出会い

出会い

2023.12/27

連日、私は某掲載サイトで「中古 戸建て 3000万以下」と検索して小さな液晶画面をなぞっては消してを繰り返してため息をついていた。

まあ、そう簡単に見つかるわけがないないよねー。
テナントも調べるかー。

そうこうしているうちに画面をスクロールして幾つかのページをクリックして最後のページで青い壁にウッド調の扉が着いた小さい家を見つけた。

お、ここどこだろう?やつか?え?谷塚?
駅から4分…ちょいと内覧申し込みしてみるか。

年末の忙しい時期、仕事先の社長に内覧しに行くと伝えたら業者さんと一緒に行くと話が早いからとわざわざ紹介してくれた。
当日は母も一緒に行き、家に到着するとくるくるパーマを巻いた20代前半の今時の男性がメジャーで入り口を測っていて私達に気付くとニコニコ駆け寄って丁寧に名刺を渡してくれた。

この子が業者さん?随分若いなぁ
てっきり50代くらいのおじさんが来るのかと思ってた。

近くにいたふっくら幸せ体型の男性が不動産屋さん。
お休みだったのにわざわざ予定を合わせてくれたのだ。有り難い。

2人と軽く挨拶をして改めて家を見た。

実際に見ると画像で見るより奇抜な青ではなく、他の家を邪魔しない程度に周りに馴染んでいて洋風な雰囲気の木造二階建だった。
かわいい。
不動産屋さんが鍵を開けてくれて入り口から一階に案内してくれた。

はじめて見た時の間(あわい)



部屋全体はキッチン部分を除いてざっと18畳くらい。壁紙は一部剥がれていて、エアコンも取り外した跡があったがフロアも綺麗だし何より入ってすぐに目に付いた大きな四つ窓にウッドデッキが繋がって部屋全体を明るくしてくれている。

あ、なんかイメージ沸くかも。
ここにシャンプー台置いたら気持ち良いだろうなぁ。

大きな窓とウッドデッキ



一つ懸念点を挙げるとしたら「古い」のだ。
そう。古い一軒家は寒い。底冷えという言葉が身に染みるくらい。
歯をガチガチさせながら二階も見たが途中から早く暖かい飲み物が飲みたくて早々に内覧を終わらせた。

帰りに近くの文治というカフェで母とおむすびセットを注文した。
二種類の選べるおむすびと暖かいお味噌汁、卵焼きとほうれん草のおひたし、お漬物。
おむすびから上がる湯気ごと頬張ってそのままお味噌汁を流し入れるとお腹にすとんと暖かさを感じる。ふぅ。
母と家についていろいろ話してる間もあのウッドデッキから入る光が頭から離れなかった。

年明け早々、不動産屋さんに連絡しよう。

これが、私と家の最初の出会い。

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