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知っておきたい!食事のマナー「和食編」

食事から摂る栄養はとても大切なものですが、人と食べる食事は一層美味しく感じますよね。どんなお料理なのか、どんな素材なのか、どんな調理方法か・・・。

会話を楽しみながらお料理のことを知るほど、箸が進みます。これはとても大切なこと。”マナー”というとやや堅苦しく感じるかもしれませんが、自分が心地よいように、「その場にいる人みんなが心地よく食事をするための”心遣い”」と思えば自然と覚えられるはず。

今日は知らず知らずのうちにやってしまっているかもしれないことや、どうすればよく見えるかをシェアしたいと思います。

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今日は和食編。ところ変われば食べ物も、そしてマナーも変わります。

1:食べる順番

和食といえば「一汁三菜」が基本です。意外と知られていないことですが、一汁三菜とは、ご飯・汁物・香の物・3種のおかずで構成される献立を指します。汁物や香の物は三菜に含まれていないので、知っていると人に話せる豆知識になるでしょう。

そこで、和食の食べる順番ですが、1番目は「汁物」。これには2つの理由があります。
①温かい汁ものを最初に流してあげることで、「食事を始める合図」を体に送ることができます。また、汁物は消化の負担も少ないので、これから流れてくる固形物を消化するための準備を整えるという意味もあります。


②もう1つは箸を始めに濡らすことで、他の料理が箸にくっつくのを防ぐ目的があります。箸にご飯などがくっついてしまうと、後で説明する”嫌い箸”の1つである「もぎ箸=箸についたご飯などをもぎ取って食べる」に繋がる可能性があります。

2:あとは全てのお皿が均等に無くなるように・・・

汁物を口にした後は、すべてのお皿から料理が均等に無くなるように満遍なく食べるのが和食のマナー。

近年では、最初に野菜を摂ることによって、腸からの吸収を穏やかにし、食べすぎや血糖値の急上昇を予防する「ベジファースト」という食べ方をする方が多くみられますが、健康上の理由により厳密にそれを行わなければならない方以外でこれをするのは”和食における「一点食い」というマナー違反”であると覚えておきましょう。

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3:持っていい器とダメな器

洋食と違って器をもち上げて食べることの多い和食ですが、持っていい器とダメな器があります。ですが、そう難しいことではありません。

<持っていい器>=直径約15cm以下のもの
お椀や小鉢、小皿など直径が15cm以下のものや、酢の物や肉じゃが等の汁気のあるもの、めんつゆ・醤油などの小皿、かつ丼等の丼ものも持っていい器にあたります。

<持ってはいけない器>
こちらは、大皿や持ち上げにくいものなど、長時間持つことに適さないもの。また、熱いものなどです。大皿から取り分ける際にはお皿ごと持ち上げて人の前に差し出すのではなく、小皿や小鉢に取り分けて渡すようにしましょう。

また、持ち上げる際ですが器の下に「糸底」と呼ばれる部分があります。少し高くなっている部分ですね。縁を親指で押さえて、残りの4本の指を糸底に添えるという持ち方が美しい所作であり、そのための糸底です。熱が伝わりづらいので、熱さを気にせず持ち上げることができます。

汁物などの蓋がある場合、気圧の関係で取りづらく思いっきり引っ張って汁がこぼれたという経験がある方もいらっしゃるでしょう。汁物の蓋は縁に手を添えてしっかり押さえた状態で、蓋を持ち「のの字」に軽く回すことで空気の通り道ができ、簡単に開けることができます。外した蓋は椀の右側に置き、必要に応じて受け皿として使いましょう。

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4:手皿は厳禁!ニュースキャスターとかもやってるけどね・・・

汁物などがこぼれそうなとき、手のひらを添える行為=手皿を最近では公共のメディアでもよく目にしますが、あれは和食界の厳禁です。

先に触れた持っていい器は手皿をしなくてもよいように存在しています。しっかりと活用して、手皿をせずに済むようにしましょう。

5:刺身は味の淡いものから濃いものへ

刺身は基本的に味の淡いものから濃いものへ食べ進めていきます。刺身が一種類なら問題ありませんが、数種類ある場合は白身魚から赤身へと移っていくのがいいでしょう。

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6:焼き魚は左から

焼き魚は基本的に左向きで置かれています。
①尾かしら付の魚は上身を頭から尾に向かって徐々に食べていき、中骨を外して下身を食べます。
②切り身のお魚については、左から右に向かって一口大にカットしながら食べ進んでいけばOKです。

※注意!※
尾かしら付のお魚でよくやってしまうのが、上身を食べ終わった後にひっくり返してしまう行為。これは手も汚れるし見た目もよろしくないので厳禁です。必ず中骨を外して上から食べていきましょう。

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7:煮物は手前か上から

煮物は食べる場所によっては崩れてしまう場合があるので、手前もしくは上から順番に食べ進めていきます。柔らかく煮てあるので一口大に箸で切りながら食べましょう。また、里芋などツルツルすべる食材でも箸で刺して食べてはいけません

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8:揚げ物は一口大に切って!

揚げ物は箸で一口大に切って食べ進めていきます。ただし、イカやエビなど切るのも難しく一口で食べることもできない種類もあります。この場合は、小皿に移してお皿を持ちながら一口ずつ食べ進めていきましょう。

また、天つゆにつける場合は垂れる恐れがあるので、つゆの小鉢か小皿を持ちながら食べていきます。

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9:蒸し物

蒸し物の代表といえば茶わん蒸しですが、出来立ては大変熱い食べ物でもあります。縁にそっと触れて温度を確認し、食べられる温度であればスプーンで一口ずつすくって食べましょう。早く冷ましたいからと全てかき混ぜるのは厳禁です。スプーンですくった分ずつ冷まして食べるようにしましょう。


10:和食マナーの女王「箸使い」について

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海外の人からすれば「和食=お箸」というくらい浸透しています。ですが、正しくお箸を使える人は意外と少ないもの。私も上流階級のマナーでいえば出来ているは言い難いです。

ここでは、そこまで堅苦しく箸を持ち上げるのはどの手で・・・といったことではなくて、少しフランクに「嫌い箸」と呼ばれるお行儀の悪いマナーだけご紹介します。

①箸渡し:箸から箸へと食べ物の受け渡しをする行為。火葬場で骨を拾う作業を連想させることから縁起が悪いと言われています。
②そら箸:1度取った食べ物を食べず、元のお皿へ戻す行為。
③ねぶり箸:箸についた物を舐めとる行為。
④刺し箸:料理を箸で掴まず刺して取る行為。
⑤渡し箸:食事の途中、箸置きではなく茶碗などの淵を使って箸を渡して置く行為。
⑥違い箸:種類の違う、揃っていない箸を使用する行為。
⑦かき箸:箸で頭などをかく行為。不衛生で危険。
⑧かきこみ箸:お茶碗を口に当てて、箸でかきこんで食べる行為。
⑨寄せ箸:食器を箸で手前に引く行為。
⑩たたき箸:箸で茶碗などを叩く行為。


まとめ

いかがでしたでしょうか?マナーと聞くと少し身構えてしまうものですが、「マナー=みんなが気持ちよく場を過ごすためのもの」と思うと、このくらいなら気をつけようと思えるものばかりだと思います。

一通り確認される良い機会となれば幸いです。


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