傾き=正常
AM 9:05
〜♪♬♪(スマホのアラーム音)
「…起きて。」
これは現実か、はたまたまだ夢の中なのか。
なれずに伸ばした髭が寝起きには少し痒く
もしゃもしゃと弄りながら洗面台を目指すも
足元がもたつき少しだけイスに腰を下ろす。
付け根のネジがバカになっているせいで
カタカタと右に左にバランスを取るのがやっとの作業イスに腰を下ろす度に
「そうだ、イスほしいなー。」と思いながら
もう何ヶ月の月日がながれただろう。
「まあ、いーか。」
ぼくは環境や道具に愛着はない。
その時あるもので十分な価値提供ができていれば、それ以上の道具もお金もいらない。
最新のデバイスやアプリやソフト、ペンやハサミやコームなども必要だと感じなければ現状で十分なのだ。
なぜなら人を幸せにするための技術というのは性能ではなく、己の技術向上にどれだけ貪欲に努めたか以外にはないと思うからです。
会社という組織から脱し個人として独立した今
より良い価値提供のため、努力に全ての時間を費やせる日々に幸せを噛み締める。
そんなことを思いながらカタカタと傾くイスでバランスをとりながら座り、今日もありがとうと心から思う。
椅子は傾くも、想い真っ直ぐ前だけをみつめる。
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