ビゴに駆ける

沈むように溶けてゆくように
ビゴ漬けの時が始まる夜に

初配信からだった
その1目で全てが分かった
日が沈み出した頃のゴールデンタイム
推し全員 重なっていた

推しマが増えすぎた
僕の名前の全てを奪った
全て絵文字の名前を纏う僕に
険しい目をしてたんだ

いつだってバッジ上げてと
言う世界で何度だってさ
なれるダイヤ無い時はうるさい声に
財布の中身なくても
ありきたりな方法
きっとクレカなら課金できる

騒がしい通知笑えない僕の
思いつく限り配信通知
行けない枠が増えてゆく前に
僕の事気づいてほら
ダイヤ足りてなくてバッジ上げられぬ時も
ロイヤルチケットで凌ぐから
時間ないよ 君がコメを読んだら
スパドラ投げよう

君にしか投げない
何かを疑う君が嫌いだ
見透かしてるかのような呆れるような
そんな顔が嫌いだ

単推ししたいけど他枠に行くこと
そんなのどうしたってきっと
これからだっていくつもあって
そのたんびバッジって言われるの
それでもきっといつかはきっと君にはきっと
スパを投げるよ課金するよ

もう嫌だって口だけだって
がむしゃらに連打したハートに無反応な君
もう嫌だってダイヤないなんて
本当は僕も言いたいんだ

あぁほらまたピヨピヨと
鳴る世界で何処でだってさ
君の為に用意したカードどれも使えない
課金上限だなんてさ
初めて画面に出た時
僕は初めて悟った

騒がしい日々に笑えなくなっていた
僕のスマホ鳴る数は異常だ
行けない枠のファンバッヂ明日にも
続々と消えていく

回れない日々に泣いていた僕を
君は優しく来るまで待つ
通知来てる あざ笑うように
ダイヤが不足してる
バッジすぐ取りたくて お金借りる日々に
やっときた待ちに待ってた給料日
虚しい風が僕を笑うように今
吹き抜けていく
ダイヤすぐ切らさないでよ
そして今、コンビニに走り出す

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