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『青の記憶』 車のおもちゃ、洋服、空、海。 僕は青色が好きだった。 青に合う色は、白だけだと思っていた。 空の雲も、海の砂浜も、 ブレザーの中のワイシャツも、 みんな白だったから。 いつものように僕は、 真っ白な画用紙に、 青い絵の具で空を描く。 不意に隣に現れた君が、 カラフルなパレットを差し出してきた。 黄緑、茶色、オレンジに水色。 君の視線を追って、なんとなく僕は 桃色をひとすくい、筆に取る。 君も同じように、その色を拾う。 心の端には、まだ抵抗がある。
陽射しと緑の濃くなる季節 あの日 君の横で 「せーの!」で触れた 湧き水の冷たさを 今年もまた思い出す 指で弾いた水滴越し 君の笑顔が大好きだった #詩 #散文 #イラスト #色
あまりにも青く 時に爆ぜ 時に燻り あなたとわたし がんじがらめ 振り解いても また掴み取る 振り放されても 僅かに繋がる わたしとあなた ひとりとひとり 本能のまま 青く燃ゆる #詩 #イラスト #散文 #創作 #illustration #色
ガラス越しくらいが丁度良く 近付くほどに見えなくなる あなたは雨 静かに降る日は そっと耳を澄ましてみる あなたは雨 冷たく 柔らかく 私に染み込む
燕脂の袖で 紺の裾をつまむ 混じる肌色 あたたかく