東岩槻振り返り② The PROM

「みんなが決める、みんなで決める」

The PROMを選んだのはこどもたちでした。

そもそも月曜の代講でやった曲だったんだけどね!笑

あと、本当は'21の発表会はTAPしか作品を出さないつもりでした!

アリサ先生にバトンタッチする予定でしたが、もう発表会まで完走した方がいいんじゃないと言われたのをきっかけに「今子どもたちが真剣に向き合えているこの曲で行こうかな」と思い選曲。

オーディションもしました。私は子どもたちのエントリーフォームをいまだに大切に保存しています。

志望動機は人それぞれの言葉で表現されていましたが「チャレンジしたい」という気持ちが共通してヒシヒシと伝わってきました。

昨今の大人(私も含めて)が想っている以上に、子どもたちは、自分のことを知っていて、度胸があって、平等な競争や次のステップを望んでいることがわかり、これは個人的に、大きな収穫でした。

みんなで決めた配役やポジションだから、中間結果を受け入れ、オーディションという競争を乗り越えられたんだと思います。悔しい想いをしたメンバーもいたかもしれませんが、それぞれがオーディションの後も、「私にはこれが足りなかった」という反省や、「誰かのやりたかったポジションを自分が責任を持って頑張る」という姿勢が伝わってきて本当に良い座組<チーム>だなと思いました。

この後はとにかく全体がそれぞれのスキルや出番に全力を出してくれました。

​家族やお友達ではなく、ゲスト

私が映画を見ていたのでコンセプトやら衣装やらこだわり始めて、ナレーションでストーリーまで説明してとっても長い作品に…子どもたちは8分間踊りっぱなしでした。

体力や集中力はもとより、全員が「この発表会をコロナ禍で成功させる」、「この作品を届けたい」という気持ちで稽古場から熱演してくれました。

「このコロナ禍に、決して近くはない劇場に、マスクをつけて集まってくれる人たちにこの作品を届けてほしい」「みんなもリスクを冒して舞台に出るので、一回一回を本気でやってほしい」と伝えたことがありました。

子どもたちはこの言葉をどう受け取ったか、聞いたことはないです。

The PROMという作品を実際に見てくれたり、調べてくれた子どもたちがいたことや、みんなが物語やテーマを持って八分間、張り付いた笑顔ではなく、全力で英語歌詞リップシンク(コロナだからね、ダンスの発表会だしね!)をしてくれたのは、それぞれの答えだったのではないかなと思いました。

​成長と報酬

ある子は衣装を仕立て屋さんに出して、

ある子はソロをもらい、

ある子は怪我を乗り越え、

ある子はブレイクダンスをし、

ある子は小道具を持って、

本番に臨みました。

今思うと本当ダンスの発表会っぽくない演目でしたね笑

なんのジャンルかもわからないし笑

でもみんなが全てを尽くして挑んでくれた作品はおっきな拍手になって返ってきました。

あの瞬間はお客様、「ゲスト」がみんなに魅了されていたんじゃないかな?

みんなを子どもたちとは呼んでいましたが、リハーサルでは若い俳優さんたちだと想っていたので、スタジオを出て、実寸のリハに入ってからは修正箇所を送るくらいでした。

本当はお別れするのが、私も辛かったよ。みんなが最後の生徒さんだと想っていたからね。ホールに入ってからは、本当にただの演出的なスタッフワークとMCの仕事に徹していたのですが、本番中の袖では涙を隠さずにはいられませんでした。

本番の後、みんなが涙を目にいっぱい溜めて、お花と寄せ書きを持ってきてくれたので、私も大の大人であることを忘れて泣いてしまいました。

みんなからのお手紙や寄せ書き、そしてオーディションのフォームや映像は今でも時々見返しています。

もうみんなの先生にはなれないし、私は歳をとる一方ですが、

みんなが見せてくれた成長に負けないくらい、ダンスや舞台をやめるその時まで前進し、変化していきたいと思います。

It's Time To Dance

あなたとただ踊りたい

全てを捨て去って

誰がなんと言おうと気にしない

私たちが間違ってるなんて言わせない

あなたと私がいれば

そしてこの歌があれば

それだけでいい


このショーをみんながどんなに楽しんでいるか

あなたが教えてくれたよね

どうするべきか何度も話しあった

今夜の全てのゲストを 子どもたちみんなが見ている

そして私のたった一つの願い

作り上げようプロム

できたってみんなに見せようよ

あなたが心から愛する人

誰だろうと 誰も気にしないから

作り上げようプロム

いつの日か世界はこうなるんだってみんなに見せよう

きっと叶うよ

その日が来るまで

ドラムを鳴らして

It's Time To Dance



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