会はそうないはず!☆

オンラインサロン響への入会はこちらから



焦ることは悪くない。ただ、焦りという燃料が入っても行き先がわからなければ意味がない

メンバー:会社でPV数があるけど、全然更新していないメディアみたいなのがあるんです。

田端:更新してないのに、PV数があるってことは検索流入があるんですか?

メンバー:検索流入がすごくて1日3万〜4万くらい来ています。ですが、何年も更新していないので、それを生き返らせたいなと思っています。

田端:ちなみに、どういう単語で流入してるんですか?

メンバー:「副業」で一位や二位になるんです。最近、副業が盛り上がってきているから、それで流入してくるんですけど、メディアの運用を行ったことがないので、どうやってやればいいのかわからない状態です。とりあえずアドセンスを貼って毎日1万円は入ってきてはいるんですけども...。

田端:ぶっちゃけていうと、3〜4万PVって会社の運用するメディアだと、大したことないですよ。そのPV数だと、そんなに一生懸命やるほどのメディアでもないから、 それはそのまま放置しといて、毎日1万円貰うのが、正直おいしい。

もし本格的にやるんだったら、100倍稼ぐことを目指さないと、会社としてやったところで、イマイチだと思います。それで、100倍を目指すとなると、記事を1日に1個や2個アップしても、そうはならないでしょ。それに、そもそも副業みたいなアフィリエイトのサイトをやりたいんですか?

メンバー:あまりやりたくはないですね。

田端:じゃあやらなくて良いと思うよ。今のを聞いてると、1PVあたり0.5円〜1円くらいの売り上げになってるから、マネタイズの効率だけを見れば、悪くはないんですよ。

そして、稼ぐ額を増やすとなると、アドセンスとアフィリエイトで放置しておいて、売り上げがあるっていうことなので、それくらいが限界と思います。なので、あとはPVを増やすしかないんですけど、PVを増やすための記事を書いたり、拡散をしたりすることが本当にやりたいことなのかなと思いました。

そこがマッチしていなくて、メディアが上手くいったときに、1個人として幸せなのかなと思うけどね。売上が増えたところで、給料はそんなに増えるわけじゃないですよね?

メンバー:変わらないです。

田端:メディアの運用法を俺に聞いて、上手くいって、どうなりたいのって思います。

メンバー会社の中でみんながやってないので、チャンスなのかなって思ってるんです。というのも、他人より能力が少し劣っているということは感じてるから、他の人にはできないマーケティングなどができて、それを他の人が知れば、そういうことができるエンジニアってことで会社の中で価値が生まれるのかなと思っています。

田端:それはそうかもしれないけど、それでどうなりたいの?  今の会社で出世したらそれで良いんですか?

メンバー:どういうことですか?

田端今の会社で人より早く部長や課長になったら良いんですか? 人生で自分はどうなりたいの? 

メンバー:楽しく生きたいです。

田端:楽しいっていうのは何が楽しいのかがわからないんだよね。モテるとかお金が欲しいとか、業界で有名になりたいとか色々あるじゃん。

メンバー:有名になりたいです。

田端:有名っていうのはどのくらい有名になりたいの?

メンバー:疎遠になった友達と久しぶりに会ったら「あ、見たよ」みたいな。「話聞いたよ」みたいな。・・・そんな有名になりたいとかないかもしれないです。そこのビジョンがあまり見えていないです。

同じくらいの歳の人でも講演会に出ていたり、同じ会社の社員さんでもメディアに出る機会が増えてきて、自分も何かやらなきゃいけないと思って、すごい焦ってるんですけど、どうしたらいいのかわからないんですよね。

田端何をなぜやりたいかは僕がいうことじゃないから、自分で決めなきゃいけないですよ。

メンバー:もしかしたら、情報がたくさん入ってくるので、余計焦ってるのかもしれないです

田端:何に焦ってるの? 給料が低いこと?

メンバー:給料が低いことよりは、同じくらいの歳の人でも、面白いことをしてる人がいたりすることです。

田端:その人たちは、メディアの記事を見て勝手にそう思ってるだけでしょ? 本当にその人たちが心から楽しんでるってわかる?

メンバー:それはわからないです。

田端:わかんないでしょ。そういうことを勝手に想像して、自分が思い込んで一人相撲で焦ってるだけっていう気もするんだけど。結局、自分がどうなりたいとか、自分が幸福かどうかは、自分で胸に手を当てて決めるしかないから、焦ったってしょうがないと思うよ

メンバー:焦るのをやめて少しづつ頑張りたいと思います。

田端:焦るのをやめるっていうか、危機感を持つことは悪いわけじゃないんだよね。それは自分の燃料になるから。でも、そもそも燃料が入って、地図を広げた時に「俺どこに行くんだっけ」みたいな状態になったら意味がないと思う。

どこに向かっているかわからないのに、同年代の人を見て「あの人はエンジンが大きくて良いな」と思ってもしょうがないんだよね。自分が向かいたい場所が一番大切だと思います。その場所を決めるためにも、とりあえず、何か決めてやった方が良いですよ。


☆響では豪華ゲストがあなたの質問に直接答えてくれます☆

オンラインサロン響への入会はこちらから


ここから先は

0字

¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?