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LinuC 300 受験記録

LinuC300を受験し無事合格しました。

合格ラインギリギリだけどね・・

試験直後に発行されたスコアレポート

分析

各セクション(主題)の子セクションごとに設定されている「重要度」を合計するとちょうど「60」で出題数60問と一致することから、重要度=出題数 となるのではないかと推測し、以下のような分析をしてみました。

  • 主題390 OpenLDAPの設定
    正解率 87% = 7/8問正解

  • 主題391 OpenLDAPの認証バックエンドとしての利用
    正解率 50% = 2/4問正解

  • 主題392 Sambaの基礎
    正解率 90% = 11/10問正解

  • 主題393 Sambaの共有の設定
    正解率 77% = 7/9問正解

  • 主題394 Sambaのユーザーとグループの管理
    正解率 55% = 5/9問正解

  • 主題395 Sambaのドメイン統合
    正解率 44% = 4/9問正解

  • 主題396 Sambaのネームサービス
    正解率 60% = 3/5問正解

  • 主題397 LinuxおよびWindowsクライアントの操作
    正答率 80% = 4/5問正解

こうしてみると出題数が多い 主題394 と 主題395 でもう少し正解率を上げたかった気がする。
とはいえ、ネットの情報では満点は800点らしいので 560/800=70%の正解率であれば悪くはないか。

雑感

(1)情報収集の方法

試験対策書籍が書店で売られておらず入手困難であったり、試験範囲を分析すると数世代前のOSが対象になっているので、古い情報をかき集めることになった。
また、OpenLDAP、PAM+NSS、Samba、WindowsNT/AD環境 の実務経験があれば余裕かもしれないが、そうでない場合でも情報収集に苦労するので自分で検証環境構築をしてコマンド操作をしてみることが合格への近道になりそう。

(2)OpenLDAPについて

LDAPというよりはPAMやNSSの設定といった認証の統合についての十分な理解が必要。
OpenLDAPに関しては基本的には現行バージョンの OpenLDAP 2.6 でも試験対策としては問題なさそうだが、PAMやNSSについてはauthconfigやsssdといった最近の手法ではなく、それ以前の古い手法の情報を集める必要がある。

(3)Sambaについて

ユーザー管理、ドメイン統合についての十分な理解が必要。
また、試験範囲にNTドメインが含まれているので勉強するのが大変だった。
NTドメインを再現しようにも対応OS(WinNT、Win9xなど)が入手できず古い資料をかき集めるしかなかった。
ADドメインは入手可能なWindowsの評価版OSで検証環境が作れるので、時間はかかるが色々試してみると良いと思いつつ、WindowsのAD環境の知識がないと対応が難しい部分もあり、Windowsサーバーの専門書も手元にあれば良いかもしれないと感じた。
とはいえ、Samba3の環境構築はソースからインストールすることになるし、Samba4でADドメイン構築するにもソースからインストールすることになるので、本題に入るまでに苦労する場面が多かったと感じている。
環境構築以外の部分では、Sambaを管理するコマンド、NTドメインを管理するコマンド、ADドメインを管理するコマンドがあり、同じ目的でも複数の手段があるので覚えるのが大変。特にnetコマンドは多機能すぎて覚えきれない・・・

(4)情報の探し方

前述の通り、数世代前の技術要素を調査することになるので、さすがのGoogle先生でも見つけ出すのは難しく、ChatGPT(GPT3.5)教授に相談する場面もあった。
特にPAMやNSSといった認証統合関連の技術は複雑であるがゆえなのか、OSがメジャーバージョンアップするごとに変化している印象だったのでどのような問題が出題されるのか想像がつかなかった。
また、LPI-Japanの無料勉強会のスライド資料が参考になる場面もあったが、Google先生が偶然見つけてくれた感じで、LPI-JapanのWEBサイトに整理されている感じではないところが少し残念。

(5)問題集について

問題集は、Ping-t と LPI-JapanのWEBサイトで公開されている練習問題を活用したが、当然のことながらこれらですべてが整うということはなかった。
Ping-tについては、模擬試験モードで80%以上をコンスタントに取れるようになっていたが十分ではなかった。
ちなみに、Ping-tではOpenLDAPのレプリケーションで試験範囲に含まれていない旧式のレプリケーション手法「slurpd」の問題が多数含まれていたのが気になった。

(6)環境構築について

環境構築についてはVirtualBoxでUbuntu22.04仮想マシンを作成し、そのUbuntuのなかでLXDというシステムコンテナ環境を使った。
ちなみに今回の試験対策のために作成したコンテナは、OpenLDAPサーバーで8個、Samba3で5個、Samba4で7個、クライアントで2個の合計22個になったので、コンテナを活用することをオススメする。

手前味噌ではあるが、私が書いた「これは使える!LXDコンテナで作るLinux学習環境」シリーズを参考にしていただけると幸いです。

参考書

Samba3.x系でWindows NTドメインまで

Samba4.x系でWindowsADドメインならこっち

OpenLDAP2.1までならこれ
OpenLDAPの基本はこれで学べる

通称 あずき本 は入手できず・・・

通称 黒本 も入手できず・・・

私が書いたLXD本


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